乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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16.ニアミスすらしなくなったのは私のせいですか?

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 本屋を出て、今度は食事の時間。
お昼に広場の噴水前に集合は、すでに全員が集まっているのでわざわざ行く必要が無くなった。

お昼は今人気のカフェに行こうとしていたけど…
私、ここで少し我儘を言いました!

どーしても、肉が食べたい。
お上品な感じとか、お洒落な感じとか、そういうのはいらない!!
ガッツリ肉!って感じのが食べたいんだ!
と主張しました所、今日1日の私の様子を見ていたトマスが同情してくれたんでしょうね、
あのトマスが!
いつも馬鹿にしてくるトマスが!!
私の意見を押してくれたのです!!

ありがとーーー!!トマス!!!
たまにはいい事言ってくれる。

そして、これまたセバスの知り合いのやっている月の雫亭という名前の食堂に行く事ができました。

アディには食堂に連れて行く事になっちゃって、ちょっと申し訳なかったけどね…。



カランッ


「いらっしゃい!あら、セバス!久しぶりじゃない!」

「こんにちは。ルーファスは?」

「いるよ!ちょっと待って、ルーファスー!」

「お!セバス!久しぶりだな。今日は…また…大人数で…」


厨房からヒョコッと顔を出したのはちょっとキザな雰囲気の垂れ目の色男さん。


「私がお世話になっている家のお子さん達だよ。あと、テオ様もいるから…個室使えるかな?」


セバスがコソッとルーファスに耳打ちした。

あ、そっか!!
忘れてたけどテオって王子様だった!
アディだって公爵家の令嬢だし、レオは辺境伯の子息!
皆立派な人達だった!

あ、お兄様だって王弟の息子!
ーーー!
そう言ったら、私もだった!

なかなかにすごいメンバーで動いてたんだ。
護衛の人達も大変だよね…。


「こっちの部屋使ってくれ。この扉からこうしたら外にも出れるから。あと、はいメニュー」


綺麗な個室に通されて、皆でメニューを確認。

あ、THE肉!発見!!
おすすめにもなってる。
食べ切れるかな…それだけが心配だよな。
コレってこのままだと大分多そう…。
どうしようかな…。

あ!こっちのブイヤベースも美味しそう…。
でも、肉…でも食べきれない…魚介も……。

どれも美味しそうだし、種類もすごい沢山ある。
定食屋だけど出すのはフレンチみたいな感じ?
あ、でもラーメン?的な物もあるね。


「リリィ決まった?」

「おにいさまはどれにしますか?」

「ボクはこの赤ワイン煮込み定食だね。どれもおいしそうで困ったけど」

「オレはパスタとバケットのランチだな。アディは?」

「わたしはガレットにします」

「リリィは?」

「ーーーー。」


決められぬ!
どうしようかな…。
皆もう決めてるし早くしなきゃ!


「リリィはどれで悩んでるの?」

「レオ…。この肉!ってやつと、ブイヤベース…」

「そっか。えーとじゃあ…肉!は量が多そうだからオレが肉にして、リリィはブイヤベースにしなよ。肉は好きなだけ分けてあげるから」


え!?神?神がいるの?
本当にいいのかな?


「ほんとうにいいの?レオもたべたいものあったんじゃない?」

「ふふ、散々屋台のいい匂いかいで、肉が食べたくなってたから丁度いいよ!ね、そうしよ?」


あ、同士ですな!

「レオありがとう!」

「どう致しまして」

ニッコリ。
あら、やっぱりレオはイケメンね。
私が育てるとかしなくても、中身もすでにイケメンだったわ。


皆が注文して、食事が来るまでおしゃべりをしてた。
話題はロウの事。
皆、興味深々で色々聞いてくるけど私もそんなに知ってる訳じゃないから…

自分でしたオナラが臭くて顔を思いっきり顰めて尻尾でパタパタ払ってた事とか、寝てたらいきなりビクゥッって飛び起きてキョロキョロしてからまた寝た、とか…話した。

そしたら皆なんとなく微妙な顔してたんだけど、何かダメだったかなぁ?


そうしてるうちに料理が運ばれてきた。
めっちゃくちゃ美味しそうなんだけど!!
あ、肉!!本当にすごい量だった。
絶対に食べきれない量だわコレ。
レオありがとう!
ブイヤベースも凄いいい匂いだし、付いてるバケットもホカホカフワフワ!

皆の注文した料理も全部美味しそう。
あ、トマスはラーメンみたいなのにしたんだね。あんたは、何か親しみが湧くよ…。
全部一口頂戴!ってしたいくらいだけど、そんなはしたない事できないし…。

今度また絶対に来る!
この店通って常連になりたい!!


「リリィ、どれくらい食べる?とりあえずこれくらいでいいかな?」

レオが丁寧に切り分けてお皿に乗せてくれた。

「ありがとレオ!レオはこれはどれくらいいる?」

「じゃあ、これくらいかな?ありがとう」


ウフフ、と皆で和やかに食事を進めて食べ終わる頃にルーファスが部屋に顔を出した。


「お嬢様方、お食事はいかがでしたか?食後のデザートどうぞ。坊ちゃん方もね。大人はコーヒーを」

サッとリザーブしていくルーファスの仕草はとても洗練されている。
なんとなく、セバスに通ずる物があるよ?


「セバス、来るなら連絡してほしかったよ。護衛が間に合わないだろう?」

「ああ、すみません。急に決まったものですから」


あ、私のせいだよね、急に肉食べたいとか言ったから…。

「るーふぁすさん、ごめんなさい。わたしがわがままいってつれてきてもらったの」

「オー!マドモアゼル、リリィ悲しい顔しないで?大丈夫、悪いのは全てセバスだから。美味しいプディングでも食べてね?」

「ふふ。ありがとう。おりょうりとってもおいしかったです」

「ありがとうございます」

バッチーンとウィンクして、手を取って軽く挨拶された。
うん、軽いね、チャラ男だわ。


「あセバス、さっきドルトスから通信があったけど今度飲むんだって?オレも行くからヨロシク!」

「わかりました。参加人数が凄そうですね…お店は…」

「オルガの店にするって言ってたから、安心だろ?」


ルーファスも当時の仲間…なのかな?
じゃあ、オルガって言う人もなのかな?
その集まり気になるぅーーー!!
こっそり…なんて無理だろうな。


「おいしかったです!ごちそうさまでした!」

パンッと両手を合わせて食後の挨拶を。
あ、皆さんはこれはやらないんだよ。
この世界はやっぱり洋風だよね…


「はい。また来てね!お嬢さん達にはサービスするからね」

ウィンク+投げキッスをしてくるルーファスをセバスがハイハイと受け流して、和やかに食事が終わった。


「今からは、どうする?」

「そうだね、そろそろ帰る?ここのお菓子をお土産に包んでもらってるから受け取ってね」

さすがテオ、そつがない。

「ふふ。お土産のアイデアを出したのはレオだけどね」


お、レオだったのか!
さすがジェントルマン!
王子のテオに恥かかす事なくアイデアを出してあげる。
テオもテオで自分の手柄にせず、ちゃんとレオの事を言うなんて、この子達本当にイケメンだわ!


「じゃあ、帰る方向でいいかな?セバス、馬車の準備をよろしくね」

「畏まりました」

「レオは?いまからとくになにもないなら、うちにくる?おはな、わたすよ?」

「リリィ!ありがとう。でも今日はこの後もう一つ寄るところがあるんだ。残念だけどまた誘って?」

「わかったわ。きょうはありがとうね」



行きと同じように馬車に乗り込んでしばらく走り、お昼に行く予定だったカフェの前を通ったら人が集まってた。

なんだろう?って思ったけど、馬車のスピードも上がってたからすぐに通り過ぎちゃった。
面白い事でもあったのかな??


でも楽しかったな…色々な人と出会えたし。
リンリンさんとかドルトスさん、ルーファスさん。
お父様と一緒に戦った人達とまたゆっくり話したいな!それに、ルーファスさんの食堂のメニューを制覇するっていう野望もあるし…。
会えなかったけど、オルガさんにも会ってみたい!とりあえずリンリンさんとドルトスさんとはまた確実に会えるからここに来た時にまたルーファスさんの所に寄って………


…お腹も一杯で今日は沢山歩いたし、アディと私は馬車に揺られてお昼寝タイムに入っていくのでした。







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