乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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15.今、出会ってないと道が開かないんですか?

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 にーく!にーく!にーく!

リンリンさんのお店を出て、少し行くといい匂いが漂ってきた。
うん、どこの屋台で買おうかなー!


「へぇ!リリィすごいね!それでフェンリル様と契約したんだ!」


さっきの加護付きのお花の件で説明が必要になっちゃったから、お兄様がレオに説明中。
お兄様の友達だし、レオだし、まいっかって事でロウの事も話してもらってる。


「オレもリリィから何か欲しい…」

「えーと、いまはないからまたこんどね」

「ヤッタ!約束だよ!」


ハイハイ。
レオも子供だなー無邪気に喜んでかわいいではないか!


屋台に向かって歩いていると、武器屋の中にテオとアディの姿が見えたのでブンブン手を振ったら
アディが気付いてくれて、テオの肩にチョンチョンと手を添えてこっちを向かせた。

何かテオがチョイチョイと人差し指で呼んでる?


「おにいさま、テオがよんでるみたいですよ?ぶきやさんによりますか?」

「あ、本当だね、行こうか。リリィ屋台はその後でもいい?」


ーーー!!
致し方無し!!
屋台は逃げないし、すぐだからいいか!


チリン

扉を開いて中に入る。
わー!凄い!
武器の数もすごいけど何かすごく良い雰囲気!!


「テオどうしたの?ほんやは、いったの?」

「まだだよ、雑貨屋は行ってきたけどね。本屋に行く前にここを通ってたら気になって、セバスの知り合いの店らしくて。あ、こちらが店主のドルトスさん」

「はじめまして、リリィです」

「ふむ。儂はこの店のオーナー兼鍛冶屋のドルトスじゃ。よろしくな」


小さめの人だね。
凄い髭!ここまで伸ばすのも大変だろうな。


「ミシェルの娘だね?クリスは久しぶりじゃな」

「久しぶりだね、ドルトス。今度またお父様と剣を見に来るよ」

「おにいさまはごぞんじなの?」

「うん。ドルトスはお父様達の戦いの時のメンバーだったんだ。リンリンさんもそうだって言ってたよ」


へー!そうなんだ!
先の戦いの事はまだちゃんと教えて貰ってないけど、皆が力を合わせてがんばったって聞いてる。
この人達がいなかったら、この世界は成り立ってないんだ。
そういう人達と会えるのは嬉しいよね!


「おおきくなったら、わたしにもなにかつくってくれますか?」

「ワハハ!儂を見て驚かないのも珍しい!ヨシ約束しよう。最高のモノをプレゼントするぞ!」


わーい!やったね!
…でも武器を持つ事ってあるのかな?
お母様が怒りそう…。
ま、大きくなったら…だし。
平気…かな?


「ありがとう!どるとすさん!」

「おお。では、5歳の選定式までには用意しておこう」


…いいのかな?
セバスをチラリと見てみると、ウンと頷いていた。

武器っていっても種類も色々あるだろうし大丈夫なのかな?

「大丈夫だよリリィ。ボクも5歳の時にドルトスから短剣をもらったからね」

「ミシェル様には私からお伝えしておきますので、ご安心下さい」

「ほんと?じゃあたのしみにまってます!」


やったー!
どんな物になるのかもお楽しみだね!
選定式までの楽しみがまた一つ増えたわ。


「テオ様、今度また王宮に行きますのでその時に詳しく決めましょう。ピエール王に宜しくお伝え下され。…セバス!」

「なんですか?ドルトス」

「おめぇもたまには顔だせよ!飲もうぜ!」

「そうですね、次の休暇にでも集まりましょうか」

「リンリンにも声かけとくから。まあ来れるかわからんがミシェルにも聞いといてくれ。ピエールは…無理か。ガッハッハッ!」


凄いメンツになりそうな飲み会ね…。
恐ろしいわ…。


じゃあな!
とドルトスさんと別れて今度こそ屋台へ! 

「オレとアディは今から本屋に行くけど…」

「あ、ボクも行きたいかも」

「オレも元々行く予定だったから行くよ」


ーーーー!!

裏切り者ーーーーー!!!


「リリィ様が拗ねてるっすよ」

「しかたないよ…みんなが…ほん…」

「本屋いったらご飯の時間になりそうだから…リリィ、屋台のはお土産にして持って帰ろう?」


お兄様…違うんです。
ここでかぶり付くから美味しいのであって…。
でも、いいの。
私1人の我儘に皆を突き合わせるわけにはいかない…。
リリィ、我慢よ!
あなた、精神年齢は本当大人なんだからっ!!

ヨシッ!
…今度こっそり一人で来よう。


「おにいさま、だいじょうぶよ。こんかいはやたいはなしで。またこんどいきましょう」

「リリィ!大人になったね!」
「リリィ様が…リリィ様が!!」
「リリィ様、絶対なんか企んでるっすね」


鋭いぞ!トマス!


「そっ、そんなことないわっ!はやくほんやさんにいきましょう!」


颯爽と本屋への道を行こうとして場所が分からなくて大人しく皆に付いて行ったのだった。


うぅ…串焼き肉…
さらば串焼き肉…





リリィ達が武器屋を出た数分後


「……ここにも……」




◇◇◇◇

 


はい、本屋に来ております。
いい匂いのする屋台を横目に通り過ぎて本屋に来ております!!


「リリィは好きな本とかあるの?」

「うーん。いまのところはおかあさまがえらんでくれているやつを、よんでいるけど。レオは?」

「オレは今は魔法について調べてるから、そういう本ばかり読んでる」


へー!すごいじゃん。
レオってどっちかっていうと、身体動かす方が好きそうに見えるのに。


「おもしろい?」

「おもしろいし、奥が深いね。調べれば調べるほど…」

「ふーん。おすすめがあったらおしえて。よんでみたい!」


私もそろそろ魔法とかこの国の事とか歴史とか知っておいた方がいいよね。
全くの無知では、ベルナー家の恥になりかねないし。

お兄様はトマスと歴史のコーナーに。
テオとアディはセバスと小説や絵物語のコーナーに、それぞれ見て回っている。
レオは思っていたよりも真剣に本を探していた。


「レオ?それは?」

「ん?あぁ、コレ?ちょっと気になる題名だったからね」


レオが手に取っていたのはなんとなく怖そうな表紙の本。
表紙には[光と闇 相対する力]と書いてある。

あ、ちなみに私この世界の文字、勉強したわけでもないのに…読めます。
なんでかな?
日本語ではないのは確実なんだけど…読めちゃうんです!ラッキーだわ!

何かが関係しているのかもしれないけど、よく分からないから、放置です。
逆に読めないフリするのが大変なんだよね…。


「リリィは字は…まだかな?」

「あっ!えーと、かんたんなのなら…」

「へーっ!すごいじゃん。やっぱり高位貴族様は勉強も早いのかな?」

「えへへ。らいねんからきちんとかていきょうしのせんせいがきてくれることになってるの」


誤魔化せー!誤魔化すんだ!!


「魔法関係だったら、絵も多いしこの本がおすすめかな。[やってみた…]っていうシリーズ」


初心者には丁度いいのかも!
それのシリーズは…初めてまほうやってみた、初めてしょうかんしてみた、初めてまほうぐつかってみた、…何種類かあるけどこの3冊を買って帰ろうかな。


「うん、これにするわ。ありがとうレオ!」

「どういたしまして!リリィの役に立つならいくらでも聞いて!」


3冊を持ってお兄様達の元へと向かう。
レオはまださっきの本を真剣に読んでいた。


「おにいさま、わたしこの3さつをかってかえるわ」

「お、リリィ様が読書すか?明日はヤリが降るかな~」


ゴスッと肘を太ももに入れといた。
筋肉の間を狙ったから結構痛いと思うわ!
ふん!


「うん。いいと思う。ボクもこれにする事にしたよ」


お兄様が持っていたのは[国と聖女、その時世界はどう動いたか]というタイトルの本。
これもまた、気になるタイトルだわ。
今度お兄様に借りて読んでみよう!


アディとテオも決まったのか、本を片手に集まってきた。


「じゃあ、会計に行こうか。アディ本貸して」

「え?」

「一緒に会計して来るからリリィとそこで待ってて」

「あ、でも!さきほどもかみかざりをかっていただいたのに」

「いいんだって。カッコつけさせてよ!」

キャーキャー!!
テオ、男前ー!!
男っぷりが上がってるよ!
アディなんて、顔真っ赤!モジモジしちゃって、かわいいったらないよ!

ん?私の本は…どうやって買えばいいのかな?
今テオがアディと待っててって言ったよね?
お金渡せばいいのかな?


「リリィ、それこっちに頂戴」

あら、レオがお会計一緒にして来てくれるのね。
えーと、3冊でいくら?


「あ、コレあとでおかねわたすからおねがいします」

「ふふ。オレにもカッコつけさせてよ」


えー!?
レオも買ってくれるの!?
でも、3冊も…申し訳ないよ。

「でも…」

「今度お花くれるんでしょ?先にそれのお礼」


なんだよ、このイケメン坊やが!
不覚にもちょっとキュンとしちゃったじゃん。
ちょっとだよ?ちょっとだけ!


「ありがとう。おねがいします」

「いいえ。どういたしまして」

バチンとウィンク!
これがまた様になるのが恐ろしいわっ。
レオ5歳、これからまだ育つと思うと…楽しみだわっ!!


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