乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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43.何もない日があってもいいですよね?

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 なんだかんだと色々な事がありましたが…。

 リュドが無事にベルナー家我が家の一員になりました!!ワーイワーイ!!
リュドの方が誕生日が遅いので、義弟としてこれからは三人きょうだいで仲良くやっていきたいと思います!!

 リュドが家族の一員になって、一つだけうーんって思う事があるの!何回言っても敬語が抜けない事!!何回も何回も言ってるのに!!
なんか、そこはまたそのうち…って濁してくるんだよ?きょうだいなのに!っていつも少し言い合いになるの。
 
 お兄様が止めに入って有耶無耶で終わるけど…
もっと気軽に話してくれたらいいのになぁ…。


 まあそのうち、敬語も抜けるかな?

 そして、遂に私も5歳の誕生日を迎える年になりました。もうすぐ待ちに待った選定式です。
あー楽しみ!!
でも、何故か私の選定式は王宮内の教会でやるんだって。
孤児院の隣の教会でやると思ってたからちょっとビックリしたんだ。
でもヴィータ、アディ、リュドも王宮でやるって聞いて安心したけど。
一人だったらビビッちゃって上手くできなかったかもしれないもん。

 
 それと、前に見つけたビー玉みたいな魔具。
あれからセバスが調べてくれたみたいで、お父様と王様の方にも話がいったみたい。
どうなったのか知りたかったけど…そこは大人に任せた方がいいでしょ?子供の出る幕ではないってやつよ。

 少し前に、大分遅くなったけどって、ニーさんから連絡があったらしくて選定式が終わったら遊びに来てくれる事になりました!!
わーい!!
でも、何かロウとセルは固まっててロウなんて
『つ、遂にこの日が来てしまうのか…』とかすんごい劇画調の顔で鼻息荒く言ってくるから笑っちゃった。
セルもセルで
『やっべーぞ!!マジで!オレは雲隠れする!』って煩いし。

 友達が来てくれるっていうのになんで?って聞いたら

『『友達じゃない!ニーズヘグはどうでもいい!!問題はアイツ!』』

 って、二人が息ピッタリで言うからびっくりしたよ。
アイツってヘル?って人の事だよね?
それ以上は聞いても何も言わないし変なのって思ったけど、言いたくなったら言うよね?
ヘルってどんな人なんだろう…二人に聞いても、なんか急に口を真一文字に結んで劇画調の顔になっちゃうんだ。


 あ、リュドなら知ってるかな?

 
「ねーねーリュドー」
「なんですか?リリィ」
「ヘルッて人、知ってる?」
「ヘル?……冥界の女王の事ですか?」


 おーさすが!やっぱり知ってた!
って、冥界…の女王…だと?
……偉い人って事?


「女王様が……来る!!」
「急に何の話ですか?」
「女王様が来ちゃうんだよ!!そっか、だからあの二人も緊張しちゃってあんなビキィッて感じの劇画調の顔になっちゃうのか!!」
「だから、何の事ですか?」


 珍しくリュドの察しが悪いわ。


「だから、今度冥界の女王様とニーさんが遊びに来るんだって」
「え…?今度遊びに来るって、ロウ様達のお友達ってお話ではなかったですか?」
「そうよ?お友達。それが冥界の女王様とニーさん」
「ーーーっっ。えと…リリィと一緒だと本当にあり得ない事が続々と起こりますね…」


 何よー。どういう意味??
でも、まあ来る日はまた…って言っていたみたいだし、心の準備もお茶の準備もしっかりできるね。
女王様に会うの初めてだから緊張しちゃうなぁ。でも楽しみでもあるな。
お菓子とか食べるのかな?
お茶菓子何がいいか考えとかなくちゃ!!


「もうすぐ選定式だし、楽しみな事ばっかりだね!」
「ふぅ…僕は不安で仕方ないですよ…」
「え?なんで?」
「なんで…って……。僕は闇の属性じゃないですか」
「うん、そうだね」
「……悩んでも仕方ないのは分かっているのですが…」


 お父様達が闇の属性の事は修正して回って、正しい情報が王国中に届いたって言ってた。
何を悩む事が??って思うけど、本人にとっては重大な事だよね。
結構、手の平返してリュドに擦り寄ってこようとする人も多いみたいな事をお父様が言ってたし。
 
 王宮預かりの人とか、既に働いている人とかももっと過ごしやすい環境になっていくといいんだけどな。

「悩みって?」
「…闇の属性は皆の認識が変わって、良い方に見てもらえるようになってきたとは思うんです。希少価値が高いと言われ始めて…」
「うんうん」
「確かに魔力量は多い方だし、他の同じ年の方達よりはできる方だとも…」


 確かにね、リュドはできる子ってお父様もセバスもトマスも言ってた。
なのに、何を悩んでるのかな?
出来る人は出来る人なりの悩みがあるもの…ってよく言われてるよね…。


「でも、選定式でどの闇の精霊が契約してくれるのか…」
「え???」
「ーーえ?って、どの精霊が契約してくれるのかって心配になりませんか!?」
「うーん…。ちゃんと来てくれるか…っていうのは、確かにそう言われたらちょっと心配になるかもしれないけど、来てくれさえすれば、どんな子でも仲良くしたいと思うわ」

「どんな精霊でも…ですか?」

「うん。だって、沢山いる人の中から自分を選んでくれるのよ!嬉しいじゃん!普通の友達と違うんだよ?一方的って言ったら変だけど自分の意思は関係なく選ばれるって事でしょ?すごくない?
すごいと思うんだよね!」

「……」
「リュド?あれ?私変な事言ったかなぁ…」

「あ!いえ、すみません。…そうですよね。選んでもらえるのですよね」
「そうだと思うけど…」

「そうか…選んでもらえるんだ…」
「うん、だから大切にしなきゃだよね!」

「ボク、勘違いしていました」
「勘違い?」

「…はい。精霊達に選んでもらう立場なのに、もう来てもらえるの勝手に確定して、上位種じゃなかったらどうしようって。おこがましいですよね…」


 ……闇属性で人数も少なくて、出来る子認定されて期待されてるリュドにはプレッシャーだよね。


「そりゃあね、人間だものどうしたって期待に応えたいと思うよね。でもコレばっかりは精霊のみぞ知るって奴よ!どんな子が来てくれるか楽しみにしておこうよ!」

「はい!楽しみになってきました!!リリィに話して良かったです」


 うん、良かった!楽しみだね!




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