乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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51.毎度毎度お騒がせしてます…ですか?

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 色々な事があったけど、あっという間に月日が流れて、私リリアーヌ・ベルナーはアールヴレズル学園小等部に入学して真面目に魔法や一般教養の勉強中!

 寮は13歳の元の世界で言う所の中学一年生から全員入寮する形になっているらしくて、その年になったらよほどの事がない限りは皆寮に入るんだって。

 小等部では、簡単な魔法の練習や、魔法陣を書く練習等基本を行っていて、1年目はとにかく基本、基礎を徹底的に身体染み込ませる授業で結構大変だった。
 
 一般教養は、まぁ、ねぇ…小学校の1年生のレベルだし家庭教師もついてたしって事でそこは余裕だった。良かった…。

 2年目の今年から少しずつ実践形式になってきて、楽しい日々を過ごしてるよ!

 そして、今日は召喚魔法の実践の日!!
皆、ドキドキワクワクと楽しそう。

 私は…というとロウとセルがもういるから……

 ………………………不参加です。

 はぁ…皆の召喚を見守るだけ。
それだけでも楽しいからいいんだけどね。

 でも、召喚魔法の講師として、なんと!月の雫亭のルーファスさんが来てくれています!!

 やっぱり、凄い人なんだな…という感じ。
教え方も丁寧で親切。
魔法陣を描くと言っても、それも魔法で描くので上達すればする程一瞬で描く事ができるんだって。

 ルーファスさん…ルーファス先生の魔法陣を描く時間は本当に一瞬で、細かく美しい!の一言。

 召喚獣のランクに合わせて瞬時に描き分ける事ができて一流の召喚術師と呼ばれるようになるんだって!

 練習で、センスがあったのは意外にもヴィータだった。
スラスラと思い描いた魔法陣が描けたそうだ。
次はリュド、レティ、メル、アディ。
……私は……やっぱりニガテだわ。

 周りではこんにちは、よろしくね、と挨拶合戦が始まっていて、ちょっとだけ疎外感。

 
『リリィ、こればっかりはな仕方ないな』

「ロウ…そうよね。私には一足先にロウとセルがいるもんね…。セルなんて…ぷぷ…今思えば…ぷ……ぶふっ」

『なんだよリリィ!何が言いたいんだよ』

「子供向けの……ぷぷ……魔法…クク…」

『えーえー!悪かったですね!!子供向けの簡易版魔法陣で出てきちゃって!!』

「ぷぷ…。誰も…悪いなんて言ってないよ?…くくく」

『んだよ。リリィなんて自分だけで上手く魔法陣描けないじゃねぇか!あーんな歪な形の魔法陣じゃあ何も出てきてくれねぇよー!」

「なっ!……クッ……あながち間違っていない分反論できない……」

『ケケケッ!』

「ーーーック」

『お前達は本当に…ふぅ』

「くやしい~っっ!!」

「リリィ?どうしたの?」

「リュド~ッッ。セルったら本当の事ズバズバ言ってくる~っ」

「…それはどうしようも無いね……」

「でしょう?でもヒドイ~」

『上手くなってから出直してこいよ~ケケケッ』

「~~~!!っ!!ルッ!ルーファス先生!!」

「どうしたのかな?リリィ君。リュド君」

「私!魔法陣を!上手く描けるようになりたいです!!」

「あはは。それはいい事ですね~。うーん、上手く描く…という風に考えるのではなくて、まずは、素敵なお友達に遊びに来てもらう…という気持ちで魔法陣を描いてみてはどうでしょうか?属性や位なんてものは、二の次で」

「…素敵なお友達に…遊びに来てもらう…」


 そんな風に考えてなかった!!
いかに綺麗な魔法陣を描くかとかばっかりに意識が行ってた…。

 来て欲しい召喚獣とかも、教材で教えてもらった子達の姿形は絵で見てたけど、いまいちピンときてなかったんだよね…。

 イメージできてなかったというか…。
そうか、来て欲しい子のイメージをするんじゃなくて、遊びに来てねーでいいんだ!!
目から鱗ってこの事ね!!


「さすが!ルーファス先生!!私、やってみる!!」

「え?あ、リリィ君…ちょっとまっ」

『『「リリィッ!!」』』


 ヨシ!!
思い描くのは素敵なお友達よ!!属性とかそういうのは今は何も考えなくていい…。

 素敵なお友達、素敵なお友達、出ておいで~!


 えーと…なんか…でっかい魔法陣が組み上がっちゃったんですけど……。
 
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