60 / 122
60.イベント盛り沢山ですね?
しおりを挟む中等部入学式!本日も晴天也!!
皆で集まってホールへと向かいます。
「昨日はなかなか来なかったから心配だったけど今日は大丈夫そうね」
「あはは~ご心配をおかけしました…」
アディは一番初めにサロンに到着していたらしく、なかなか来なかった私を配して自分の契約精霊のニェネを部屋に見に行かせたり…と色々探してくれたらしく本当に申し訳ない事をしてしまった…。
そんなに心配してくれるアディに私は何を返せばいいのかわからないけど、嬉しかったのでギューッと抱きついたら、テオにペイッと引き剥がされました。
……心狭すぎるやろ。
まあ、そんなアディも男女問わず人気ありまくりなので心配になる気持ちも分からなくもないけどね。
公私混同はしないタイプの二人だから表向きは和やかな二人だけど、裏側はベタ甘のバカップル。
このメンバーでいる時は皆自分を曝け出しているので、はっきり言ってバカップルだらけ…。
お兄様なんかはヘル命だから何とも思っていないみたいだけど、私なんかはね…一応乙女ですから!人並みに羨ましかったりはします。
だけどね…恋愛って……ん?……あれ?
私13歳になったんだよね。
まあ脳内年齢プラスするとだいぶヤバイけど、まあそれは置いておいて…。
そうか、別に変に年齢の事は考えなくてもいいのか…?
昔みたいにショタはNGとか、そういう年齢はもう超えた…?うーんまだダメかな?
恋をしている皆は楽しそうなんだよね…。
でもそれ以上に私は毎日が濃いので恋をしている余裕がないような…(ギャグじゃないよ!)
もう少しこの魔法世界を満喫したいという気持ちの方が勝ってしまってるからね…。
もう少しだけそういうの関係なく皆と仲良くしたいんだけど…。
年齢的にもそろそろそういった事が許されなくなってくるんだろうな…。
「リリィ?行きますわよ?」
「あ、うん。ごめんごめん。行こう」
ホールに到着すると新入生達がソワソワザワザワした状態で座っています。
時間になり学園長の話が始まります。
魔法学園らしく白髪の長髪に髭を蓄えた学園長。
担任等の先生達の紹介、それが終わると生徒会メンバーが壇上に上がりました。
一際ザワッとした後ホール内がコンサート会場の様にキャーキャーと叫び声やウォーッという雄叫び?の様な物で収集がつかなくなってしまいました。
テオがマイクに手をかけ手を挙げると、ホール内は一気に静かになりました。
「…テオすごいね」
アディに向けて話したのだけど、アディは壇上のテオを見てポーッとしてます。
ま、いいけどね…。
「新入生の皆さん、まずは入学おめでとうございます。壇上に並んでいるのは中等部の生徒会メンバーです。まずはそれぞれから一言ずつ挨拶をさせてもらいます」
壇上の皆がお友達って結構すごい事なんだ…。
一人ずつが挨拶する度にキャー!ウォー!と叫び声が上がって人気の高さを物語っていました。
ヴィータは?と目を向けると、周りの学生と同じようにキラキラした瞳で壇上を眺めています。
ヴィータの兄好きは私達の間では当たり前の光景で、この二人を対立させようとする大人達は何を見ているのだろう…と不思議でなりません。
リュドも同じくレオをキラッキラした瞳で見つめています。
お兄様の事も尊敬してはいるらしいのですが、ヘルマニアな事を知ってからお兄様に対しての言動が本当の兄弟のような気安さに変わりました。
イイコトだけど…ね?
「この後は教室に入ってもらって各担任から話を聞いてください。今日はオリエンテーションで、簡単な立食パーティーを夜行うので17時に第二ホールへ集合お願いします。服装は基本自由です」
へー!オリエンテーションか。
立食パーティーなんてなかなかにいいじゃない?楽しみだなー。
「アディは知ってた?」
「え?何を?」
「オリエンテーションとかあるの」
「ええ。え?リリィは知らなかった?冊子とか書類とかに始めの方に書いてあったわよ?それに婚約者の居ない方達にとってはとても重要視されているわよ?」
あ、読んでないのバレた…
アディに呆れ顔されたけど、そんな顔も可愛いので皆の注目の的ですね!
「はー。こんなに人気者とか美形美人と一緒だと、自分の残念さが本当に残念に思うわぁ…」
「え?リリィ?なんて言ったの?」
「ううん?何にも」
「?。教室へ行きましょうか」
アディと私、ヴィータとリュドが同じAクラス。メルとレティはBクラスだった。
メル達と離れたのは少し寂しかったけどアディと一緒だったのはすごく嬉しかった!
リュドは、私と一緒で良かったような悪かったような…あぁでも問題が起きた時にすぐ近くに居れた方が動きやすいか……なんて、失礼な事をブツブツと呟いていました。
……ヒドイ。
教室に入り担任の自己紹介と授業形態についての説明が行われて今日は解散。
じゃあ、と言って一度寮に戻るかサロンに行くか…と思っていると教室が一際ザワッと騒めいて皆がキャーキャー言っている方へ目を向けると、とびきりの笑顔で微笑むレオの姿があった。
「リリィ、ちょっといいかな?」
「レオ…どうしたの?」
ほら…また皆の視線がキラキラキャッキャからのザンネーンに…。
「ほら、夜にオリエンテーションがあるでしょ?エスコートするから女子寮の前で待ってるね」
「えーと、皆はどうするって?アディは?メルとレティは?」
「勿論、皆エスコートしに来るよ」
「そっか!ならいいね!あ、服装は…?」
「なんでも…って言っているけどドレスの子が大半だと思うよ。リリィにも…」
「私は制服で行くわ!ドレスなんて苦しくて沢山食べられないし」
「……フフ。リリィらしいね。女の子達はこのオリエンテーションは卒業パーティーの次に気合いが入るイベントらしいんだけどね…」
「ふうん?じゃあ後でお願いします」
「クク…はい。じゃあ後で」
ポンと頭に手を乗せて去って行くレオの後ろ姿を皆さんまたポーッとキャーキャーと…
デジャブかよ…。
これから先こんな光景いくらでも見るのでしょうか…見るのでしょうね。
「リリィ、レオ様がエスコートして下さるって?」
「アディ、うん。迎えに来てくれるって。オリエンテーションってそんな仰々しいの?ドレスの子とかいるって…」
「…リリィあなたって本当に…」
「なによ?」
「それがリリィらしいって事じゃない?」
「あ、メル!レティ!も、もう終わったの?」
「いい?リリィ、今日のオリエンテーションはね、婚約者の決まっていない人達が上級生と関われる数少ないチャンスなのよ。学園生活が本格的に始まったら出会い所じゃないからね」
メルが拳を握って力説してくる。
「あ…はい。え?…出会い…?」
「そうよ?皆必死なの。だからドレスで武装するし気合いも入るのよ」
レティも同じく力説して来た。
「ドレスで武装…」
「リリィも勿論ドレス持って来ているわよね?今日は準備の為に侍女とかを寮内に呼んでもいい日よ?」
アディが諭すように話してくる。
「あー、私制服でってレオに言ってあるし、それに持って来てないわよ?ドレスなんて…」
「えーー!!」
「メル、落ち着いて。多分リリィのお母様の事だから既にクローゼットに入っているのではないかしら?ニナもこのチャンスに必ず来ると思うのだけど…」
「えー?サラッと見たけど無かったと思うけどなぁ…。それに急に変えたらレオが制服で来る事になっちゃうし…」
「…レオ様がドレス用意していないなんて事あるのかなぁ…?」
「メル、どういう事?」
「だって、あのレオ様よ?あの、そつなし・マメ男がドレスの準備をしていないなんて事あると思う?」
「……思わない」
「でしょ?だから部屋に戻ってもう一度ちゃんと見てみなさいよ?それから必要だったらうちのメイドさん達を出張させるからね!」
「……はい」
…確かにこういうイベントの時とかは必ずレオからドレスや宝飾品が送られて来たりしてた。
それにお母様やニナがこのオリエンテーションの事を知らないわけがないよね…。
少し重い気分で寮に戻ると部屋の前にニッコリ笑顔のニナと大荷物が届いていた。
0
あなたにおすすめの小説
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?
志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。
父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。
多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。
オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。
それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。
この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています
ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる