乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

文字の大きさ
75 / 122

75.なりたいものになれますか?

しおりを挟む


   
 「師匠、薬ってどれくらいの種類があるのですか?」

 今日は師匠であるアン様の家に来ています。
 師匠が、ここに来るのにわざわざボート出すのも面倒くさいし時間がもったいないわと言って部屋の隅にゲートを開いてくれました。

 このゲートも魔法具らしくて、すごく高価な物なんだって!私がもっと魔法が上手く使えるようになったら移動魔法を教えるって言ってくれて、それまでの間レンタルです。

 
 『そうね…ある意味無限とも言えるわ。だけどメジャーなのはポーション、毒消し、麻痺解消、睡眠解除…肉体強化…色々あるけど値段次第な所もあるわ…』
 
 「値段…ですか?」

 『そうよ?商売だからね…慈善事業じゃないのよ…高価な物程質が良かったり効能が多かったりするわ…』

  
 それもそうか、元の世界でもそうだったよね。値段で変わるのは同じ……じゃあ私が作るやつはジェネリック的な感じにしたらいいのかな?安いけど効能は同じみたいな。

 
 『所で……アンタは商売するつもりなの?それとも王宮魔導士を目指すつもりなの……?』

 「──そうですね。まだ…そこまでは考えていないです…けど…どっちがいいのでしょうか…」

 『フン…それもまだ……悩めばいいわ…』

 「とりあえずは……色々作りたいです!!」

  
 フフとアン様は笑って何冊か本を机に置いた。
 
 
 『目を通しておきなさい…何を作るか決めたら教えて』

 そう言って部屋を出て行った。

 
 本を開きパラパラとめくる。

 そしてふと、思ったんだ。

 私……アン様みたいな魔女になりたい……って。

 言ったら皆に止められるかな……。

 



 ◇◇◇



 
 ……なんだかんだで色々とお試しで薬を作っては、学園の方に渡したりセバスに渡したりしています。

 学園の方は味付きポーション。
 セバスには固形味付きポーション他色々。
 学園の方も喜んでくれて作り甲斐があります。
 セバスに渡している分はホッドミミルで販売しているらしく、お土産感覚で買っていかれる方が増えているそうです。

 学園に渡すのも販売に関してもセバスが難しい書類関係や利権関係等も全て管理してくれているので私は好きなように作るだけ作って丸投げ状態です。
 いいのかな?と思うけど、セバスの趣味みたいなものですからと言うのでもうお任せしちゃっています。


 そんな毎日を過ごしていると、レオ達が中等部を卒業する日がやって来ました。

 卒業といっても皆持ち上がりだし、寮も変わらないし……で特に変化は無いんだけどね。


 テオ達が卒業なので、それに伴って中等部の生徒会役員が全員変わったの。


 会長はヴィータ、ヴィータは本当に努力していて成績もトップを競い合っているし実技より魔法の方に特化したタイプだったみたい。
 まだ人見知りな所もあるけど皆の前でしっかり発言できるようになったし満場一致で会長にと皆から後押しがありました。


 副会長はなんとリュド!リュドはヴィータとトップ争いをいつも繰り広げていて、ヴィータの側近としても頭角を表してきていて、他の人が言いにくい事でもリュドはズバリと言うからヴィータからの信頼も高いみたい。
 親友のような仲の良さもあって二人はいい相棒になってます。


 書記はメルで会計はレティ。
 成績順で二人がきまったの!すごいよね。
 成績で言えば本当はアディも入る予定だったんだけど王妃教育もあるし忙しくて流石にそこまで手が回らないって事で辞退。


 そして庶務にロベルタ・モレルが入ったの。
 ランベール・モレル伯爵の息子でヴィータの側近候補に名乗りを挙げていて本人は優しく思いやりがある人なんだよね。
 ロベルタのお父様は結構ギラギラしてるけど……。


 後は……相談役になんと!私リリィが!!
 私で大丈夫?って何回も聞いたけど皆が絶対にやって欲しいって言うからね……何にもできませんが……っていうのが大前提で受けさせて頂きました。

 
 そんなメンバーで中等部の生徒会が決まって、新生徒会の最初のイベントがレオ達の中等部卒業パーティーを開催する事なの。

 皆でなんだかんだと話し合ってああしよう、こうしようって準備してきて、今日この日を迎えました!

 高等部の卒業パーティーよりは規模は小さいけれど、皆が楽しめるパーティーになるように頑張って準備したのよ。


 
 会場はホール。
 卒業パーティーと言っても夜やる訳ではないのでバイキングコーナーは私のゴリ押し(笑)でスイーツバイキングになっています。

 ダンスの時間とオリエンテーションの時間があってビンゴ大会を開催、ビンゴってこの世界にはなかったから作ったんだけど皆興味津々だった。

 今までの卒業パーティーはお茶会とダンスだけだったんだって。


 ちなみにビンゴの景品は高価なものは却下しました。まだ学生だからね!

 景品内容は
 ・ホッドミミルのお買物券 (先着3名)
 ・ホッドミミルで販売中のお菓子詰め合わせ (先着5名)
 ・ホッドミミルで販売中のポーション詰め合わせ (先着5名)
 ・王宮庭園ツアー (先着5名)
 ・ライル先生と学食でお食事券 (以下先着2名)
 ・クリストフ・ベルナーと学食でお茶会券
 ・ヴィクトル殿下と学食でお茶会券
 ・リュドヴィック・ベルナーと学食でお茶会券
 ・聖獣と触れ合い券 モフモフコース
 ・聖獣と触れ合い券 ツルツルコース
 ・聖獣と触れ合い券 大空コース
 
 
 基本的に初めての試みだし、私発案になるから基本私が景品出しました。


 このパーティー参加者は中等部全員です!!

 服装は自由です、今年はドレスやタキシードはNGにしました。

 なぜなら……最後のお楽しみでキャンプファイヤーもやる予定なの。

 キャンプファイヤーも……この世界にはなかったので説明したら皆も張り切ってくれたからね!


 やってみないとわからないからね。
 
 皆楽しんでくれるといいなぁ。



 
しおりを挟む
感想 71

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

転生した世界のイケメンが怖い

祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。 第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。 わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。 でもわたしは彼らが怖い。 わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。 彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。 2024/10/06 IF追加 小説を読もう!にも掲載しています。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました

空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。 結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。 転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。 しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……! 「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」 農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。 「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」 ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

処理中です...