ベストナイン

秋本シラキ

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第1球 サクラが咲いた俺達の春

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時は、2007年3月~

よこちん「あ~~私達受かってるかな~~・・・」

ヨウマ「ドキドキだね!」

真澄「3人で入りたいね!」



俺の名前はヨウマ。野球一筋9年。好きな球団はしいて言えば阪神かな。よこちんと真澄とは幼稚園からずっと一緒。よこちんは大の阪神ファンで、真澄は大の巨人&ソフトバンクファン。



今日は私立高校の合格発表。3人とも偶然にも同じ私立昭和高校を受けたんだ。みんなで受かるといいなー・・・



ヨウマ「は~~学校着いた~~」

よこちん「番号あるかなーー・・・」

真澄「全員受かってますように!!」



そして、俺達は自分の番号があるか探してみた。すると・・・

よこちん「・・・・・あ!あった!あったよー!!」

ヨウマ「おめでとーー!!」

真澄「やったね!」

ヨウマ「お!俺のもあった!!」

よこちん「やったーー!!」



あとは真澄だけだ。

真澄「あーーー!!!俺のもあったぞーーー!!!」

よこちん「すごーーい!!全員受かったじゃん!!」

ヨウマ「よし!3人で順番に胴上げだーー!!」



俺達は順番に胴上げをした。周りにいた人達に見られてるのがちょっと恥ずかしかったけどね(笑)でも、本当に最高の瞬間だった。

俺達が受けたこの昭和高校だけど、実は、出来てまだ1年目。だから俺達が入ったところで、2年生も3年生もいないんだ。俺はもちろん野球がしたい。甲子園に行けるのは、もしかしたら3年生になった時かもしれないなぁ・・・



その日の夜、俺の家族・よこちんの家族・真澄の家族でお祝いをした。未成年だからまだお酒は飲めないけど、飲みたい気分だったよ。

ヨウマ「いやぁ今日は最高だったね!」

真澄「久しぶりに感動したよ!」

よこちん「いよいよ高校生か~~・・・けどまだ実感が湧かないなぁ・・・」



と、ここでよこちんがある質問をしてきた。

よこちん「ね~二人とも、もちろん野球部に入るんでしょ?」



するとまず真澄が答えた。

真澄「もちろん入るよ!俺には野球しかねぇもん!」

よこちん「さっすが~~!真澄は昔から足が速かったもんね!また1番ライト真澄が見れるんだね!」

真澄「そうねぇ・・・俺1番か2番しか打ったことないから、そうなるかな(笑)」

よこちん「また頑張ってね!ヨウマはどうするの?」



そして俺が答えた。

ヨウマ「うん。入ろうと思うよ。また真澄とやりたいし!」

よこちん「さっすが~~!!ヨウマは昔から球が速かったもんね!またたくさん三振取るとこが見れるんだね!」

ヨウマ「また頑張るよ!」



そして、よこちんが俺達二人に、あるお願いをしてきたんだ・・・



よこちん「あのさぁ、二人にお願いがあるの・・・」

ヨウマ「何??」

よこちん「私を・・・甲子園に連れてってほしいの」

真澄「マジで!?」



なんと!よこちんは甲子園に連れていってほしいとお願いしてきたのだった!しかし、昭和高校は今年出来たばかり。初出場するにはかなり時間がかかると思われる。

ヨウマ「ほ・・・本気で言ってるの??」

よこちん「・・・うん・・・」

真澄「甲子園・・・かぁ・・・」



俺と真澄は、ちょっと戸惑った。でも、幼馴染のよこちんのお願いを無視するわけにはいかなかった。

ヨウマ「・・・・・よし!なんとか出場できるように3年間、頑張ってみるよ!」

よこちん「本当~~!!??」

真澄「お前の頼みだ!毎日泥塗れになって練習するよ!」

よこちん「頑張ってねーー!!」



よこちんは阪神ファンだが、阪神の試合を甲子園で観た事がなかった。だから俺は甲子園でよこちんが阪神戦を観る前に、俺がマウンドに立っているところを先に見せたいと、そう思った。

ヨウマ「結構待たせちゃうと思うけど、でも頑張るから、待っててくれるかな?」

よこちん「うん!二人の事信じてるから!」

真澄「よーーし!やるぞーー!!」



俺と真澄は、よこちんを甲子園に連れて行く事を誓った。翌日、早速真澄とキャッチボールした。

真澄「お前本当球速いよな~~」

ヨウマ「ありがとう!でも、変化球のキレだってすごいだろ??」

真澄「もちろんさ!お前のその右腕のおかげで、俺達は何度も頂点に立っているんだからな!」

ヨウマ「照れるな~~(笑)俺は真澄が1塁から快速を飛ばしてサヨナラのホームを踏んで優勝を決めた瞬間がいまだに印象的だよ」

真澄「あん時はマジ足がちぎれるかと思ったよ(笑)」



と、昔の話をしながらキャッチボールをしていた。



そんで話は高校卒業後の話へ。

ヨウマ「そういや真澄は、高校卒業したらどうすんの??」

真澄「もちろん、プロの世界に行きたいさ!巨人かソフトバンクに指名されれば最高だけどね!」

ヨウマ「大きな夢だね~~!!」

真澄「ま~俺はたまにしかホームラン打てないから、足で掻き回していくいやらしいバッターとして、プロの世界で成功できればいいかな」

ヨウマ「なるほどね!」

真澄「ヨウマはどうすんの??」



俺はちょっと間を置いてから答えた。

ヨウマ「そうだねぇ。俺もやっぱプロしかないかな。今まで野球しかやってこなかったし・・・」

真澄「そうか・・・・・なぁヨウマ?・・・」

ヨウマ「・・・・・なんだい??」



すると真澄はこんな事を言い出した。



真澄「お前、プロに入るなら、阪神に入れ」

ヨウマ「え!?どうしたの急に??」

真澄「よこちんが一番喜ぶ球団だろ?お前阪神行け!」

ヨウマ「ビ、ビックリしたな~~(汗)でも、プロに入ればどこでも応援してくれるんじゃん??」

真澄「まぁそうかもしんないけど、彼女が一番喜ぶのは阪神だろ?俺は巨人かソフトバンクに行きたいからよこちんを最大限に喜ばせる事は出来ない。だからお前が阪神に行け!」

ヨウマ「マジで~~??(汗)」



真澄の急な発言に、俺はかなり驚いた。

ヨウマ「そしたら俺達、もしかしたらプロの世界で勝負する事があるかもしれないね!」

真澄「そうかもな!それも伝統の巨人対阪神で!二岡と福原みたいなもんだな!」

ヨウマ「え~~真澄と対戦~~??なんかやりにくいな~~(笑)」



と、俺達は将来起こりうるであろう話をしていた。まさかこの話を、よこちんがこっそり聞いているとは知らずに・・・

よこちん「(二人とも大きな夢抱えてるのね~~・・・真澄、私は真澄が巨人に行ってもちゃんと応援するわよ!(笑))」



それから時は流れ、いよいよ入学式の日がやってきた。俺達は小学校・中学校の時と同様、3人で入学式に向かった。

真澄「また今年も3人だね~~」

ヨウマ「ホント全員受かってよかったよね!」

よこちん「ね!これで誰か一人いなかったら、寂しいよね(笑)」



そして昭和高校に着いた。まずはクラス分けを見てみた。果たして俺達3人は、同じクラスになっているんだろうか!?




第2球へ続く
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