ベストナイン

秋本シラキ

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第12球 4番の仕事 エースの仕事

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セオスの放った打球は鋭いライナーで飛んでいった!しかし!打球は切れるか切れないか微妙なところだ!

セオス「入ってくれ!!」

パル岡「いけーーー!!!」

ぴな「これが入れば4点よ!!」

ヨウマ「グランドスラムいけーーー!!!」




そして打球は、ポールギリギリのところに落ちた!

セオス「は・・・入ったか??」

真澄「どっちだ??」

ヨウマ「頼む!ホームランで!!」



そしてナイン一同は、一斉に3塁塁審に注目した。

セオス「どうだ!!??・・・・・」



その3塁塁審の右手は・・・・・・・



・・・・・・回っていた!!!!!

セオス「や・・・・・やった!!!!!」

真澄「よっしゃーーーーー!!!!!」

パル岡「すげぇ!!!いきなり4番の仕事だ!!」

ヨウマ「さすがうちの4番だ!」



セオスはガッツポーズを掲げ、ダイヤモンドを一周した。

セオス「ギリギリだったけど、なんとか入ってくれてよかったなーー・・・」



そしてホームイン!4対0!初回から主導権を握った!

ぴな「やるわねぇ!「ヤクルトファイヤー!」って叫ばなくても入るのね(笑)」

セオス「まぁね(笑)」



2ナッシングと追い込まれてからの1発だったので、とても価値ある1発だった。俺はこれから先、何度も彼に助けられる事だろう・・・



ノーアウトでいきなり4点を先制された相手ナインは、早速マウンドに集まった。

清水「みんなごめん!次からは気をつけるから・・・」

監督の息子「気にするな!次の回俺がホームラン打って追い上げるからよ!」



それから清水は生き返ったかのように、5番八木っちょ、6番泰彰、7番パル岡を連続三振に仕留めた。

清水「よし!!」

ヨウマ「うわーー、完全に生き返っちゃったな(汗)」

純「さすがエースって感じだな・・・」



そして2回の表、俺がマウンドに向かう。

ヨウマ「やっとまともな対決が出来るようになったかな?」



そして相手の4番、北原監督の息子が打席に立つ。

監督「う~~ん、どっちを応援したら良いのやら(汗)」



俺はまずカーブから入った。

ヨウマ「ほっ!」



だが・・・・・



効果音「カキーーーン!!!」

ヨウマ「・・・・・なっっっ!!!」



監督の息子はゆっくりと歩き始めた。

ヨウマ「しまった・・・・・」



打球はライトスタンドに突き刺さった。

ヨウマ「初球から狙うってことは、かなり集中してたってことだな・・・くそ!!」



これが俺にとっての、高校生になってからの初の失点となった。

ヨウマ「しょうがない・・・いずれこの日がやってくるとは思っていたし・・・」



そして監督の息子がホームインした。4対1。

清水「ありがとう!さすが4番だよ!」

監督の息子「取られたらすぐ取り返さなきゃ!」



ここですかさずファーストのセオスが声をかけにきてくれた。

セオス「いいよいいよ気にするな!1点ぐらい気にするな!また俺達が10点以上取ってやるから!」

ヨウマ「うん!ありがとう!」



俺はセオスに救われ、その後は立ち直った。5番から7番までを狙い球を絞らせず、簡単に打ち捕った。

ヨウマ「よーーし!!」

監督「よしよし!それでこそうちのエースだ!」

よこちん達「かっこいい~~!!」



2回の裏、昭和ナインの攻撃。バッターは8番浩一からだ。清水が立ち直ってきているので、ここは何とか1点でも多く取っておきたいところだ。

浩一「どんな形でもいいから出塁してやる!」



そう言って浩一は打席に向かった。

監督「頼むぜ~~!!」



浩一は清水の球をカットし続けた。

効果音「カキン!カキン!カキン!」

清水「粘るなぁ(汗)・・・」



そして8球目、シュートが甘く入った!

浩一「きたーーー!!!」

効果音「カキン!!」

清水「げ!!」



見事!センター前ヒットとなり、浩一が出塁した!

清水「ちっ!粘り勝ちか!・・・」



そしてバッターは俺。監督はバントのサインを出した。ここはしっかりとバントを決めた。

ヨウマ「よし!」



と!ここで相手のサードがボールを落としてくれた!!エラーだ!

ヨウマ「うっほ~~~!!!ついてるついてる♪」

一郎「ラッキーだな!」

八木っちょ「大量得点のチャンスだ!」

ぴな「どんどんいけいけ~~!!♪」



そしてバッターは1番に戻り、真澄だ。

真澄「よーーし、打ってやる!よこちん達見とけよーー!!」

よこちん「真澄ーーー!!!」

しまこ「これチャンスね~~!!」

歩「打つかな?」

さいち「打ってーー!!」



そして真澄が打席に立った。だが・・・・・

効果音「ボコッ!!!」

真澄「だーーー!!!(泣)」

清水「やっべ!!」



清水はサードのエラーで動揺したのか、真澄にデッドボールを与えてしまった!

真澄「いててててて(泣)・・・・・」

ヨウマ「だ・・・大丈夫か!?」

よこちん「や・・・やばくない??(汗)」



真澄は背中に球が当たり、かなり苦しそう・・・

監督「おい、大丈夫か???」

ナインが心配する・・・



しかし、真澄はすぐに立ち上がった。

真澄「大丈夫です!」

ヨウマ「お~~!!」

よこちん「あ~~よかった~~」

監督「無理するなよ?」

真澄「はい!でももう本当に大丈夫なんで」



真澄はそう言って1塁まで走っていった。さぁこれで2イニング連続でノーアウト満塁のチャンス!

清水「いかんいかん!ここはエースの意地を見せないと・・・」



バッターは2番大我。

泰彰「よーーしいけーー!!チャンスだーー!!」

八木っちょ「ここで打ったら男だーー!!」



しかし・・・・・

効果音「ブン!!」

審判「ストライク!バッターアウト!」

真澄「あーーー・・・」

ヨウマ「残念・・・」



三振に倒れてしまった。

大我「ちぇっ!」



清水は開き直ったせいか、球の威力が増していた。バッターは3番純。

純「さすがエースだな。でも、ここで俺が決めてやる!」



しかし・・・・・

効果音「ブン!!」

純「あっっっ!!!」



2者連続空振り三振に倒れてしまった。

純「なんだあいつ!?さっきより球速いぞ!?」

清水「エースはこうゆうピンチを迎えると強くなるんだよ!」



ノーアウト満塁が2アウト満塁と変わってしまった。だが、バッターは最も頼れる男、4番セオスだ!

セオス「うっしゃ!!」

ヨウマ「出るか!?2打席連続満塁ホームラン!!」



果たして、4番対エースの、この勝負の行方は!?




第13球へ続く
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