SOBE

秋本シラキ

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第5話 かつてのメンバーと対バン

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2回目のライブも無事終了し、飲み会も盛り上がり、メンバーは東京駅まで行き、歩を見送った。歩を見送った後、メンバー達はさらなる飛躍と成長を誓ったのであった。



その後も何度も練習とライブを重ね、ついに10回目のライブが近づいてきた。

真澄「もう10回目だし、そろそろレベルの高いライブハウスでやってみる?」

さいち「いいね!やってみた~い」

ヨウマ「もうステージに立っても緊張しなくなったし、やってみよっか!」



というわけで、真澄は渋谷の【GIG HOUSE】というライブハウスでやろうと決めた。ここは多くのプロになったバンド達が、一度はライブをやった事のある有名なライブハウスとも言えるところだ。



真澄「チケットノルマは、1900円の30枚・・・どっひゃーー!!」

セオス「一人6枚か。ただ、値段が高ぇなこりゃ」

メンバー達は頑張って売ることにした。



一ヶ月後、ついにその時がやってきた。

莉緒「ついに来たわね~」

ヨウマ「今日はみんな、気合入れていこう!」

チケットの売れ行きも順調であり、メンバー達はやる気が増していた。



メンバー達は【GIG HOUSE】に集合した。

真澄「すげ~~~!!!」

莉緒「なんて豪華なライブハウスなの!!」

セオス「今までやってきたところが、犬小屋に感じられる・・・」



メンバー達は、その広さ・綺麗さ・高級さに感動していた。

さいち「西洋の建物っぽいわね」

真澄「こんなところに住んでみてぇ~~」



と、そこへ、ある人物がライブハウスに入ってきた。

真澄「ん!?」

ヨウマ「どうしたのますちゃん??」

真澄は明らかに動揺していた。


向こうもこちらに気付いた。

パル岡「あれ!?真澄!?」

真澄「お・・・お前!!」



なんと!かつて一緒にバンドを組んでいたメンバー・パル岡と再会したのだった。

パル岡「ぐ、偶然だな・・・」

真澄「あ・・アハハ・・・アハハハハ」

真澄は訳がわからなくなり、ただ笑うしかなかった。



実はこの二人、やりたい音楽の方向性が違うことなどを理由に解散していたのだった。今更どんな会話をしたらよいのか、全くわからず、ただ気まずい空気が流れていた。



そしてリハーサルで彼の出番が回ってきた。

真澄「あいつ、どんな曲やるんだろう・・・」

パル岡の歌声は、あの時と変わっていなかった。ギター捌きもあの時のまま。



真澄「あいつ相変わらずうまいな。やりたいジャンルさえ一緒だったなら、今でもやれてたのに」

真澄は少し複雑な気持ちになっていた。



かつてのメンバーと偶然再会し、久しぶりに彼の歌声とギターを聴いたことにより、真澄のモチベーションはさらに高まった。

真澄「うちらも負けてられないな!」



そして本番がやってきた。今日SOBEは、ついに念願のトリを務めることになった。バンドが成長してきた証ともいえるだろう。



3組の演奏が終わり、パル岡のバンドの出番がやってきた。

パル岡「真澄達の前にやるのかぁ。なんかやりずらいな」

それでもやるしかなかった。



演奏が始まり、観客はパル岡の歌声に釘付けとなった。

観客A「あの人うまいね」

観客B「デビューしたら間違いなく売れる声よ」



パル岡は誉められていた。



これを見ていた真澄はこう思った。

真澄「観客のノリがいいな・・・絶対負けるもんか!」

真澄は気持ちが燃え上がっていた。


すぐさま、真澄は莉緒に頼み事をした。

真澄「あいつに負けないぐらいの歌、頼んだぜ」

莉緒「任せて!今日呼んだ人達は、初めてライブに呼んだ人達ばっかなんだ」



パル岡の演奏が終わった。すると・・・

観客「アンコール!アンコール!」

パル岡はアンコールを浴びた。



真澄「う・・・うらやましい・・・うちらアンコールなんて浴びたこと、無かったな・・・」

真澄は悔しがった。



パル岡「よーし、そんじゃあ一曲特別にやりますよー!ワーン!ツー!ワーンツースリーフォー!!」

アンコールを浴びたパル岡は、渾身の一曲を披露し、観客達を喜ばせた。



パル岡のバンドの演奏が終わり、ついに本日のトリ、SOBEの出番がやってきた。

真澄「いくぞーーー!!!」

真澄以外「おーーーーー!!!!!」



この日は「涙が止まらなかった帰り道」と「歳上の男性」に替わり、新曲「大切な人へのMessage」と「1億の生き方」を披露することになっている。

「大切な人へのMessage」は、ボーカル莉緒がかつて好きだった人への想いを歌詞にしたものであり、「1億の生き方」は、世の中にはいろんな人がいて、人それぞれ違った人生を歩んでいるんだから、自分の人生に心配なんていならいんだという事を訴えてる曲である。



この日もよこちん、八木っちょ、一郎が来てくれた。彼らはすっかり常連となった。

そしてメンバーはステージに上がった。



莉緒「それでは行きまーーーす!!!」

観客「イエーーーーーイ!!!!!」



この日も莉緒は観客の心を掴んだ。後ろで見ていた真澄は、ドラムを叩きながらこう思った。

真澄「あの子、最初カラオケで何も曲入れようとしていなかった子だったのに、よくここまで成長したなぁ・・・こんな風になるなんて、人生って何が起こるかわからないな」



一方パル岡は

パル岡「真澄の新しいバンドのボーカル、声もいいし、スタミナもあるし、ルックスもいいし。文句無しだな」

と感じながら、演奏を聴いていた。


全曲の演奏が終わった。アンコールは浴びなかった。

ライブ終了後、パル岡が真澄に声をかけた。

パル岡「お疲れ。お前のバンド、結構いい曲やるんだな。聴いてて楽しかったよ。負けました」



真澄は少し照れた

真澄「お前こそ、かなりハードな曲やって、すごかったぞ。あんな曲俺達にはできないよ。それに俺達はアンコールを浴びれなかったから、まだまだパル岡には勝てないよ」

二人はお互いを称えあい、握手を交わした。



 お互いの演奏を聴いて刺激を受けたことにより、過去の解散した時の事などが、不思議とどうでもよくなってきた。

パル岡「またどこかで会えるといいな」

真澄「そうだな。今度はプロの世界で会おうな」

二人は男の約束を交わした。



ライブが終わり、一旦控え室に戻った真澄は、あるものを目にする。

真澄「これは・・・オーディションのポスターじゃんか!」



そのオーディションの内容は、音源審査とライブ審査で次のステージへ進んでいくといった形のものであり、最後まで勝ち残るとデビューの可能性もありえるものであった。

真澄「おい!これやるしかないんじゃないの!?」

セオス「やっちゃう!?」

莉緒「やろっか!?」



メンバーは自分達の可能性を信じ、オーディションに参加する事を決意した。



第6話へ続く
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