逆境からの見習い冒険者

たらも

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第14話

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魔法についてお互い考えてきた内容を、僕とリアは話し合った。
魔力を持てたのが嬉し過ぎて、いろいろまだまだ出来ない先の事を考えちゃったけど。
ちゃんと基礎魔法から覚えていかないとね。

2人並んで魔法を使う。
魔力球。
魔力の塊を手から放つ。
自分が見ている対象に向かって飛んでいく。
2人とも成功した。
でも、同じ魔法でもちょっと違う。
リアの方がスピードが速い。
多分だけど、風の属性が影響してるんじゃないかな?
威力は属性が乗っている分、リアの方が強そうだった。
僕の土は、まだ固く出来ない。
魔力球に混ざらせても、泥が付くだけで嫌がらせにしかならない。

(これから毎晩、土を固めて石を出す練習をしよう)

僕はちょっとリアの属性が羨ましかった。

(土って地味だなぁ…)

でも、僕を選んでくれたんだから、使いこなさなきゃね。

次は魔力防御。
魔力で体を覆う。
覆う所まで出来た。
でも魔力が固まらない。
うーん。
難しい。

(全体を覆うのは難しいから、部分的にやってみようかな?)

僕は動けって念じながら魔力を操作する。
服の上をゆっくり移動して左手だけに集中させる。
魔力が分散していない分、認識しやすい。
そして固めるイメージ。
魔力が岩のように固まる事を想もする。
出来た!
岩には程遠いけど、固まってる。
魔力を纏った左手を前に出して、リアに棒で軽く叩いてもらう。
うん。
痛いけど、泣くほどじゃない。
革か何かで守られてるくらいは痛くなくなった。

リアも同じように魔力を手に集中させている。
ラナと同じように、魔力を固めた。
リアは魔力を纏った手で、ラナの魔力を纏った左手を叩いた。

「わわ!?」

ラナは驚いた。
素手で軽く叩いた筈の攻撃は武器を持った攻撃のように重かったからだ。
魔力防御してなかったら、涙目になっていたかもしれない。

『ラナ、ごめんね。ちょっと思いつきでやってみたんだけど…。でも、これ使えるかもしれないね」

防御とあと攻撃に使えそうだ。

次に補助。
体の中で魔力を移動させる。
ダメだ。
動かそうとすると外に出てきちゃう。
リアを見ると、やっぱり苦戦してるみたいだ。
困ったような表情で手を振って動かそうとしてた。
なんとか動かしても、とってもゆっくりだ。

(やっぱり、これが1番苦手かも)

暫く練習したけど、その日は上手く出来なかった。

次の日。
ラナとリアは河原に来た。
今日はまだ魔法を使ってない。
この状態で魔力球を何発撃てるか確認したかったのだ。

まず1発目。
これは問題ない。
少し、お腹にある魔力が軽くなった気はするけど。

(この感覚を覚えれば、どのくらい魔力が残ってるかわかるかな?)

魔力球を撃ち続けていく。
念じてから打ち出すまでは3秒くらいだ。
1発撃った後は、魔力が落ち着くまで撃てない。
だいたい1分くらい。
これは慣れで時間は縮められるかな?

8発目を撃ったところでラナはお腹にある魔力を感じられなくなった。

軽く頭痛を感じるのと体が怠い。
あと1発撃てそうな気もするけど、撃ったら動けなくなりそうだ。

ラナは魔力球なら1日に8発。
リアは6発。
恐らくリアは属性が乗るから、負担も大きくなるんだろう。

次の日は魔力防御と補助を使って模擬戦をしてみる。

(これじゃ模擬戦と言うより、型の練習だね…)

攻撃する時はなるべく武器の藁の剣まで魔力を覆うようにする。
とても時間がかかる。
集中して、なんとか魔力を纏わせてから攻撃。
防御する側は攻撃が来そうな所に魔力を集中して固める。
お互いが準備出来たら攻撃もしくは防御。
傍目には遊んでいるようにしか見えないと思う。
ゆっくりでも良いから、確実に出来るように繰り返した。

あとは補助。
これは魔力が殆ど減らない。
体の中から出さないからだ。
なので、他の魔法を使っている時以外は補助されている状態を心がけている。

(そうは言ってもなかなか上手くいかないんだけどね)

今練習しているのは足に集中させて、速く移動出来るようにと考えている。
まだ移動させるのに30分くらいかかるけど。

基礎魔法を覚えるのにひとつひとつ練習していく。

夜寝る前は属性魔法の訓練だ。
部屋に桶を用意して、その上で石を作り出す。
土を出して固めるイメージだ。

(それとも初めから石をイメージした方が良いのかな?)

堅い石を念じながら魔力を込める。
カラン。

(やった! 石が出た!)

小さい石だけど、僕にとっては大進歩だ。
石が出せれば出来る事も増えるし、投石の石を持ち歩かなくて済む。
石を作ると魔力が減ってしまうから、そこは少し考えなきゃだけども。

今度は石を変えるように念じて出してみる。
少しだけ、形が変わったような気がする。
でも、普通に石を出すより疲れる。
石を出す+形を整える。

(2つの動作をする分、魔力を使うのかもしれない。)

土属性で攻撃魔法を考えた時に、石を作って魔力球のように撃ち出すなら、投石とあまり変わらないんじゃないかと思った。
魔力が増えれば威力も増えていくのだろうけど。
でも。
せっかく魔力を使うなら、もっと強くしたい。
矢のように尖らせた石を撃ち出す。
その為にも石の形を変えられるようにする練習は大切だった。

疲れ果てるまで練習してラナは眠った。




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