逆境からの見習い冒険者

たらも

文字の大きさ
15 / 20

第15話

しおりを挟む
模擬戦と魔法の訓練をずっと続けた。

時間が過ぎのは早い。
やり直してから、もう1年が経っている。
リアとの模擬戦も、始めた頃とは段違いに
なったと思う。

リアと向かい合う。
魔力を3つに分ける。
1つは魔力防御で棒と盾を強化しつつ、全体を覆う。
2つ目は補助で足に魔力を集中させて、スピードを上げる。
3つ目はいつでも魔力球を撃てるように下腹に残しておく。

リアはまだ動かない。
短い棒を逆手で両手に持ち、腰を低くして構えている。
僕が間合いを詰めようと、ジリっと動くと。
リアが正面から飛び出してきた。
恐らくフェイント。
途中で直角に曲がって、左手の方から胴を狙ってくる。
僕は盾を下げて受け止める。
押し返そうと力を込めると、素早く移動したリアは背後に回っていた。

(読んでるよ!)

僕は棒を横に払う。
リアが二刀で合わせてきた。
そのまま力を込めて力比べに持っていこうとすると、スルリと下に躱して至近から魔力球を撃ってきた。
なんとか間に盾を入れ、魔力防御を盾に多く回す。
多少は痛かったけど、その程度だ。
魔力球は物理防御より魔力防御の方がダメージを相殺出来る。

ここで一旦距離を取る。
今度は僕からいく。
砂を作り出して投げる。
目潰しだ。
リアには読まれていて、風で返される。
でも、それで良い。
もうそこには僕は居ない。
一瞬視界を悪くしてその隙を突く。
横合いから、突き入れる。
避けられて、距離を離される。

僕は力を込めて魔力球を撃つ。
右に避けるか、左に避けるか?
僕はリアの左右移動すると思う場所に段差を作り出した。
自分から5メートルくらいの場所なら地面を少し操れる。
でも、気づいたリアは正面から受け止める。
短棒に魔力を込めて傍に魔力球を逸らす。

そのまま、追い風を作り出して急接近。
低い位置から脚を払われて1本取られてしまった。

2人は今の反省や改善点を楽しそうに話し合っている。

遠く離れた場所で。
管理者はモニター越しに観察していた。
ほんの気まぐれで記憶を残したまま、巻き戻しをした2人を。
魔物に殺されたヒト種が記憶を持ってやり直しをした場合どのような反応を示すのか。
殺されたという負荷でどの程度、変化するか。

「想定の範囲内ではあるが、考慮に値する変化だ」

手元のモニターを確認する。

ラナ(男)
11歳
村人
力:17
体力:15
知力:19
速度:17
魔力:31

スキル
投石(B)
棒術(B)
剣術(C)
回避術(C)
盾術(C)
語学(B)

魔法
魔力球(C)
魔力防御(C)
補助(D)
砂生成(C)
鉱物生成(D)
地面変化(D)

レア(女)
12歳
村人
力:16
体力:15
知力:16
速度:20
魔力:28

スキル
投石(B)
棒術(C)
二刀術(B)
剣術(C)
回避術(C)
語学(C)

魔法
魔力球(C)
魔力防御(C)
補助(D)
追い風(C)
突風(C)
風球(D)

「1年でこのステータスか。ならばあと1年でどこまで変化するか」

「前回は負荷を強くし過ぎて文明が滅びてしまったが、今回は魔物の量を減らしてギリギリの負荷を与えてみよう」

「英雄や勇者と言ったヒト種を作るには、1度殺して生き返らせるという手法が良いか」

「あの2人は面白いサンプルになるかもしれないな」

管理者は深い思索に入る。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

処理中です...