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第16話
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僕達は1年の成果を試す為に、森に来ている。
今日は薪拾いも兼ねているので、竹籠を背負っている。
少し森を奥に進んで、ゴブリンと戦うのが本当の目的だけど。
装備はいつも通り。
木の棒
木と藁の盾
布の貫頭衣
革の靴
リアは石のナイフに持ち手を付けて改良した物を両手に持っている。
少しとはいえ、森の奥に進むとヒトの領域じゃなくなってしまう。
ここからは魔物の棲家だ。
やっぱり雰囲気が違う。
『緊張…するね』
リアはそう手話で伝えながらも、周囲の探索を怠らない。
巻き戻しの前はゴブリンを見ただけで、泣いて凍りついていたのに。
僕も同じだけど。
「あのね。リア。ここまでこれたのはリアが居てくれたからだよ。ありがとう」
「僕達のトラウマ、ここで晴らそう!」
僕は人並みに発音出来ている、ってリアにお墨付きを貰った。
だから、リアが聞いて、僕が話す。
2人だったら普通に生活出来るんだ。
僕の言葉を聞いてリアは少し驚いた後に頷いてくれた。
それけら顔を上げてくれないけど、頷く前は笑顔だったから怒っている訳では無さそう。
奥にはゴブリン以外の強い魔物を居る。
僕達は慎重に進む。
なるべく音を立てないようにだから、自然とゆっくりだ。
帰る道が分かるように枝を折って標を残す。
居た!
ゴブリンだ。
でも、3匹居る。
1匹はリーダーだろうか、錆びた剣を持っている。
もう2匹は木の棒を持って従っている。
(こちらは2人だし、しかも初めてのゴブリン戦だしね。
出来れば2匹までにしたいかな…)
と思っていると、リアが肩を突いてきた。
振り向くと。
『やろう!』
『あの剣を持ってるのに魔力球を2人でぶつけて倒そう。
倒れなかったら、砂嵐を使って逃げる。
もし倒せたら、ラナは左の、私は右のゴブリンと1対1で戦おう』
リアは凛とした表情でゴブリンを睨みつけてる
僕はその表情に少し見惚れた後、決めた。
『…うん。やろう!』
僕達は魔力球を使う準備をする。
先制で1匹は潰しておきたいので、少し多く魔力を込める。
それと同時に全身と武器を魔力防御で覆い、足に魔力補助を回す。
リアと目配せする。
よし!
剣持ちゴブリンに2発が直撃した。
「ギギョギョ」
ラナには聞こえないがゴブリンの口が叫んでいるように開いてる。
殺せたかはわからないけど、倒れて動かない。
もうこっちの場所もバレてる。
僕達は武器を握り直して立ち向かう。
僕の相手は左だ。
醜悪な顔を歪めている。
殺された時の事を思い出して怖くなる。
(僕はあれから強くなったんだ!)
お腹に力を込めて恐怖を抑える。
落ち着いて相手を観察する。
背は僕と同じくらい。
武器は同じ木の棒だけど、僕のよりかなり太い。
ゴブリンは狡賢いけど凶暴だ。
間合いとか考える事も無く棒を振り上げて向かってきた。
僕は中段に構えて迎え撃つ。
上から振り下ろされた棒を右に躱す。
躱しながら棒を振り抜いた相手の両手を棒で打ちつける。
対スライムで散々練習した動きだ。
魔力で強化してるから、それなりのダメージは与えている筈。
ゴブリンは棒から片手を離した。
そのまま後ろに回る。
背中に向かって盾で体当たりをする。
ゴブリンは前につんのめった。
頭を潰そうと棒を振り上げると、ゴブリンは棒を片手で振り回しながら、僕の方に向きを変えた。
一旦後ろに下がる。
ゴブリンはそのまま突っ込んできた。
数度、打ち合う。
力は同じくらいだ。
速さは僕の方が上。
(勝てる!)
そう思った時、ゴブリンが棒を投げつけてきた。
「うわ」
咄嗟に避けるとゴブリンが体当たりしてきた。
僕は体制を崩す。
でも、このくらいリアとの模擬戦で何度も経験してる。
不安定な姿勢だけど、魔法で砂を作り出して投げつける。
綺麗に目潰しが決まった。
その間に姿勢を整えて、向かい合う。
ゴブリンが僕を睨みつけてる。
僕は気合いを込めて上段から頭を狙った。
咄嗟に右手を入れて頭を庇ってきたが、そのまま右手を叩き折る。
間合いを詰めて、用意していた魔力球を放つ。
ほぼゼロ距離からの魔力球が決まってゴブリンは吹っ飛んでいった。
動かないか様子を見て、そろそろと近寄ってみる。
棒で叩いても反応が無い。
倒した!
直ぐに心配になってリアの方を向くと。
リアも終わっていた。
『怪我はない?』
「僕は大丈夫。リアこそ怪我は?」
『大丈夫よ。心配してくれてありがとう』
『私達、勝ったんだね…ラナ。これで守れるよね、お父さんを』
「うん。守れるよ。それに1人じゃない。僕がリアを守るから」
2人とも1対1でゴブリンを倒した。
村人がゴブリンを倒す時は、普通3人以上で1匹を囲んで倒す。
そのゴブリンを2人で3匹倒したんだ。
僕達の訓練は無駄じゃなかった。
錆びていたけど、剣は拾っておいた。
木の棒より強そうだし。
でも、持って帰ったら理由を聞かれて怒られそうだから、何処かに隠しておこう。
達成感を感じた2人は、森の浅い所まで戻ろうとした。
折った枝を目標にして戻っていくと。
途中にオークが1匹歩いている。
オークは2本足で立つ豚のような魔物だ。
強さもゴブリンと変わらない。
リアを見ると、同じ事を考えてる顔だね。
『やろう。始めに砂嵐で目潰しして左右から攻撃』
手を使った会話は音が出せない時に便利だ。
リアが頷く。
リアの顔からにするに。
「臆病なラナが珍しいね」
みたいな事を考えてそう。
でも、経験って大事だ。
戦う経験を積む。
タイミングを合わす。
砂嵐は僕の砂をリアが突風を使って敵に目潰しをする僕とリアの合わせ魔法だ。
ブワッと風が起こる。
僕は生成した砂を風に塗す。
うん、決まった。
オークは目を擦っている。
一気に距離を詰めて左右から攻撃した。
僕の攻撃は頭、リアの攻撃は首にしっかりと決まりオークは動かなくなる。
僕達は静かに顔を見合わせて、頷きあった。
「上手くいったね」
『持って帰れないのが残念だけどね』
流石に重いし、戦って勝ちましたって言ったらとっても怒られそうだし。
僕達はそのまま森を後にした。
今日は薪拾いも兼ねているので、竹籠を背負っている。
少し森を奥に進んで、ゴブリンと戦うのが本当の目的だけど。
装備はいつも通り。
木の棒
木と藁の盾
布の貫頭衣
革の靴
リアは石のナイフに持ち手を付けて改良した物を両手に持っている。
少しとはいえ、森の奥に進むとヒトの領域じゃなくなってしまう。
ここからは魔物の棲家だ。
やっぱり雰囲気が違う。
『緊張…するね』
リアはそう手話で伝えながらも、周囲の探索を怠らない。
巻き戻しの前はゴブリンを見ただけで、泣いて凍りついていたのに。
僕も同じだけど。
「あのね。リア。ここまでこれたのはリアが居てくれたからだよ。ありがとう」
「僕達のトラウマ、ここで晴らそう!」
僕は人並みに発音出来ている、ってリアにお墨付きを貰った。
だから、リアが聞いて、僕が話す。
2人だったら普通に生活出来るんだ。
僕の言葉を聞いてリアは少し驚いた後に頷いてくれた。
それけら顔を上げてくれないけど、頷く前は笑顔だったから怒っている訳では無さそう。
奥にはゴブリン以外の強い魔物を居る。
僕達は慎重に進む。
なるべく音を立てないようにだから、自然とゆっくりだ。
帰る道が分かるように枝を折って標を残す。
居た!
ゴブリンだ。
でも、3匹居る。
1匹はリーダーだろうか、錆びた剣を持っている。
もう2匹は木の棒を持って従っている。
(こちらは2人だし、しかも初めてのゴブリン戦だしね。
出来れば2匹までにしたいかな…)
と思っていると、リアが肩を突いてきた。
振り向くと。
『やろう!』
『あの剣を持ってるのに魔力球を2人でぶつけて倒そう。
倒れなかったら、砂嵐を使って逃げる。
もし倒せたら、ラナは左の、私は右のゴブリンと1対1で戦おう』
リアは凛とした表情でゴブリンを睨みつけてる
僕はその表情に少し見惚れた後、決めた。
『…うん。やろう!』
僕達は魔力球を使う準備をする。
先制で1匹は潰しておきたいので、少し多く魔力を込める。
それと同時に全身と武器を魔力防御で覆い、足に魔力補助を回す。
リアと目配せする。
よし!
剣持ちゴブリンに2発が直撃した。
「ギギョギョ」
ラナには聞こえないがゴブリンの口が叫んでいるように開いてる。
殺せたかはわからないけど、倒れて動かない。
もうこっちの場所もバレてる。
僕達は武器を握り直して立ち向かう。
僕の相手は左だ。
醜悪な顔を歪めている。
殺された時の事を思い出して怖くなる。
(僕はあれから強くなったんだ!)
お腹に力を込めて恐怖を抑える。
落ち着いて相手を観察する。
背は僕と同じくらい。
武器は同じ木の棒だけど、僕のよりかなり太い。
ゴブリンは狡賢いけど凶暴だ。
間合いとか考える事も無く棒を振り上げて向かってきた。
僕は中段に構えて迎え撃つ。
上から振り下ろされた棒を右に躱す。
躱しながら棒を振り抜いた相手の両手を棒で打ちつける。
対スライムで散々練習した動きだ。
魔力で強化してるから、それなりのダメージは与えている筈。
ゴブリンは棒から片手を離した。
そのまま後ろに回る。
背中に向かって盾で体当たりをする。
ゴブリンは前につんのめった。
頭を潰そうと棒を振り上げると、ゴブリンは棒を片手で振り回しながら、僕の方に向きを変えた。
一旦後ろに下がる。
ゴブリンはそのまま突っ込んできた。
数度、打ち合う。
力は同じくらいだ。
速さは僕の方が上。
(勝てる!)
そう思った時、ゴブリンが棒を投げつけてきた。
「うわ」
咄嗟に避けるとゴブリンが体当たりしてきた。
僕は体制を崩す。
でも、このくらいリアとの模擬戦で何度も経験してる。
不安定な姿勢だけど、魔法で砂を作り出して投げつける。
綺麗に目潰しが決まった。
その間に姿勢を整えて、向かい合う。
ゴブリンが僕を睨みつけてる。
僕は気合いを込めて上段から頭を狙った。
咄嗟に右手を入れて頭を庇ってきたが、そのまま右手を叩き折る。
間合いを詰めて、用意していた魔力球を放つ。
ほぼゼロ距離からの魔力球が決まってゴブリンは吹っ飛んでいった。
動かないか様子を見て、そろそろと近寄ってみる。
棒で叩いても反応が無い。
倒した!
直ぐに心配になってリアの方を向くと。
リアも終わっていた。
『怪我はない?』
「僕は大丈夫。リアこそ怪我は?」
『大丈夫よ。心配してくれてありがとう』
『私達、勝ったんだね…ラナ。これで守れるよね、お父さんを』
「うん。守れるよ。それに1人じゃない。僕がリアを守るから」
2人とも1対1でゴブリンを倒した。
村人がゴブリンを倒す時は、普通3人以上で1匹を囲んで倒す。
そのゴブリンを2人で3匹倒したんだ。
僕達の訓練は無駄じゃなかった。
錆びていたけど、剣は拾っておいた。
木の棒より強そうだし。
でも、持って帰ったら理由を聞かれて怒られそうだから、何処かに隠しておこう。
達成感を感じた2人は、森の浅い所まで戻ろうとした。
折った枝を目標にして戻っていくと。
途中にオークが1匹歩いている。
オークは2本足で立つ豚のような魔物だ。
強さもゴブリンと変わらない。
リアを見ると、同じ事を考えてる顔だね。
『やろう。始めに砂嵐で目潰しして左右から攻撃』
手を使った会話は音が出せない時に便利だ。
リアが頷く。
リアの顔からにするに。
「臆病なラナが珍しいね」
みたいな事を考えてそう。
でも、経験って大事だ。
戦う経験を積む。
タイミングを合わす。
砂嵐は僕の砂をリアが突風を使って敵に目潰しをする僕とリアの合わせ魔法だ。
ブワッと風が起こる。
僕は生成した砂を風に塗す。
うん、決まった。
オークは目を擦っている。
一気に距離を詰めて左右から攻撃した。
僕の攻撃は頭、リアの攻撃は首にしっかりと決まりオークは動かなくなる。
僕達は静かに顔を見合わせて、頷きあった。
「上手くいったね」
『持って帰れないのが残念だけどね』
流石に重いし、戦って勝ちましたって言ったらとっても怒られそうだし。
僕達はそのまま森を後にした。
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