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本日貸切
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約束は、13時だった。
でも、宇宙の歌と合わせる前に、一度、笙悧は、ピアノで弾いてみたかった。
もらった楽譜は、リュックに入れたまま、家に帰っても、出して見なかった。
見てしまえば、楽譜から聴こえて来る音がうるさくて、眠れなくなってしまう。
お昼ごはんを食べた後、抑制剤を飲むと、笙悧は、ふと思いついたように
「大学の秋学期が始まるから、シャー芯とか、ルーズリーフとか、買っておこうかな」
と、母親には嘘をついて、家を出た。
マンション前の交差点を渡る自分の足が、速歩きになっていて、笙悧は笑ってしまう。
いつもの風景の中の、宇宙がバイトしているコンビニが、キラキラして見える、なんてことはなかった。
エスカレーターで、ペデストリアン・デッキに上がり、駅前を通り過ぎ、エスカレーターで降りて、少し歩き、商店街のアーケードに入る。
平日の商店街は、おばあちゃんばかりが、買い物をしている。
「こんにちは」
あいさつしながら笙悧は、開く自動ドアから、ぽぽんたへ入った。
いつもの黒いジャージの宇宙は、手のひらに載せた薬を口に放り込んだところだった。
「ぁ゛、い゛か゛っ゛、」
口の中で溶け出す薬の苦さにヘンな声を上げて、アップライトピアノの前の長椅子の端に置いていた水のグラスを左手で掴み、飲み干した。
呆然と見ている笙悧に向かって、宇宙は叫んだ。
「これはっ、俺っ、膝、壊してて、サッカーで。それで、痛み止めっ。」
「そうそう。この先、市民病院、あるの、知ってる?そこに通ってて。」
長椅子に座っている希更も、笙悧の方へ身を乗り出して、説明する。
笙悧は、血の気が引いて、膝が、がくがくした。
「この前、ぼくをおんぶしたせいですか?」
「ちがう!」
宇宙は、ぶんぶん、首を横に振った。
「おんぶして全力疾走できたから、サッカーやれるんじゃないかって、医師に聞いたら、めっちゃ怒られた」
「宇宙、それ、フォローになってない…」
希更は、頭を抱えた。
笙悧は頭を下げた。
「本当に、ごめんなさい、ぼくのせいで。」
「だから、今は痛くないって。」
笙悧は、頭を上げても、うつむいて、宇宙を見られない。
「『今は、痛くない』のは、痛み止めを飲んだからですよね?」
「そんなに、痛み止めって、飲んで、すぐ効かないよ」
「もう、黙ろうか、宇宙。」
希更は、両手を上げて、大きく振り、宇宙と笙悧の会話を止めた。
「予防で飲んでるだけ。」
「うん。そうそう」
希更の言葉に、こくこく、うなずく宇宙を、笙悧は見ていなかった。うつむいて、床の木目を見つめている。
「日常生活に問題はないの。私だって、宇宙に、走って持って行かせてるし。ってゆーか、勝手に走ってくし、この子。」
「ゼンゼン、だいじょうぶなんだよ」
希更と宇宙が一生懸命、言っても、笙悧は、うつむいている。
ぼくのせいで、
「わかった!」
いきなり宇宙が大きな声を上げて、笙悧は思わず顔を上げて、見てしまった。
笙悧だけではない。希更も瞳を見開いて、宇宙を見る。
宇宙は、真っすぐに笙悧を見上げて言った。
「笙悧くんをおんぶして、病院まで全力疾走して、医師に、俺の膝、診てもらう。そんなら、安心だろ」
「そこまでは、」
「そこまでは、」
長椅子に座っている希更と、立っている笙悧は、同時に言って、手を振った。
「じゃあ、どうすればいい?」
そんなに真っすぐに聞かれても、笙悧は困る。
「…治療費を、お支払いします」
「笙悧くんをおんぶしたのと、俺の膝は、無関係なんだって。」
確かに痛いなら、昨夜も、あんなに走れないとは思う…
笙悧は言った。
「痛い時は、ちゃんと『痛い』と言ってください。ごまかさないでください」
「わかった」
こくんと、宇宙はうなずく。
「ほんとに、今は何にも痛くないんだよ」
宇宙は椅子に座ったまま、何度か、足を上げ下げして、ボールを蹴り出す仕草をしてみせる。
宇宙の表情に、痛みや、痛みを我慢しているようなところはなかった。
希更は、長椅子を立った。
「笙悧くん、どうぞ」
「すみません」
その時、ようやく笙悧は気付いた。
ショーケースに、ケーキが何もない。イートインコーナーにも、誰もいない。
戸惑って店内を見回す笙悧の視線に、希更は、ふふふと笑って、言った。
「本日、貸し切り。」
「定休日なんだよ」
宇宙の説明する声と、思いっきり、かぶった。
「んもぉ~っ!!」
希更は、白いサンダルで、ぽすぽす、地団駄を踏む。
「え?え?え?」
宇宙は、希更が言ったことを聞き取れていない。
「すみません、ぼくのせいで…」
「ほぉ~らぁ~!笙悧くんが気にしちゃうから!」
笙悧が謝ると、希更は腕組みして、むくれる。
希更も、キャップにスモックじゃない。スタンドカラーのパステルグリーンの七分袖のブラウス、少しゆったりしたデニム、白いサンダルだった。髪は、お団子にまとめている。
「定休日って言ったって、何やかんや、店には来てるから、どうぞ気にしないで、練習して。」
希更は、アップライトピアノの前の長椅子を、両手で示す。
「昨夜、俺も、笙悧くんと巡り逢えたことに、テンション上がっちゃって、今日が水曜日だって、今朝、目が覚めて、気付いた」
「今朝かよ!」
希更は、宇宙にツッコむ。
「テンション上がりすぎて、連絡先交換もしなかったことも、今朝、気付いた」
「今朝かよ!」
くすっとも笑ってくれない、立ったままでいる笙悧に、希更は言った。
「ほんと、もぉ、いろいろ、気にしないで、ピアノ、弾いて。わたしも、わたしの仕事、するから。」
希更は、ショーケースの向こうのガラス張りの調理室へ歩いて行った。二歩目で、立ち止まり、振り返る。
「もし、ここにいないことに気付いていたらだけど、本日、巌くんは、市民文化会館に、吹奏楽部コンクールの楽器を運びに行ってます」
それだけ言うと、向き直り、歩いて行って、調理室に入った。
「練習しよ、練習しよ」
宇宙は、パンパン、よく響く音で、手を叩いた。
笙悧は、宇宙に言った。
「少し、ピアノの練習をさせてください」
「うん」
笙悧は、アップライトピアノの前の長椅子の側まで行くと、リュックを下ろし、端に置いた。カーディガンを脱ぎ、たたんで、リュックの横に置く。ファスナーを開け、ぽぽんたの手提げ袋から、楽譜の入ったクリアファイルを取り出した。
アップライトピアノと長椅子の間に立ち、譜面台に、楽譜を広げて、座る。
楽譜を見ただけで、笙悧には、ピアノの音が聴こえる。
マスクを外し、ズボンのポケットに入れた。
深呼吸しても、今日は、甘い、いい匂いはしなくて、ちょっとさびしい。
笙悧は、鍵盤の上に、そっと両手を置き、弾き始める。
楽譜と鍵盤の間を行き交う、笙悧の視線。
鍵盤の上に下ろす指の強弱。
右手の単音を際立たせ、左手の和音を響かせるために、細やかにペダルを踏み変える。
笙悧は、ミスなく弾き終わり、ほっと息をついた。
見ていた宇宙も、深く息をついた。
「これ、俺、歌わなくて、よくない?」
とんでもないことを言い出す宇宙を、笙悧は首を横に向けて見た。
「冗談です」
宇宙は真顔で首を横に振って、笑った。
「曲が難しくなって、もっと、歌い出しが、わかんなくなっちゃったな~」
椅子の上、背を伸び上がらせて、アップライトピアノの楽譜を覗き込む。
「歌い出し、どこ?」
「楽譜、読めるんですか?」
「読めない」
笙悧が聞くと、宇宙は即答した。
笙悧はピアノを弾く。
「イントロは、ここから、ここまで。」
「この前も思ったけど、ピアノって、弾く人で、こんなに音が変わるんだね」
宇宙に、ピアノを弾く指を見つめられている。笙悧は、恥ずかしくて、頬が熱くなった。
一際、笙悧は、ピアノの音を強く弾いた。
「歌い出しは、ここです、ここ。」
「ほ?」
歌い出しの一文字目で聞き返す宇宙に、笙悧は、うなずいて、もう一度、歌い出しの部分を繰り返した。
「そうです。ここ。」
「ほ」
曲の続きを弾いて、笙悧は笑う。
「続き、歌ってください。『ほ』だけじゃなく。」
「あ、そっか」
宇宙も笑う。
笙悧は、最初からピアノを弾く。歌い出しをわかりやすく、強い音で弾いた。
宇宙が歌い出す。
でも、宇宙の歌と合わせる前に、一度、笙悧は、ピアノで弾いてみたかった。
もらった楽譜は、リュックに入れたまま、家に帰っても、出して見なかった。
見てしまえば、楽譜から聴こえて来る音がうるさくて、眠れなくなってしまう。
お昼ごはんを食べた後、抑制剤を飲むと、笙悧は、ふと思いついたように
「大学の秋学期が始まるから、シャー芯とか、ルーズリーフとか、買っておこうかな」
と、母親には嘘をついて、家を出た。
マンション前の交差点を渡る自分の足が、速歩きになっていて、笙悧は笑ってしまう。
いつもの風景の中の、宇宙がバイトしているコンビニが、キラキラして見える、なんてことはなかった。
エスカレーターで、ペデストリアン・デッキに上がり、駅前を通り過ぎ、エスカレーターで降りて、少し歩き、商店街のアーケードに入る。
平日の商店街は、おばあちゃんばかりが、買い物をしている。
「こんにちは」
あいさつしながら笙悧は、開く自動ドアから、ぽぽんたへ入った。
いつもの黒いジャージの宇宙は、手のひらに載せた薬を口に放り込んだところだった。
「ぁ゛、い゛か゛っ゛、」
口の中で溶け出す薬の苦さにヘンな声を上げて、アップライトピアノの前の長椅子の端に置いていた水のグラスを左手で掴み、飲み干した。
呆然と見ている笙悧に向かって、宇宙は叫んだ。
「これはっ、俺っ、膝、壊してて、サッカーで。それで、痛み止めっ。」
「そうそう。この先、市民病院、あるの、知ってる?そこに通ってて。」
長椅子に座っている希更も、笙悧の方へ身を乗り出して、説明する。
笙悧は、血の気が引いて、膝が、がくがくした。
「この前、ぼくをおんぶしたせいですか?」
「ちがう!」
宇宙は、ぶんぶん、首を横に振った。
「おんぶして全力疾走できたから、サッカーやれるんじゃないかって、医師に聞いたら、めっちゃ怒られた」
「宇宙、それ、フォローになってない…」
希更は、頭を抱えた。
笙悧は頭を下げた。
「本当に、ごめんなさい、ぼくのせいで。」
「だから、今は痛くないって。」
笙悧は、頭を上げても、うつむいて、宇宙を見られない。
「『今は、痛くない』のは、痛み止めを飲んだからですよね?」
「そんなに、痛み止めって、飲んで、すぐ効かないよ」
「もう、黙ろうか、宇宙。」
希更は、両手を上げて、大きく振り、宇宙と笙悧の会話を止めた。
「予防で飲んでるだけ。」
「うん。そうそう」
希更の言葉に、こくこく、うなずく宇宙を、笙悧は見ていなかった。うつむいて、床の木目を見つめている。
「日常生活に問題はないの。私だって、宇宙に、走って持って行かせてるし。ってゆーか、勝手に走ってくし、この子。」
「ゼンゼン、だいじょうぶなんだよ」
希更と宇宙が一生懸命、言っても、笙悧は、うつむいている。
ぼくのせいで、
「わかった!」
いきなり宇宙が大きな声を上げて、笙悧は思わず顔を上げて、見てしまった。
笙悧だけではない。希更も瞳を見開いて、宇宙を見る。
宇宙は、真っすぐに笙悧を見上げて言った。
「笙悧くんをおんぶして、病院まで全力疾走して、医師に、俺の膝、診てもらう。そんなら、安心だろ」
「そこまでは、」
「そこまでは、」
長椅子に座っている希更と、立っている笙悧は、同時に言って、手を振った。
「じゃあ、どうすればいい?」
そんなに真っすぐに聞かれても、笙悧は困る。
「…治療費を、お支払いします」
「笙悧くんをおんぶしたのと、俺の膝は、無関係なんだって。」
確かに痛いなら、昨夜も、あんなに走れないとは思う…
笙悧は言った。
「痛い時は、ちゃんと『痛い』と言ってください。ごまかさないでください」
「わかった」
こくんと、宇宙はうなずく。
「ほんとに、今は何にも痛くないんだよ」
宇宙は椅子に座ったまま、何度か、足を上げ下げして、ボールを蹴り出す仕草をしてみせる。
宇宙の表情に、痛みや、痛みを我慢しているようなところはなかった。
希更は、長椅子を立った。
「笙悧くん、どうぞ」
「すみません」
その時、ようやく笙悧は気付いた。
ショーケースに、ケーキが何もない。イートインコーナーにも、誰もいない。
戸惑って店内を見回す笙悧の視線に、希更は、ふふふと笑って、言った。
「本日、貸し切り。」
「定休日なんだよ」
宇宙の説明する声と、思いっきり、かぶった。
「んもぉ~っ!!」
希更は、白いサンダルで、ぽすぽす、地団駄を踏む。
「え?え?え?」
宇宙は、希更が言ったことを聞き取れていない。
「すみません、ぼくのせいで…」
「ほぉ~らぁ~!笙悧くんが気にしちゃうから!」
笙悧が謝ると、希更は腕組みして、むくれる。
希更も、キャップにスモックじゃない。スタンドカラーのパステルグリーンの七分袖のブラウス、少しゆったりしたデニム、白いサンダルだった。髪は、お団子にまとめている。
「定休日って言ったって、何やかんや、店には来てるから、どうぞ気にしないで、練習して。」
希更は、アップライトピアノの前の長椅子を、両手で示す。
「昨夜、俺も、笙悧くんと巡り逢えたことに、テンション上がっちゃって、今日が水曜日だって、今朝、目が覚めて、気付いた」
「今朝かよ!」
希更は、宇宙にツッコむ。
「テンション上がりすぎて、連絡先交換もしなかったことも、今朝、気付いた」
「今朝かよ!」
くすっとも笑ってくれない、立ったままでいる笙悧に、希更は言った。
「ほんと、もぉ、いろいろ、気にしないで、ピアノ、弾いて。わたしも、わたしの仕事、するから。」
希更は、ショーケースの向こうのガラス張りの調理室へ歩いて行った。二歩目で、立ち止まり、振り返る。
「もし、ここにいないことに気付いていたらだけど、本日、巌くんは、市民文化会館に、吹奏楽部コンクールの楽器を運びに行ってます」
それだけ言うと、向き直り、歩いて行って、調理室に入った。
「練習しよ、練習しよ」
宇宙は、パンパン、よく響く音で、手を叩いた。
笙悧は、宇宙に言った。
「少し、ピアノの練習をさせてください」
「うん」
笙悧は、アップライトピアノの前の長椅子の側まで行くと、リュックを下ろし、端に置いた。カーディガンを脱ぎ、たたんで、リュックの横に置く。ファスナーを開け、ぽぽんたの手提げ袋から、楽譜の入ったクリアファイルを取り出した。
アップライトピアノと長椅子の間に立ち、譜面台に、楽譜を広げて、座る。
楽譜を見ただけで、笙悧には、ピアノの音が聴こえる。
マスクを外し、ズボンのポケットに入れた。
深呼吸しても、今日は、甘い、いい匂いはしなくて、ちょっとさびしい。
笙悧は、鍵盤の上に、そっと両手を置き、弾き始める。
楽譜と鍵盤の間を行き交う、笙悧の視線。
鍵盤の上に下ろす指の強弱。
右手の単音を際立たせ、左手の和音を響かせるために、細やかにペダルを踏み変える。
笙悧は、ミスなく弾き終わり、ほっと息をついた。
見ていた宇宙も、深く息をついた。
「これ、俺、歌わなくて、よくない?」
とんでもないことを言い出す宇宙を、笙悧は首を横に向けて見た。
「冗談です」
宇宙は真顔で首を横に振って、笑った。
「曲が難しくなって、もっと、歌い出しが、わかんなくなっちゃったな~」
椅子の上、背を伸び上がらせて、アップライトピアノの楽譜を覗き込む。
「歌い出し、どこ?」
「楽譜、読めるんですか?」
「読めない」
笙悧が聞くと、宇宙は即答した。
笙悧はピアノを弾く。
「イントロは、ここから、ここまで。」
「この前も思ったけど、ピアノって、弾く人で、こんなに音が変わるんだね」
宇宙に、ピアノを弾く指を見つめられている。笙悧は、恥ずかしくて、頬が熱くなった。
一際、笙悧は、ピアノの音を強く弾いた。
「歌い出しは、ここです、ここ。」
「ほ?」
歌い出しの一文字目で聞き返す宇宙に、笙悧は、うなずいて、もう一度、歌い出しの部分を繰り返した。
「そうです。ここ。」
「ほ」
曲の続きを弾いて、笙悧は笑う。
「続き、歌ってください。『ほ』だけじゃなく。」
「あ、そっか」
宇宙も笑う。
笙悧は、最初からピアノを弾く。歌い出しをわかりやすく、強い音で弾いた。
宇宙が歌い出す。
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