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20章 不安的中
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「おはようございます」
ドラマ撮影も順調に進む中、俺は久し振りに事務所に顔を出していた。
「おお、舞花に押し倒されたんだって?楠木から聞いたぞ」
「………」
俺は誰のせいだと言わんばかりの視線を社長に向けた。
「迫ってくるくらいなら可愛いもんだろ。なんて誰かさんは言ったけどね…楠木さんがこなかったら危うく犯されるとこだったよ」
嫌味も露に言ってやったけど堪えるはずもない。
「はっ…そりゃ危なかったな」
「……あいつ細いくせに力ありすぎっ…」
「そりゃそうだ」
「……?」
「舞花の親父さんはレスリングのコーチだ。舞花は中学までレスリングやってたからな…」
「なにそれっ!?」
初耳だっつーのっ!!
髭のチンピラは今更な情報を俺に教えた。
「骨が太くなるからって高校ではやめてる。舞花は高校デビューってヤツだ」
「なる…」
それであの押さえ込みかよ…身動きできないはずだわ…
「下手したら俺、ヤられちゃうじゃん」
「だな…はは」
軽い笑いになんだかムカついた。
「でも、ちっとは考え直しただろ?真面目に芝居に打ち込み始めたって楠木から聞いたぞ?」
「さあ…」
確かに髭の言う通り、俺に迫って楠木さんに連れて行かれた次の日から、舞花はやけに大人しかった。
・
俺に言われた事が堪えたのか、近付いてくる様子が見られなかったし……
諦めてくれたならこっちも助かる。
ただ、こんなあっさり身を引くならちょっと言い過ぎたかな…なんて少しばかり良心も咎めたりしているわけで。
「……お前に認められるように頑張るんだと」
「は?なにを!?」
「芝居だよ、シバイっ!」
「……っ」
「お前に言われたって。演技の技術を身に付けたらほんとの恋人になれるかもって──な?」
「………」
「言ったんだろ?」
「……言っ……た」
「御愁傷さま」
ゆっくり頭を抱えた俺に髭はそんな言葉を投げ掛けていた。
「まあ、なんだ…舞花がやっとやる気になってくれた!俺は万々歳だな!さすが聖夜だ。お前でアイツを釣って良かった」
饒舌に語ると髭は豪快に笑っていた。
俺は頭を抱えたままだ…
舞花って…
結構根性ある…
やっぱ小さい時からスポーツしてるヤツって負けん気が強いのか?…
高校デビューか…
見た目ダルそうなチャラさがあるけど女は外見じゃわかんねーな…
「マジで演技の腕上げたらどうすっかな…」
「お前が認めなきゃいい話だ」
俺のボヤキに髭は言う。
「そうすれば舞花はもっと頑張って腕を磨く、いいことづくめだな俺にとって!」
無責任な明るい笑顔に腹が立った。
ドラマ撮影も順調に進む中、俺は久し振りに事務所に顔を出していた。
「おお、舞花に押し倒されたんだって?楠木から聞いたぞ」
「………」
俺は誰のせいだと言わんばかりの視線を社長に向けた。
「迫ってくるくらいなら可愛いもんだろ。なんて誰かさんは言ったけどね…楠木さんがこなかったら危うく犯されるとこだったよ」
嫌味も露に言ってやったけど堪えるはずもない。
「はっ…そりゃ危なかったな」
「……あいつ細いくせに力ありすぎっ…」
「そりゃそうだ」
「……?」
「舞花の親父さんはレスリングのコーチだ。舞花は中学までレスリングやってたからな…」
「なにそれっ!?」
初耳だっつーのっ!!
髭のチンピラは今更な情報を俺に教えた。
「骨が太くなるからって高校ではやめてる。舞花は高校デビューってヤツだ」
「なる…」
それであの押さえ込みかよ…身動きできないはずだわ…
「下手したら俺、ヤられちゃうじゃん」
「だな…はは」
軽い笑いになんだかムカついた。
「でも、ちっとは考え直しただろ?真面目に芝居に打ち込み始めたって楠木から聞いたぞ?」
「さあ…」
確かに髭の言う通り、俺に迫って楠木さんに連れて行かれた次の日から、舞花はやけに大人しかった。
・
俺に言われた事が堪えたのか、近付いてくる様子が見られなかったし……
諦めてくれたならこっちも助かる。
ただ、こんなあっさり身を引くならちょっと言い過ぎたかな…なんて少しばかり良心も咎めたりしているわけで。
「……お前に認められるように頑張るんだと」
「は?なにを!?」
「芝居だよ、シバイっ!」
「……っ」
「お前に言われたって。演技の技術を身に付けたらほんとの恋人になれるかもって──な?」
「………」
「言ったんだろ?」
「……言っ……た」
「御愁傷さま」
ゆっくり頭を抱えた俺に髭はそんな言葉を投げ掛けていた。
「まあ、なんだ…舞花がやっとやる気になってくれた!俺は万々歳だな!さすが聖夜だ。お前でアイツを釣って良かった」
饒舌に語ると髭は豪快に笑っていた。
俺は頭を抱えたままだ…
舞花って…
結構根性ある…
やっぱ小さい時からスポーツしてるヤツって負けん気が強いのか?…
高校デビューか…
見た目ダルそうなチャラさがあるけど女は外見じゃわかんねーな…
「マジで演技の腕上げたらどうすっかな…」
「お前が認めなきゃいい話だ」
俺のボヤキに髭は言う。
「そうすれば舞花はもっと頑張って腕を磨く、いいことづくめだな俺にとって!」
無責任な明るい笑顔に腹が立った。
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