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「…っ…晶さんどうしようっ…」

「んんっ…」

「ゴム着けてないっ…」

「……あっ…っ」

腰を揺らしながら息を切らす晶さんを見つめる。

「中で射きたい…っ」

「デキタらっ…どするっ…」

「産んでよっ決まってるじゃん二人の子供なんだからっ…」

「んん…っ…」

晶さんの返事も聞かずに俺は唇を塞いだ。

一生離れないって誓約書を貰った──


破棄できるやつだけど…


「晶さん…っ」

俺は腰を揺らしながら晶さんの顔を覗く。

「プレゼントありがとう…すごい嬉しかった…」

「ん…」

「嬉しかったんですがっ…」

「………」

「あんなん送ってこられたら俺、勃ちっぱなしで仕事できないんですけど!?…」
「………」

「しかもね…」

「………」

「破棄できる誓約書なら意味ないんですがっ!?」

「………」

「そこんとこどうなわけ!?」

「クーリングオフ期間と思って…」

「……それって期間どのくらい…?」

「3年とか…」

「さんね…っ…長いっ長すぎ!最短3日!」

「ええ…3日?」

「なにその不満顔は?誓約書の意味果たしてないじゃんそれじゃ!?…すぐ制作し直して!俺3日間ガンガンに中だしするからっ」

こうなったらもう先に既成事実をつくるしかないっ




俺はゆっくりとした律動を早めて本能のままに腰を揺さぶる。

子作りに励み出した俺を上にして晶さんは少し笑いながら感じて顔を歪める。

順番逆だよなと思いながらも俺は感じてくれる晶さんを見つめた。



今度──

ちゃんとしたプロポーズをしよう…

ベットで腰を揺らしながらじゃなくて…

ちゃんと…

バッチリ決めた服装で

人気俳優らしくキザに申し込むのもいいかも知れない──


晶さんが二度と忘れられない程の一生に一度の感動の瞬間を──


脚本監督主演 柏木 夏希

ヒロイン 倉田 晶 

この二人で一生に一度のドラマを──


たった二人きりのキャストで演じて生涯を誓い合う



晶さん…

貴女のお陰で俺は夢ができた…


俺の死ぬまでの生涯の夢が──


俺の書いた脚本に晶さんは必要不可欠

俺の生涯の物語りは晶さん無しでは紡がれない──


晶さん無くして

柏木夏希は存在することできないよ




早めた動きに拐われて下半身の猛りが絶頂を促す──

脈打つ猛り。

大好きな晶さんの熱い内部が切なくなるほど締め付ける。


重なるような二人の呼吸──


それはまるで一緒にいる時を刻んでいるようにも聞こえていた……。



「ねえ晶さん…」

「……?」

「俺、芸能界引退したら…二人で一緒にコーヒーショップ開こうか…」

「……──」

晶さんは一瞬目を見開く。そして直ぐに可愛い顔で笑い返してくれた。
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