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「自分でタクシー拾ってくれる?」
「……事務所行くんでしょ?なら一緒でもっ」
「絶対だめ。写真撮られたら困るから」
「事務所に行くんだから写真撮られても──」
「だめ」
その写真撮られて“逢い引きデート”なんて記事でも書かれたらどうすんだよ!?
晶さんに捨てられるっつーのっ!
「マスコミなら二人のことは宣伝になるから写真くらい構わないって社長言ってたよ!」
「……」
歩き出した俺の背中に舞花は叫んだ。
「あのさ…」
局内であまり大きな声でできる会話でもなく、結局舞花の元まで戻った。
「俺、正直マスコミなんてどうでもいいの。芸能人のゴシップ記事なんて世間が騒ぐのは長くてほんの一ヶ月」
俺は何かを理由に晶さんとの仲がこじれることが一番怖い。
「くだらないゴシップで宣伝しなくてもドラマは充分人気あるから」
今から恋愛沙汰起こす方がマイナスだっつーの!
「頼むからドラマの撮影以外で俺に絡まないで──」
「──…っ」
冷たい俺の言葉に悔し気に睨んでくる舞花を背にして俺はそのまま歩き出した。
・
髭はほんとにテキトーな奴だ。タクシーの中で沸々と怒りが沸いてくる。
名も売れなかった女優の藍原 舞花──
突然のヒロイン抜擢は藤沢 聖夜の恋人だからか──
一時期流れたそんな噂。
初めて受けた大手化粧品会社。その仕事内容は秋に発売された20代後半から30代向けのファンデのCMだ。
テレビCMでは
『25から女──』なんてナレーションが流れる中で、舞花がアップで映る映像が大人の女性の注目を集め始めている──
その後の俺とのドラマ共演抜擢。女性からの舞花の支持率は少しずつ高くなっていた。
売り出すにはいい波に乗ってきている。
「あのさ…」
事務所に着くと俺は挨拶も無しに社長に詰め寄った。
「俺を舞花の餌にするの止めてくんない!?」
「あ~…」
髭はくたびれたような返事を返す。
「もう売れるチャンス手に入れたんだから俺、必要ないじゃん!」
ドカッとソファに身を沈めた。
「……事務所行くんでしょ?なら一緒でもっ」
「絶対だめ。写真撮られたら困るから」
「事務所に行くんだから写真撮られても──」
「だめ」
その写真撮られて“逢い引きデート”なんて記事でも書かれたらどうすんだよ!?
晶さんに捨てられるっつーのっ!
「マスコミなら二人のことは宣伝になるから写真くらい構わないって社長言ってたよ!」
「……」
歩き出した俺の背中に舞花は叫んだ。
「あのさ…」
局内であまり大きな声でできる会話でもなく、結局舞花の元まで戻った。
「俺、正直マスコミなんてどうでもいいの。芸能人のゴシップ記事なんて世間が騒ぐのは長くてほんの一ヶ月」
俺は何かを理由に晶さんとの仲がこじれることが一番怖い。
「くだらないゴシップで宣伝しなくてもドラマは充分人気あるから」
今から恋愛沙汰起こす方がマイナスだっつーの!
「頼むからドラマの撮影以外で俺に絡まないで──」
「──…っ」
冷たい俺の言葉に悔し気に睨んでくる舞花を背にして俺はそのまま歩き出した。
・
髭はほんとにテキトーな奴だ。タクシーの中で沸々と怒りが沸いてくる。
名も売れなかった女優の藍原 舞花──
突然のヒロイン抜擢は藤沢 聖夜の恋人だからか──
一時期流れたそんな噂。
初めて受けた大手化粧品会社。その仕事内容は秋に発売された20代後半から30代向けのファンデのCMだ。
テレビCMでは
『25から女──』なんてナレーションが流れる中で、舞花がアップで映る映像が大人の女性の注目を集め始めている──
その後の俺とのドラマ共演抜擢。女性からの舞花の支持率は少しずつ高くなっていた。
売り出すにはいい波に乗ってきている。
「あのさ…」
事務所に着くと俺は挨拶も無しに社長に詰め寄った。
「俺を舞花の餌にするの止めてくんない!?」
「あ~…」
髭はくたびれたような返事を返す。
「もう売れるチャンス手に入れたんだから俺、必要ないじゃん!」
ドカッとソファに身を沈めた。
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