ラブプレイ~Hな二人の純愛ライフ~

中村 心響

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「俺は“もう”何も、言ってないぞ。舞花が自主的に動いてんだろ?」

髭は、やる気出たなーアイツもっ!なんて笑って言ってる。

「もしマスコミが騒いでも問題ないだろ?」

「あるね!」

「なんの問題がある」

「俺と晶さんの仲が悪くなったら百%俺の仕事に影響するよ」

「私生活の問題くらいプロの役者ならコントロールしろ」

「できない」

「………」

「たぶん、晶さんの事に関しては俺、自分のコントロールなんてできないよ。役者生命終るね」

「……晶、晶、晶、って甘ちゃんだな」

髭はそっぽを向いた俺に溜め息を吐きながら言った。

「甘ちゃん結構!とにかく舞花うざいから社長からなんとか言って」

「大人の恋愛事情に口は挟みません」

「嘘つけ!挟みまくりじゃん」

「……」

拗ね気味の俺を社長は少し呆れた様子で見つめている。


「人間らしく味が出てきたと思ったら感情駄々漏れだな?…大人になれとは言ったが我が儘になれとは言ってないぞ俺は──」

「……」

「飯は?」

「まだ…」

「たまには二人で食いに行くか?」

俺は時計を確認した。

事務所に帰る素振りだった舞花はまだ戻ってくる気配がない。

俺に一緒にタクシーに乗ることさえ拒否されて、腹を立てたまま何処かへ言ったのだろうか?

迫ってくることはなくなったけど狭い車内で舞花のあの香水の匂いが移っても困る。

晶さんとの仲が不穏になりそうな条件は片っ端から避けて置いた方が賢明だ。

「行くぞ」

俺は腰を上げた社長の後を着いて事務所を後にした。


─────


「ねえ…お代わりくれるかしら?」

「……はい、申し訳ありません気づかなくて…」

あたしはカウンターに“座り込む”グラマーな女性客に珈琲のお代わりを注いだ。

カウンターにはマスターが居るのにも関わらず、その女性客はホールの仕事をこなして戻ってくるあたしに飲み物の御代わりを言ってくる。

「じゃあ休憩行ってくるから」

女性客の異様な雰囲気を察したのかマスターはそそくさと裏に引き込んだ。

「あなた、聖夜の“今の”彼女なんでしょ…」

「………」

なんだ?──
“今の”って強めに言わなかったかこのボヨンはっ…
何か言いたげにずっとカウンターにいるなとは思ったけど……

やっぱり言いたかったらしい。

「はい」

あたしはポットにアイスコーヒーを移しながら短く答えた。

手入れの行き届いた指先。長い爪は綺麗な色に飾られている──

付け爪だろうか?

平安のドラマ撮影の筈なのに態々取ったり付けたりするんだろう…

女優ってめんどくさそ…


そう思いながら沈黙のカウンターで黙々と仕事をしているフリをしながら舞花とかいう女優に背を向けた。

「ねえ」

後ろを向いた途端に声をかけてくる。

一体何が言いたいんだろう…

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