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しおりを挟むマリオは持ち上げた太ももの裏に腰を屈めてキスをする。
「ぱ、パンツ見えるっ」
「大丈夫、僕に隠れて見えないから」
「ちょっくっつき過ぎっ…」
「撮影だから仕方ない。プロなんだろ君は」
「──…っ…」
言い切ったのはまずかったかも知れない──
立ったまま腕を首に回され、しがみつくように抱き締め合うと、言葉の挙げ足を取られながら下半身はかすかに擦り付けるように動いている。
「ちょっ…」
「プロだろ?まさか濡らしはしないだろうな?」
「なっ!?」
「濡らすのは勝手だが…僕のズボンまで濡らさないよう頼むよ」
「……っ…」
危険だ──
コイツは危険だっ──
これだけの人が見てる前でこんな平気でっ…
マリオは余裕の笑みを浮かべる。
「じゃ、君が感じていい表情(かお)になったところで次いくよ!」
「へっ!?やっちょっ…」
タンゴダンスをリードされながら躍らされる。
いいようにクルクルと回されて振り回されているにもかかわらず、マリオ自身のダンスが上手いせいか次々にポージングがキマっていく。
そして案の定──
「いいよいいよっワイルドセクシーでカッコイイ!」
カメラマンの絶叫賛辞がスタジオ中に響いていた……。
・
「ちょ、ちょっと晶さん!」
撮影所を出たあたしを楠木さんが追ってくる。
「ほんとに二人で食事に!?」
「ええ、もちろんっ!」
「──…聖夜にもし知られたらっ」
「仕事の付き合いだから夏希ちゃんには関係ありませんっ」
振り向いて言い切ったあたしに楠木さんはもう何も言わなかった…。
地下の駐車場へ車を取りに行ったマリオをビルの入り口で待つ。
左ハンドルの外車。恥ずかしくなるほどの真っ赤なフェラーリが目の前の路上に横付けにされた。
「どうぞ」
当たり前のように車から降りて助手席のドアを開けるとマリオはあたしを席へ促す。
レディファーストは当たり前さながらその仕草はとても自然で洗練されていた。
「またガード堅そうな普段着だね…さっきとおお違い」
普通にジーンズとTシャツ。上から軽くカーディガンを羽織ったあたしを見ながらボソリと言う。
撮影の衣装とは変わり、普通のズボンとジャケットに着替えたマリオにあたしも目を向けた。
なんてことない服でも着る人でこんなにも印象が変わるのかと思う程、マリオはラフな服そうをカッコ良く着こなしていた。
「あたし行きたいとこあるんです」
「──……」
乗って車を走らせた途端そう口を開いた──
「俺から場所を掲示させないわけか…なるほど」
少し間を置いてあたしの顔を見るとマリオはクスッと笑った。
「ではご希望の場所へ案内して頂けますか」
余裕の笑みを浮かべたマリオの車をあたしは行きたい場所へと誘導する。
「ここ!?」
着いて驚いたマリオにあたしは大きく頷き返した。
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