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しおりを挟む玄関口で当たり前のように寄り添って見える、二人のツーショット。衝撃を受けた俺の疑惑の妄想が勝手にフル稼働しはじめる。
まざまざとその姿を見せつけられながら俺はホウキを握り締めた──
はっきり言って、怒りのやり場もない。
大きく開いたドアから俺の視線を避けるよう、遠慮がちに入ってきた晶さんから俺は目が離せずにいた。
どうしようか──
聞きたいことがあり過ぎて何から口にしていいやらっ…
撮影なんてすっかりそっちのけだ。どうせ絵にならない場面はカットされる。
8時間、カメラを回しっぱなしでそれを放送時は30分内に編集されるわけだから、その中身がどうなるかは百も承知だった。
店の奥に案内された晶さんは絶対に俺を見ることはしない──
その行為は明らかに俺に対して後ろめたさを感じている証拠でもあった。
小さくグラグラと煮えてくる。
怒りを煮詰め始めた俺の表情を鏡越しで晶さんはチラチラ確認している。
へえ…
怒ってるかが気にはなるワケだ……
“しまった”晶さんの戸惑いの表情からそんな感情が覗いていた。
・
晶さんは席に座って施術の支度をされている。紺色のクロスを掛けられているのを見て、今からカラーリングをすることが俺にもわかった。
確か次に髪を弄る時は俺も一緒に行くって約束しなかったけか?──
約束ってか無理にそう決めつけたのは俺の勝手だけど…っ
あれだけ不安だってのを伝えたのにまだ裏切るかっ?
色々と疑念の思考が駆け巡る──
マモルとやらは薬剤を取りに棚の後ろに回っている。
気が付けば俺は晶さんの背後に立っていた……。
「………今から毛染めですか」
「……っ…はぃ…」
無表情の中にありったけの威圧を込めて鏡の中の晶さんを見つめた。
晶さんは小さく返事をしたまま俯いた。
「俺の言いたいことわかってるみたいだねその顔は…」
「……っ…」
俺の静かな尋問を受け、俯いた晶さんの肩がどんどん小さくなっていくように見える。
「今日は休みだから家でゴロゴロする──…って確か言ってなかったっけ? 俺の聞き間違いかな?」
「……う…」
「それともここに来るのは最初から頭にあった?」
晶さんは俺の質問に俯いたまま小さく首を振った。
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