ラブプレイ~Hな二人の純愛ライフ~

中村 心響

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32章 これがTV局

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「おい、晶! 仕事入ったぞ」

「………」


喫茶店で昼食後の休憩時──

震える電話を手に取ると健兄は唐突にそう言った。

「仕事って…もうしないよ。夏希ちゃんが煩いから」

断りながら、ちょっと口惜しい気もするけどしょうがない。

溜め息を吐きながら断るあたしを何故か健兄は笑い飛ばしていた。

「まあ、そう言わず、聖夜のことはこっちで何とかするから頼まれてくれ。今回もお前をご指名だから舞花に頼むわけにもいかん」

今回も?

あたしは健兄の言い回しにふと耳を止めた。

今回もってことはまたマリオか……

ピンときてあたしは尚更健兄に意見する。

「マリオからの仕事は一切断ってって言われてるから」

「誰がマリオだって言った?」

「え? 違った?」

あらやだ、勘違いが知れて何だか恥ずかしい。

そう思う矢先、電話の向こうで健兄はふっと笑う。

「まあ、あながちハズレてはいないがな」

「ハズレてはいない?」

「ああ、今度の仕事は前にストッキングのCMを受けただろ? あれだ」

ストッキング…

そう言われてみればそんな仕事をしたな?…



あたしは思い出しながら口を開いた。

「あながちハズレじゃないってのは? またマリオと組むってこと?」

「ドンピシャ!」

「なら無理。…」

「今回も映るのは脚だけだ。楽だぞ、そして稼げるぞ──」

「──…っ…」

断るあたしに健兄はそんな言葉を並べ、口にしていた。

「脚…だけなら……バレないかな」

つい小さな呟きが漏れる。そんなあたしの心の揺れを見逃さないように、健兄は電話で口説き通す相手を変えて先手を打ってきた。

「晶さん、今回は前回見たいに激しい動きはないよ」

元、敏腕スカウトマンの楠木さんが勝負に出てくる。前回、付き添いで撮影風景を見ていた楠木さんだからこその押しが、ここぞって所で成されていた。

「激しくないんですか…」

「そう。砂浜で寝転がってるだけ。それで脚だけ映すから」

「砂浜? ストッキングの撮影なのに?」

「ストッキングだけど、今回は春夏物で“塗るタイプ”のストッキングだから」
「塗るタイプ……なる」

何となく概要が掴めてあたしは納得した空気を漂わせる。

「詳しくは引き受けてくれてからの話になるけど、どうする?」

その問い掛けにあたしは脳裏に浮かんでいた夏希ちゃんを一瞬だけかき消し、二つ返事で応えていた…。

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