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しおりを挟む「…もしかして…マリオもビキニなのかな…」
ふと、自分のビキニ姿を見て、つい疑問が口を突いて漏れていた……。
「前に掛かると邪魔になるから」
カーテン裏から出ると衣装さんはあたしが止めていたシャツのボタンを外して前を肌けた。
まあいい、ビキニ一枚よりは羽織らせて貰えるだけでも…
そう思い直して上からローブを着込む。
スタジオ内に入ると目の前には白い砂浜と海のセットが広がっていた。
強い日射しにも近い白熱のライトが太陽とも変わらぬ暑さで沢山照らしている。
スタジオ内はとても暖かい。
その傍らでお洒落な白いサマースーツを着たマリオが監督と話をしていた。
「やっぱスーツか…」
マリオの衣装を見て呟くと、まるで聞こえたようにマリオが振り向く。
「ビキニ一枚は嫌ってゴネたんだって?」
近づいてくるとマリオは笑いながらそう話し掛けてきた。
「素人だって言いたいんでしょ…」
「はは、言わないよ。結局着てるわけだし」
「………」
確かに言われてみればそうだ。
・
「君は案外、業界向きだ」
「どこが?」
「嫌だと言いながら、結局は仕事をこなしてる…完璧にね」
マリオは笑いながら肩を竦めた。
「ここでは売れるタイプがあるからね。流されるタイプは仕事が向こうからやってくる。逆に我が儘いうタイプなら自分から自分のやりたい仕事を掴みとる。そうじゃないとやっていけない……」
「………」
「君は明らかに前者だ。だから仕事はどんどん向こうからくるよ。扱いやすいタレントってのはウリになるからね」
「──……今のは誉めた?」
色々言われた気がするけど素直に聞けないのは何故だろう──
見上げるあたしをマリオはふっと笑っていた。
「シャツを一枚羽織るように意見したのは僕だよ」
「………」
「君に役を降りられるのは仕事のパートナーとして心外だからね」
言いながらマリオはウインクしてみせる。
「僕くらいになると、監督にも意見が通せるようになるから…」
「………」
「シャツ一枚羽織ってもセクシーに見えるように僕が演じてカバーするって言っておいたし……」
あたしの肩に手を置いて、そう口にしたマリオの緩んだ瞳がなんだかとても妖しく見えた気がした……。
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