ラブプレイ~Hな二人の純愛ライフ~

中村 心響

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まるで挑発するように手を這わせ、あたしの反応を楽しんでいる。

たまに片方の眉尻を吊り上げてはニヒルな笑みを浮かべ、マリオは艶のある眼差しを向けてきていた。

「──…あっ…!?」

マリオの不意な攻めに思わず声が漏れる。

「多少の声なら大丈夫。どうせ音声は後で編集されるから」

唇を咄嗟に結んだあたしの脚のすねにマリオは輪郭のはっきりした厚い唇を押し当てながら、上目使いでそう口にした。

「そ、…っ…なんでそこにそんなっ…」


熱い息を掛けながら軽く吸い付くマリオにあたしは言われるまま声を殺して小さく尋ねる。

「これか? これは台本にある──」

「……っ…」

「“キスして頬擦りしたくなるほどの肌触り──”これを演じてくれって言われてる」

「なっ…」

言いながら気持ち良さげに頬を寄せて目を閉じる。
マリオが口にしたのは商品ピーアールにしてごもっともな台詞だった……。

結局カメラはあたしの脚に絡むような愛撫をしてはキスをするマリオを撮影し続ける。

そんな風景にあたしは諦めの吐息を吐きながら夏希ちゃんにバレないことだけを願っていた。

脚の間に潜り内腿にキスをする──

マリオの大人な攻めの映像。これはもう確実に夏希ちゃんの怒りを買うに違いない。


もう目も当てられず、あたしはライトが眩しい天井を仰ぐしかなかった。

「ちょっ!?」

そうした途端、あたしの躰が大きく反応する。

内腿に頬擦りしていたマリオの唇があたしの恥骨に押し当てられる。

その感触にビックリして目をやると、そこから躰を起こしたマリオの唇があたしの唇を浚っていた。

離した口角から吐息を漏らしてふっと笑う──

「……っ…これも…っ…台本にあるわけっ…」

真っ赤になって震えるあたしの声に、唇を離したマリオが笑みを浮かべて答えを返した。

「これはない…でも撮影ではよくあることだ──」

「……っ…」

「監督には約束してるから。シャツ羽織る分、僕がカバーするってね……君にも言わなかったっけ…?」

「───……」

悪戯な大人の笑みを浮かべて目だけで笑う──

そんなマリオに“ヤラレタ──”この一言しか思い浮かばない。


“台本通りってわけじゃないからね!”

いつか夏希ちゃんに釘を刺された言葉が頭を過る。

「…っ…夏希ちゃん…ごめんなさいっ…」

撮影終了を告げるカチンコの音に紛れながら、あたしは声にして夏希ちゃんに詫びを入れるしかなかった……。

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