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しおりを挟む「な…んでっ…ここに…っ…」
あきらさんがいるんですかっ…
息を飲む俺の前で晶さんは固まったままただひたすら俺から目が逸らせないでいる。
しかも明らかに悪いことがバレたって顔だ。
てことはそれは悪いことだと確信しながら何かしでかしたことの現れであって、真剣に表情を変えていく俺を晶さんは真っ直ぐ見つめ唾を飲み込んでいた。
「何言われても覚悟するって顔してるね…」
「……っ…」
低く問うと晶さんは気まずそうに俯く。伏せた瞳には確かに困惑の色が浮かんでいた。
「何? 何かまずいことでもあった?」
マリオが間に入るようにして晶さんに窺った。
「別に不味くは…っ」
「ないって言い切るわけだ?」
小さく答えた晶さんを責める口調で言ってやった。
何マリオに気遣われてるわけ?
そしてなに勝手にコイツは人の恋人の肩に手を置いてんだっ!?
そう思った途端、俺はマリオの手を思いきり払いのけていた。
「──……」
マリオは俺のその行動に目を見開いた。
・
回りにいたスタッフ達もそのその雰囲気に足を止めて見守っている。
今回ばかりは気のいい藤沢 聖夜ではいられない──
「…は、随分失礼な振る舞い方だな? 何を責めるか知らないが彼女は事務所の後輩だろう?」
「後輩?」
マリオの言葉につい口が牽きつる。そんな俺から晶さんは目を俯かせたままだ。
「彼女は後輩じゃない──」
「……?…」
「ましてや芸能人でもない──」
「──……」
「たんなる俺の……っ大事な恋人ですからっ」
そう言い切った俺の言葉にマリオは驚いて晶さんに顔を向けた。
そうだ、晶さんは俺の恋人だ。有無は誰にも言わせない──
「コイビト?……」
なんだか半信半疑な顔を見せてマリオは晶さんにそう尋ねていた。
晶さんは小さく頷く。
マリオに正直に答えた晶さんに少しホッとする俺に、マリオは何故か思わず口元を緩ませてそれを隠した。
「そうか…君が…」
「………」
マリオは何やら呟くと表情を微かに崩す。
ぷっと笑う口を隠したまま、マリオは言った。
「君が……隠れメニューに負けた恋人か…」
「──……!?」
意味不明な言葉だったにも関わらず、俺は無性に腹がたった。
今のは完全に馬鹿にした感情が含まれている──
隠れメニューに負けた!?
なんだそれっ…
沸き上がる疑問符。時間が経てば経つほどそれに腹が煮えたぎってきている──
「それはどういう意っ…」
下から俺を見上げていた虎太郎が言い返そうとした俺の手をギュッと強く握っていた。
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