346 / 403
9
しおりを挟む
「マリオが今までのイメージを変えてきてる…」
「───…」
「この間のヌードルのCM観てわかるだろ? あれは明らかにお前のジャンルだ──」
「……っ…」
「普段スーツでワイルドにビシッと決めるヤツがカップ麺啜る恋人に笑いかけて垂れた鼻を拭いてやる──…人間ってのは人の以外な一面に惚れやすい。お前が大人の女性にファン層を広げたように……マリオはその逆…面倒見のいい優しい男ってジャンルで妹層にファンが拡大してる──」
「───……」
「これからは間違いなく“被る”な。ジャンルが」
社長は言いながらデスクに座る俺の尻をはたいた。
「わかったら晶のことなんか気にする前に仕事を手に入れてこい! 実際、マリオに一個持っていかれてるからな!」
「何をっ…」
「ガムの仕事だ!」
「───…」
「毎年契約更新してたのが今回はなにも言ってこん! 向こうに探りを入れたらマリオに新しいCMのオファーがいったそうだ」
「………」
「余裕こいてるからお前は飽きられたんだよっ…たく。ちったぁ危機感を感じろ」
髭は言いながらペンで背中を掻いて罵倒する。
意味もなくこの仕草に腹が立つ。髭の口の悪さには慣れててもさすがに俺のプライドが傷付いた。
・
「マリオが……」
ガムの仕事!?
知らない所で仕事を獲られ、挙げ句、晶さんにまで手を出されてる──
マンションに向かうタクシーの中、俺は向かっ腹立てながら車から降りていた。
晶さんにはスタジオで別れたまま電話も入れていない。勢いついたままだと何を言うか自分でもわからない。
そう思ったからこそ自分の苛立ちが治まるまでは、声を聞くのを控えた方がいいと俺なりに判断したからだ──
晶さんのことに加え、髭から言われたその現実に、俺は少なからず気持ちが落ち込んでいた。
ほんとはこんな時にこそ晶さんをめい一杯抱き締めたいんだけど……
弱々しく溜め息を吐きながら、玄関の鍵を開ける。
体感センサーで勝手に付く部屋の明かり。
ただ、ふと顔を上げると部屋の明かりはもう先に付いていた。。。
「え、…──あれっ!? なんで居るの!?」
対面キッチンに立つ、エプロンをした恋人に俺は驚いて聞いた。
俺の恋人は何も言わず黙々と何か料理している──
「──……っ…え、何っ!? なんで!? いったい何企んでんのっ!?」
正直めちゃめちゃ嬉しいんだけど──っ…
気持ちが落ち込んでたせいか素直に喜べなくて俺は晶さんの回りを窺うように彷徨いて回った。
「───…」
「この間のヌードルのCM観てわかるだろ? あれは明らかにお前のジャンルだ──」
「……っ…」
「普段スーツでワイルドにビシッと決めるヤツがカップ麺啜る恋人に笑いかけて垂れた鼻を拭いてやる──…人間ってのは人の以外な一面に惚れやすい。お前が大人の女性にファン層を広げたように……マリオはその逆…面倒見のいい優しい男ってジャンルで妹層にファンが拡大してる──」
「───……」
「これからは間違いなく“被る”な。ジャンルが」
社長は言いながらデスクに座る俺の尻をはたいた。
「わかったら晶のことなんか気にする前に仕事を手に入れてこい! 実際、マリオに一個持っていかれてるからな!」
「何をっ…」
「ガムの仕事だ!」
「───…」
「毎年契約更新してたのが今回はなにも言ってこん! 向こうに探りを入れたらマリオに新しいCMのオファーがいったそうだ」
「………」
「余裕こいてるからお前は飽きられたんだよっ…たく。ちったぁ危機感を感じろ」
髭は言いながらペンで背中を掻いて罵倒する。
意味もなくこの仕草に腹が立つ。髭の口の悪さには慣れててもさすがに俺のプライドが傷付いた。
・
「マリオが……」
ガムの仕事!?
知らない所で仕事を獲られ、挙げ句、晶さんにまで手を出されてる──
マンションに向かうタクシーの中、俺は向かっ腹立てながら車から降りていた。
晶さんにはスタジオで別れたまま電話も入れていない。勢いついたままだと何を言うか自分でもわからない。
そう思ったからこそ自分の苛立ちが治まるまでは、声を聞くのを控えた方がいいと俺なりに判断したからだ──
晶さんのことに加え、髭から言われたその現実に、俺は少なからず気持ちが落ち込んでいた。
ほんとはこんな時にこそ晶さんをめい一杯抱き締めたいんだけど……
弱々しく溜め息を吐きながら、玄関の鍵を開ける。
体感センサーで勝手に付く部屋の明かり。
ただ、ふと顔を上げると部屋の明かりはもう先に付いていた。。。
「え、…──あれっ!? なんで居るの!?」
対面キッチンに立つ、エプロンをした恋人に俺は驚いて聞いた。
俺の恋人は何も言わず黙々と何か料理している──
「──……っ…え、何っ!? なんで!? いったい何企んでんのっ!?」
正直めちゃめちゃ嬉しいんだけど──っ…
気持ちが落ち込んでたせいか素直に喜べなくて俺は晶さんの回りを窺うように彷徨いて回った。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる