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第三章 恋愛編
12話 不吉な予兆
しおりを挟む「おはようございます!
ハィ、これ!!
もう、一つはルイ兄ちゃんに渡して!」
役所に来ていたティムは、そう言って二通の封筒をアレンに差し出した。
「おゃ!おはようございます。何ですか、コレは?」
アレンはティムから手渡された封筒を手に取り目を通す‥
「ああ、誕生日ですか!」
「うん、アルにはまだ内緒だぞ!びっくりさせてやるんだ」
そぅ、ティムがアレンに渡した封筒は、アルの誕生日パーティーの手作りの案内状だった‥
開封部分には可愛いビーズの花が飾られてある‥
ユリアが貼り付けたモノだった。
子供達はこの案内状をみんなで手分けして配っている。
「わかりました!では、この日に是非、お伺い致します」
アレンの快い返事を確認しティムは自分の仕事場に戻って行った。
――コンコン!
「‥うむ、入りなさい」
―カチャ―
「遅くなりました」
「いや‥こちらこそすまないな。
事は急を要するのでな‥」
ルイスは朝早くから王族会議室に呼び出されていた…
ルイスが会議室に着くと席には各国の権力者達、そうそうたるメンバーが顔を並べていた。
・
会議室に集められた顔ぶれを確認したルイスは
‥こりゃ、ただ事じゃぁないな‥‥‥
そう実感していた‥
そこには隣国、三ヶ国の国家機密諜報員達とそして大臣達が顔を連ねており、その者達の表情はとても厳しいものだった‥‥
ルイスを席に促し、我が国の王‥ブランデールは会議開始の合図をだした‥‥
そして、向かい側に腰掛けていた男が資料を読みあげる‥
「‥‥皆様、‥お忙しいところ、急な御呼びたてで申し訳ありません‥‥
他の国にもお集まり頂きたかったのですが、間に合わないようなので‥‥
先(せん)だって‥‥我が国の南の方角に位置する村が‥‥忽然と跡形もなく消え去りました‥‥‥」
― なんと!?‥‥‥
― 村が消えた!?
― ハリケーンか何かではないのか?
男の言葉にその場にいた者達は口々に意見をかわし始める。
「‥‥ハリケーンでも‥
トルネード(竜巻)の仕業でもありません‥‥
丁度、我が国の観測機関が城の展望から調査していた目の前で事が起こったそうで‥
村民50名程のホントに小さな村ですが‥‥
黒い雲に覆われ一瞬で姿を消し去ったと‥‥‥」
諜報員の言葉に皆(みな)がざわつき始めた
・
「静粛に!!」
周りのざわつきを抑えるように王が言葉を放ち男に、続きを促す。
男は無言で頷くと再び口を開いた‥
「‥何度、原因を探しても解明できず我らの小さな国では、もはや‥手に追えぬ何かが起こっているのではないかと‥‥
実は‥昨年にも北の方角の村で同じような事が‥‥‥
元々が雪に閉ざされた小さな村でした‥‥‥この時は誰も見ていたものが居(お)らず‥‥
ただ、、、遠くから空を見ていた者が居りまして‥‥‥巨大な黒い雲が‥北の方角に移動していった‥‥‥との情報が後から耳に入り‥‥‥
もう、これは我が国だけの問題ではないのではと‥
我が国で審議会を何度も開いた結果、今日この場をお借りしてヵ国の方々とお話をと‥‥‥」
男は話し終わると静かに席に腰を下ろした‥
そして、言葉もないまま皆が考え込む‥‥‥
‥黒い雲‥‥‥
‥まさか…
諜報員の言葉を聞いたルイスは隣にいた我が国の知恵の宝庫‥クラディウス老師と目を合わせた‥‥‥
ルイスと目を合わせた老師も鋭い目つきで頷き、一点を見つめるとしばしの間、その瞳を閉じて何かを考え込む‥‥
そして、重い腰をあげた‥
・
他国からも偉大な賢者として崇(あが)められている
老師に誰も何も言わずとも騒がしかった場が静まりかえり、皆が一斉に注目した―――
そして、老師は再びあの伝説を語り始めた‥‥‥
昔のおとぎ話をゆっくりとした口調で紡ぎ始める老師の言葉に、誰もが反論せず静かに耳を傾けている‥
最後まで語り終えた老師は言った‥
「‥‥もし、これが…
ただの伝説で終らぬのなら‥‥
真の神の従者が現れぬ限り我々、人類に明日はなかろう…
ただ、、、指をくわえ最後を待つだけとゆーのもさみしいもんじゃ‥‥‥
探さねばなるまい‥‥
我らの手で真の神の従者を!
どんな、知恵でもおとぎ話話しでもよい‥掻き集めなければ事は前には進むまい‥‥
皆も、各々(おのおの)国に戻り知恵を持つ者、逸話に詳しい者を集めよ!!
出来る事から手をつけるしかあるまい‥‥
皆の者‥‥‥頼んだぞ!」
老師の覇気(はき)ある言葉と眼差しに奮い立たされたようにその場の空気が変わった!!
― そうだな!頭であれこれ考えても何もならん!
― 昔の詩(うた)でもいい、何かの意味が隠されているかもしれん!!思考を柔くしてかからねば!!
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