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しおりを挟む「しょうがないよっナイフ押しつけられてたんだから!
一体、誰のせいだと思ってんのさっ!!
僕は完全な被害者なんだからねっ!!」
反論する知也に克俊は詫びながら言い訳を始める
「わかったよ
俺が悪かったから‥
でも、お前だって悪いんだぞ?」
「なんで僕のせいにするの!?」
「知也が俺から離れてったからだろ?」
克俊は拗ねた口調で返していた
「僕は離れてない!!
離れてったのは克俊の方だろ!!
‥っお弁当だって!‥
僕はお弁当だって毎日克俊の分も用意して待ってたのにっ!‥//」
「‥‥──
えっ‥
マジに!??‥//」
知也のその言葉で克俊の拗ね顔がキラキラとピンクの後光を放つ──
‥なんなんだ、この色惚け達はっ?
英二達を背後に、二人は痴話ゲンカを始めながら教室を出て行く
その後ろ姿を眺めながらジャッカル達は二人のバカップルぶりに口をあんぐりと開いたまま見送っていた
廊下に出ても尚、聞こえてくるイチャイチャトークに理央は耳を塞ぎ涙の滲む瞳をぎゅっと閉じる!
「理央!
こっちにこい‥。」
英二はそんな理央に気づき自分の元に呼びつけた
・
「英‥二‥」
理央は涙を浮かべる自分に、微かに柔らかい笑みを向けて手招きをする英二の胸に飛び込み顔を埋める
そして英二は肩を震わせ声を押し殺して泣きじゃくる理央の背中を大きな手で優しくあやした‥
理央の後頭部を包み込むように手の平で覆うと英二は頭上から囁きかける
「お前‥
あんな色惚けのどこがそんなにいいんだ?
やめて正解だろ?あんな奴‥‥」
自分を諭すような囁きに理央はそれでも反発する
「克俊はっ‥
英二と違って‥っ
克俊は一途なんだ!!
英二みたいに足開けば誰でもいいってんじゃない!!」
「‥……」
理央の訴えを英二は頭を撫でてやりながら黙って聞いている。
そして一度、話し出した理央はヒステリックに英二を責め始めていた‥
「克俊は僕だけがっ‥
僕だけがいればいいって!
僕しかいらないって言ってくれたんだからッッ
英二は僕じゃなくても全然平気なくせにっ!!
ヤレれば誰でもいいんだろ!?」
「‥‥‥でも、アイツだってあっさり他の奴に乗り換えたじゃねえか?」
「うるさい!!
だから嫌なんだ!!」
「──……」
理央に一喝され英二は仕方なく押し黙る
・
僕から克俊の心が離れた──
そんなの耐えられないッッ
僕はまた‥一人になるっ
やっと‥
やっと僕を見てくれる人を‥
僕だけを見てくれる人を見つけたのにっ
側に居ろって‥
言ってくれる人を見つけたのに──
一人はもう嫌だっ!!
もう‥一人はっ‥っ‥
強気な言葉を口にしながらも肩を震わせ小さくうずくまるように声を殺して泣く理央を英二は優しくぎゅっと抱きしめる
理央のこのうずくまって泣くのは幼い頃からの癖でもあった‥
美しい母親にそっくりな理央‥
そして派手好きな美しい母親は理央が幼い頃に離婚し小さな理央をあっさりと捨て男の元へ走った‥
それからは実の父親から凌辱され続けた日々を送っていたのだ
美しい母親に似た理央
自分の血は少しも混ざっていないんじゃないか?
派手な美しい妻をいつしかそんな目で見るようになり父親は理央に疑いをかける──
“お前は俺の子供じゃない!!”
“家に居たきゃ少しは俺の役に立て!!”
きれいな身体に傷をつけることはしなかったが、父親は無抵抗の幼い理央を相手に毎晩のように凌辱を繰り返し男の欲を刻みこんだ
・
自分の性感体を教え込み、自分の発散したい時に身体を開かせる
そんな仕打ちを毎晩のように──
ただ、慣れてくればその行為も理央にとってさほど苦痛なことではなかった。
その時だけは父親も自分を大事に抱きしめてくれる‥
唯一、母親に捨てられたショックを癒してくれる父親の歪んだ愛情表現‥
理央にとって日常で一番、安らぎを感じる空間でもあった──
この時だけは満たされる
必要としてくれる
理央もまた、歪んだ愛情でしか自分の価値を見い出すことができなくなってしまっていた
小さくうずくまる、強気で我が侭な王子様を見つめ英二はため息混じりに苦笑いを浮かべる
「俺が‥
お前一人にすりゃ済む話しだろ?
他の奴には手を出さないから‥‥」
英二のその言葉に理央は驚いたように涙で濡れた顔を上げる
英二はその顔を両手で挟み覗き込むと理央の涙を親指でグッと拭いながら挑戦的な眼差しを向けて言った
「そのかわり、お前一筋になるんだから‥
今まで発散してた分をお前が全部、相手するんだぜ?壊れるのは覚悟しとけよ?‥クッ‥」
「──‥っ‥///」
・
「俺は克俊みたいに甘くないぜ?
ククッ‥どうした?そんな顔して?‥
一途に想われてえんだろ?‥ん?」
口端に含みを浮かべた英二の微笑に理央は目を丸くして冷や汗をかく‥
英二はそんな理央を意地悪そうに見つめからかっていた
英二はなんとなく気づいていた‥
克俊にこだわりながらも抱く時は自分の名前を叫びながらすがりつく理央の心に──
寂しさを紛らわせるようにすがりつく理央の心‥
‥なんだ‥
誰でもいいのはお前じゃねえか‥‥
英二は涙の止まった理央を広い胸に再びぎゅっと抱きしめる
そして微かに笑みを浮かべ言った‥
「王子様の我が侭に辛抱強く付き合えるのは俺しかいねえだろ?
俺で手を打っとけよ。
‥な‥‥理央」
頭上から優しく語りかける声に理央は嬉しさで歪む唇を噛み締める
「‥しょ‥
しょうがないから‥
英二で我慢してあげるっ//」
「‥‥‥‥
‥ぷっ‥」
尚も意地っ張りな王子様の返事に英二は吹き出しながら理央を強く抱きしめてやっていた‥‥‥
桜の花も散り行く頃‥
ここでもまた、色づく恋の華が芽ぶいたようだ。
でもこれは、また別の
お*は*な*し
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