【完結】ハイスぺ副社長になった初恋相手と再会したら、一途な愛を心と身体に刻み込まれました

中山紡希

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第四章

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「結乃、大事な話がある」

彼がポケットから上品な赤いリングケースを取り出した瞬間、心臓が跳ねた。
ケースの蓋を開く。
そこには眩い光を放つフルエタニティリングが入れられていた。指輪の全周にダイヤモンドがはめ込まれている。どの角度から見てもダイヤモンドがキラキラと眩い光を放っている。
思いがけない展開に、私は驚いて目を見開く。

「これって……?」
「付き合い始めてすぐ注文したんだ。でも、オーダーメイドだから意外に時間がかかって。本当はクリスマスの日に渡してプロポーズするつもりだったけど、間に合わなかった」

彼の言葉に潤んでいた瞳に再び涙が浮かび上がる。
てっきり一緒に暮らすだけだと思っていたのに、そこまで考えてくれていたなんて。
彼は真剣な表情になり、姿勢を正して私と向き合う。

「結乃、愛してる。俺と結婚してください」

ハッキリとしたプロポーズの言葉に、ポロリと涙が零れ落ちた。

「……はい」

泣き顔でくしゃっと笑うと、彼は安堵したように微笑み返して、左の薬指に指輪をはめてくれた。
ぴたりとはまった愛の証に右手でそっと触れると、胸が熱くなる。
さらに彼は茶封筒から取り出した何かをそっと差し出した。

「陽介くん、これって……」

渡されたのは婚姻届だった。しかも、夫の欄は全て記入され保証人の欄には白洲さんの名前が記されている。

「プロポーズして結婚の約束をするだけじゃ、この先また結乃を不安にさせる可能性がある。不安の芽は全て摘みたい。だから、すぐに籍を入れよう」
「陽介くん……」
「紙切れ一枚だと言う人もいるかもしれない。でも、その紙切れ一枚に守られることが今の俺たちには大切なんだ。そうすれば、俺は堂々と結乃を守れる。結乃を浮気相手などと絶対に言わせない」

決意を込めた彼の言葉に喜びの涙を流す私を彼は再び抱き寄せた。

「愛してるよ、結乃」
「私も……陽介くんを愛してる」

彼がそっと私の唇にキスをした。労わるような優しい口づけだった。
触れ合った場所から互いの温もりが伝わってくる。私たちはこの日、確かな絆で結ばれた。
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