異世界冒険記

みかん

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課題と偵察

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「ここが僕が住んでいる宿だよ」
 マサトが指さした先には木製の建物があった。
 別段古いわけでもなく、ライトは安心した。
 建物の中に入り、階段を上る、そして二階の一番端の扉の前に着いた。
 マサトは鍵を取り出し、扉を開けた。
「どうぞ」
「お邪魔します」
 ライトが部屋に入り、目に飛び込んできたもの……それは……
 物が床にそこら中へ散らかっている惨状だった。壁はとてもきれいで、家具も古くない。
 ただ……汚い……
「あっ! そっかぁ。荷物ないのか! どうする? 買出しにでも行く?」
 マサトは勝手に話を進めている。
「ち……ちょっと待って!」
 ライトはマサトの話をさえぎって声を出した。
 ライトは記憶はなくても潔癖症ではないと自分で何となく分かった……でも、だからと言って黙っておける部屋の状態ではなかった。
「部屋の……片づけをしよう……」
 マサトはライトの言葉を聞き、部屋を見渡す……
「えぇ……めんどくさぁ……ぃ……」
「片づけ……よう……」
「う……うん……分かった……」
 マサトはライトの圧に勝てなかった。
 三〇分後片づけが終わった。
 ついでに雑巾がけもし、壁と床はピカピカになった。
「おぉぉぉ」
 片づけ前とは見違えった自分の部屋にマサトは感心した。
「いやぁ……片付けようとは思ってたんだけどねぇ……どこから手を付けたらわからなくてほったらかしにしてたんだよ。ほんと……ありがとう」
「まぁ、助けてもらったし、せめてものお礼になればと思ってね……それで……なんだっけ?」
「ん?あぁ! 生活用品の買出しに行ったほうがいいんじゃないかと思ったんだけど……」
「でも……お金は……?」
「大丈夫。収入先が見つかれるまで、記憶の被害にあった人はみんな役所のほうから毎月、お金がもらえるようになってるんだよ。だから多分、もう少ししたら、ライトにも、持ってきてくれると思うよ」
「へぇ……そうなんだ……」
「うん。僕もまだこの町についてわかってることも少ないし、買出しついでに見て回ろうよ」
「うん。そうだね」
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