魔法の使えない無能と呼ばれた私は実は歴代最強でした。

こずえ

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壊れた歯車

75話

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パリスはルナが下ろすと同時にアリスの元にダッシュで戻って、涙目でアリスにしがみついていた。

それを見たルナがほんの少しだけ残念そうな表情をしていたが、ヴォルディアは「当然だろ…」と言う声が聞こえてきそうな目をしていた。

「たのもー!」

そんなルナが気を取り直して、元気よく壁を押すと壁が開いてオシャレなカフェの様な場所が現れる。

「ルナ様ですか…びっくりしました。」

赤く長い髪の背中に天使の様な黒い羽のある一人のメイドが抑揚の無い声で言う。

「カティーちゃん、驚かせてごめんね?マスターは居る?」

ルナがそう言うとカティーと呼ばれたメイドは一切の感情を感じさせない声で言う。

「今はご主人様は買い出しに行かれてますね。後30分で戻って来ると思いますが、如何致しましょうか?」

ルナがアリスの方を見て言う。

「アタシは大丈夫だけど、アリスちゃんたちは大丈夫?」

「私は大丈夫です。パリスちゃんも大丈夫…だよね?」

パリスはアリスの顔を見て小さく頷く。

「かしこまりました。」

その様子を見ていたカティーが綺麗に45度のお辞儀をして、席に案内する。

「こちらにどうぞ…」

カティーが椅子を引くとルナがそこに座る。

アリスたちはカティーが椅子を引く前に自分で椅子を引いて座ったので、カティーは無機質な目でそれを見ていた。

「ねぇねぇ、カティーちゃん、良かったらカティーちゃんもアタシたちとおしゃべりしない?カティーちゃんも興味あるでしょ?」

ルナが楽しげに誘う。

「申し訳ございません…まだ仕事が残っておりますので…」

相変わらず感情を感じさせない声であったが、ほんの少しだけ表情が残念そうに見えた気がした。

「そっか…じゃあ、また今度お話しましょ!」

「…そうですね。」

カティーはそう言うと黙々と作業を始める。

「はぁ…カティーちゃんはいつ見ても可愛いよねぇ…」

ルナがウットリした表情でカティーを見る。

「ルナ、カティーにそんな気色悪い目を向けるな。カティーが困っておるじゃろう。」

ヴォルディアが呆れたようにしながら言う。

カティーは聞こえてないかのように作業をしていた。

「あー!ヴォルちゃん、可愛いレディーに向かって気色悪いとか言っちゃダメだって教えたばかりでしょ?」

「ふむ?我の目には同性に発情するケダモノしか見えなんだが?」

「あ、ひっどーい!いくら、ヴォルちゃんでも言っていいことと悪いことがあるわよ?ねぇ?パリスちゃん。」

「え、えっと…その…パリスには分からない…です…」

パリスは突然話を振られて若干挙動不審になりながらも受け応えする。

「パリスよ。こやつに気を使う必要など無いぞ。遠慮なく気色悪いと言ってやれ。」

「もー!ヴォルちゃんってば!可愛いレディーの扱いがなってないわよ!」

わざとらしく頬を膨らませてルナが「ぷんぷん」と言っていた。

「それよりも良いのか?お主が一番仲良くなりたい相手は暇そうにしておるぞ?」

そう言ってヴォルディアがアリスを見る。

「いえ、私は大丈夫です。ただ…普段はこう言ったお洒落なカフェとか行かないもので…」

アリスが緊張している様子で辺りをみながら言う。

「うっそ!ほんとに?!アリスちゃん、すっごいお洒落なお店とか詳しそうなのに意外ー!」

ルナがほんとに驚いたと身体全体で表しながら言う。

「アリスもパリスも冒険者だとラグレアからも聞いておったじゃろ…」

ヴォルディアが呆れたように言う。

「あっ…そう言えば、そうだったね。アリスちゃんなんて特に王族に居てもおかしくない様な振る舞いしてたから忘れてたよ。」

「…一応、由緒ある家系の娘ですからね…」

「そうじゃな。アルフェノーツの当主が変わってからは黒い噂が流れる様になったのじゃが、元々は数多の分野で有名な功労者ばかりを出しておる家系じゃったな。」

ヴォルディアはそう言ってカティーを見る。

「少々お待ちくださいませ。」

カティーはそう言って奥の部屋から、人数分のコーヒーと共に真っ白な1枚の紙をヴォルディアに渡す。

ヴォルディアがそれを軽く火で炙ると謎の文字が浮かび上がる。

「これは…龍言語…ですか?」

パリスがそう言うとヴォルディアが少し驚いた様に目を開く。

「龍言語がわかるのか?」

「少しだけアネラーゼさんに教えていただいたのです。」

「ふむ。ならば、読んでみせよ。」

ヴォルディアがそう言ってパリスに紙を渡す。

「えっと…………」

パリスが黙々と解読を始める。

「だいたいですが、解読出来たと思います。」

「ふむ。ほんとに読めたとしたら、かなり出来るな。」

ヴォルディアが興味深そうにパリスを見る。

「そうですね…おおまかに言えば、先代アルフェノーツ当主様は現当主に殺害された事と神器を求めている事…でしょうか?」

「うむ。正確には殺害された可能性があるではあるが、だいたいは合っておるな。よくやったぞ。」

ヴォルディアがパリスから紙を受け取ると優しくパリスの頭を撫でる。

「あ、ありがとうございます。」

パリスが少し嬉しそうに言うとルナがガックリと肩を落としていた。

「ヴォルちゃんに先を越されちゃった…」

ヴォルディアは呆れたようにコーヒーを飲みながら言う。

「お主は何でもかんでも強引過ぎるのじゃ。人にはそれぞれの適切な距離感があるのじゃ。」

完全に意気消沈してしまったルナの表情はとても悲しそうだった。

「じゃが、それがお主のいい所でもある。純粋な好意を向けられて嫌な相手はおらんじゃろう。お主は素直過ぎるほどに裏の無い性格じゃからのう。」

ヴォルディアは一切ルナの方を見なかったが、気を使ったようだった。

「あ、あの…少し怖かったですけど、仲良くなりたいのはよくわかりましたから、元気だしてください…」

パリスが元気づける様に言うとルナは完全に元気を取り戻した様子だった。

「良かったぁ…パリスちゃんに嫌われてたら、どうしよう…ってずっと考えてたんだよ。アリスちゃんもそうだけど、アタシはパリスちゃんともお友達になりたかったからさ…ほんとに…良かったぁ…う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁああん!」

安心したのか、ルナが泣き出してしまった。

ヴォルディアは突然ルナが泣き出した事に驚いていたが、パリスにこっそり目配せしていた。

その意味を察したパリスがオロオロとしながらもルナが落ち着くように背中を撫でる。

ヴォルディアがこっそりアリスに耳打ちをするように言う。

「お主、レッカと言う龍人の事は知らぬか?」

「レッカさん…ですか?」

「うむ。龍人のくせになんでもよく食べる我の娘なのじゃが…」

アリスはヴォルディアが少しだけ寂しそうな顔をした気がした。

「私が心当たりがある龍人なら、クレアって名前をつけちゃったかもしれないですね…呼んできましょうか?」

ヴォルディアは小さく首を振る。

「レッカ…いや、クレアが望まぬなら、我も無理には会うまい。我としては少し寂しい気もするが、元気にやっておるならそれで良い。」

「あっはは!それなら、引きずってでも連れて来ないと…ですね!私の大切な友達を悲しませるなっ!てね♪」

アリスがキラッと言う音が聞こえそうなキメ顔をするとヴォルディアが「ククク」と楽しげに笑う。

「そうか…そうじゃな…友にそう言われてしまうと頼らざるを得んな。」

「アハハ!どーんとお任せ下さい!なんたって私は大食い姫のご主人様ですから♪」

「クハハハ!そうじゃな!じゃじゃ馬大食い娘の手綱を握っておるしな!」

アリスとヴォルディアが互いに大笑いしていた。

いつの間にか泣き止んでいたルナとそれを慰めていたパリスがそんな2人の様子を見て顔を合わせて微笑みながら、また2人を見る。

「ヴォルちゃんもアリスちゃんもすっごく可愛い笑顔だね!二人も仲良くなれたみたいで良かったわ」

「そうですね。お二方がとても楽しそうで良かったです。」

ルナが気合いを入れるように笑って言う。

「ウッフフ…アタシももっとアリスちゃんと仲良くならなくちゃね。もちろん、パリスちゃんとももっと仲良くなりたいけどね!」

「そうですね。パリスもルナさんやヴォルディアさんと仲良くしたいです。」

パリスの自然に出た笑顔にルナがキュン死しかけたのは言うまでもない。

そんな感じで和気あいあいとしているカフェの扉が開き、執事風の綺麗な服と白く整えられた髪と青い瞳の年老いた男性が入ってくる。

「おや。ルナ様にヴォルディア様がいらっしゃいましたか。」

パリスはいつの間にかアリスの傍で驚いた様子で震えていた。

「あ、マスター!おかえりー!この子が噂の猫族のアリスちゃんと兎族のパリスちゃんだよ!」

ルナが元気よく男性に言う。

「このお二人の可愛らしいレディーが英雄様でしたか。」

マスターと呼ばれた男性がアリスとパリスを見て言う。

「マスター殿、邪魔しておるぞ。」

ヴォルディアも親しげにマスターに言う。

「ヴォルディア様もお元気そうですね。」

作業をしていたカティーがマスターの元にやってくる。

「ご主人様、おかえりなさいませ。お荷物を片付けますね。」

カティーが男性の荷物を持ちながらテキパキと片付けをする。

「カティー、荷物を片付けたら、お前も今日は暇を取りなさい。」

「承知しました。」

男性がそう言うとカティーは変わらず感情の無い声だったが、ほんの少しだけ嬉しそうな雰囲気を出していた。

「では、失礼します。」

マスターはそう言ってお辞儀をするとカウンターの方へ移動し、食器やカップを綺麗に棚に並べる。

しばらくして、カティーがやってくる。

「では、私も暇が出来ましたので、何処かへお出かけでもしませんか?」

「お、良いね!カティーちゃんの服とか買っちゃおうよ!」

ルナが元気よく言う。

「私はこれだけあれば大丈夫ですので…」

カティーは自分のメイド服を指さして言う。

「え~!カティーちゃん、可愛いのにオシャレしないのはもったいないよー!ね?ヴォルちゃん!」

「カティーよ。諦めろ。こやつは言い出したら聞かぬからな。無論、我もお主がオシャレをする事には賛成じゃがな。」

ヴォルディアは何処か楽しげに笑う。

「…左様でございますか。」

カティーはどことなく諦めた様な目をして言う。

「後はアリスちゃんの服とパリスちゃんの服も選ばないとね!今でも十分可愛いけど、女の子ならいつでも可愛くありたいでしょ?ってなわけで、ドレスじゃ動きにくいから普段着で来てよね!待ち合わせは2時間後の広場で!じゃね!」

ルナはそう言うと颯爽と出て行った。

「…ルナさんって、脱兎のごとくの意味がよくわかる方ですね。」

パリスが完全に置いていかれた様子で言う。

「うむ。あやつはいつもアレじゃからな。我も仕事を強制中断させられることもよくあるのう。」

ヴォルディアは呆れた様子で言う。

「あ、そうだ!ヴォルディアさん!」

アリスがなにやら思いついた様子でヴォルディアに耳打ちして話し合う。

「…ぷっはは!お主も悪よのう…」

「へへっ…龍王様ほどではありませぬ…」

ヴォルディアがノリノリで悪い顔をして言うとアリスもそれにノッかって悪い笑顔を浮かべていた。

「はぁ…」

カティーが小さくため息をついて、パリスの傍に来る。

「パリスさん、もう私にとって頼りになるのは貴方だけかもしれません。」

「あっはは…相手が悪いですが、善処はしますよ。」

パリスの乾いた笑いとともに出て行くアリスとヴォルディアを追いかけてパリスも出る。

「…パリスさんの所に行ってきますね。」

カティーはマスターにそう言うとパリスを追って店を出る。

静かになった店の中でマスターがカップを磨いていると…

「やっほー!マスター、元気してる?」

ルナよりかなり小柄な兎族で美しく輝く長い金髪と綺麗な湖畔を思わせる様なコバルトブルーの瞳の女性が入店する。

「おや?これは珍しいお方がいらっしゃられましたね。」

マスターが驚いた様子で言うと兎族は近くの席に座りながら楽しげに笑う。

「そう言えば、さっき、ボクと同じ兎族の子にカティーちゃんがついて行ってたのを見かけたけど、なんかあったの?」

「ルナ様とそのご友人3名と服を買いに行く事になったそうです。」

「へー…あのルナちゃんが…ヴォルディアちゃん以外の他種族と…ねぇ…」

意味ありげに兎族が言いながら、マスターの入れたコーヒーを飲む。

「ルナ様も成長されたと言うことでしょう。それよりも妹さんには会わなくても良いのですか?」

マスターが対面に座って、自身の入れたコーヒーを飲みながら言う。

「うん。ボクのことなんか覚えちゃいないだろうし、わざわざ会いに行って邪魔するわけにもいかないだろう?」

「貴方がそれでいいのなら、私はこれ以上は何も言いませんが、覚えてなくとも家族に会えるのは嬉しい事だと思いますよ。」

「…考えてはおくよ。それこそ、依頼で一緒になったりしたら…ね…」

兎族がそう言って収納魔法のかかっているティアドロップ製の白っぽい青色に輝くブローチからコーヒー豆の入った袋を取り出す。

「おや。これは…とても良い物を仕入れて来られたのですね。」

どことなくマスターが目を輝かせながら言う。

「そうだろう?なんたって、キリンマンジャロの体でじっくりと熟成されたオッイイジャロだからね。今夜のお供にでもしてやってくれ。」

そう言って兎族がマスターに袋を手渡す。

「ありがとうございます!」

「良いってことよ!ボクもマスターには世話になってるからね。」

マスターがとても嬉しそうに言うと兎族は楽しげに言う。

「そんな事を言われてしまっては何も出さずに帰す訳にもいきませんな。」

マスターは嬉しそうに言いながら1枚の紙を兎族に渡す。

「これは…王様の手紙?」

兎族が手紙の封を開けて中を読む。

『5日後、早朝、。現地に向かえ。』

「今更、悪魔の森なんかで何をするんだろ…あの辺の危険そうなのと言えばグランベリーくらいだけど…」

「私の予想ですが、悪魔の森から出るのが安全だからなのではないでしょうか?」

「確かにボクくらい強い人なら、寝ててもあそこは制覇出来るとは思うけどさ…」

兎族は少しだけ考えるように首を傾げながら言う。

「どうも嫌な予感がするんだよねぇ…」

兎族はそう言いながら席を立つ。

「マスター、今日はボク、帰るよ。」

マスターもそれを聞いて席を立つ。

「奇遇ですね。私もこれから店を閉める予定だったのです。」

「アハハ!じゃあ、ちょうど良かったってわけだね!」

兎族が扉に手をかけてマスターに言う。

「マスター、無理はしないでくれよ?」

「ハハハ…エレナ様にはかないませんな。」

兎族が扉を開けて去り際に言う。

「じゃあね、伝説の元勇者マスター。」
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