知識０から創る異世界辞典（ストラペディア）～チャラ駄神を添えて～

メガネスーツ女子とジャガイモとトイレ問題

頁51：赦される為の戦い／知覚の外 １

　 　 　





　これは、創造者も編纂へんさん者も知る事が出来なかった一瞬の出来事の記録。

　赦ゆるす者と試される者のみがそれを知っていた。






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　『　　』が変わった。『　　』がしない。『　　』も止んだ。世界から音が消えた。
　それでも『　　』『　　』からは視線を動かさない。感覚で確認すればいいだけだ。

『ンホホホホホ…。明確な異変が起きたというのに集中を切らさないとは…末恐ろしくもあるのぅ』

　『　　』語を操る、『　　』の姿を模もした小さな物体が耳障みみざわりな鳴き声を発した。
　必要な情報だけ拾え。それ以外は切り捨てろ。それが生きる為の最善手だ。

『聞いているか理解出来るかは知らんが、儂ワシらと世界を一時的に切り離した。ヌシが今目で見て肌で感じている世界は本物であって偽物でもある。まあ掻かい摘つまんで言うとじゃな、どれだけ暴れても問題は無いという事じゃ。【綴つづり人】にも危害は及ばん』

　何を言っているのか理解出来ない部分はもう忘れたけれど、確かにミサキとシシバの気配が感じられなくなった。少なくとも自分が移動するかもしれない戦闘範囲内にはいない。ちょっと安心した。

『さて、『　　』を剥むき出しにした幼き『　　』よ。ヌシが望む道を進みたくば……そうじゃな、どうせ複雑な内容を求めても理解出来んじゃろう。単純シンプルに【儂に触れる】事を赦ゆるしの条件としようかの』

　触れる…だけ？　それだけでいいのか？

『簡単じゃろう？ 【綴り人】どもの国の言葉で言う【『　　』事『　』ごっこ】じゃな。ヌシが『　　』となり儂を追い、儂はただひたすら逃げるのみ。簡単じゃろう？』

　『　　』…って何だろう。敵対生物ヴィクティムの事かな。まあどうでもいいや。

『ああ、必要だと思えば得物弓矢を使っても構わんぞ。寧むしろ儂に一撃を入れられたならその時点で赦しをやってもよい。ンホホホ…！』

　弓を握る左手に自然と力が入った。挑発だ。分かってはいる。

「その言葉、後悔しないでね」







　　　（次頁／51－２へ続く）






  　 　 　 　


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（話注）

　『　　』はまだ【辞典】に登録されていない事／物／現象です。

　 観沙稀みさき達には認識出来ない状態ですが、地球ﾂｳﾞｧｲ･ｱｽの住人には『名前無き存在』でも『存在している物』として認識出来ます。

　どの『　　』に何の名称が入るのか、お分かりになりましたでしょうか？（いくつかは簡単に分かると思います。）