明治あやかし黄昏座

鈴木しぐれ

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第五幕 散

散―2

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 しかし、三日後、ぱたりと黄昏座は静かになった。誰一人として、黄昏座を訪れる者はいなかった。その理由は、本殿から出された通達。黄昏座に近付く者は謀反とみなす、というものだった。三日間、あれだけいた妖は、蜘蛛の子を散らしたように消えた。妖の頂点にある本殿の影響力は凄まじいものだった。

「おかしい……」
 寧々がそう呟いた。座員は全員、大部屋に集まっていた。

「何がおかしいんですか」
「本殿が、やよ。こんな小さな芝居小屋に露骨に圧力をかけるなんて」
「そうですか? 階級を上げるきっかけを作ったのなら、目の敵にされてもおかしくないと思いますけど」
 雪音が棘を隠そうともしない口調で言った。

「……そうやね。これからは慎重に行動せな」
 全員が神妙な面持ちの中、琥珀は頷いた。

「ああ。今の状況だと芝居をしても誰も見に来ない。今日の芝居は中止とする。いいな」
「ええ、仕方がないわ」
「分かった」

 ここ数日の騒ぎになるほどの人の急増、逆に今日の急減。事情を知らない人間の客からも、敬遠されてしまっている。通常の芝居も出来ないこの状況、非常にまずい状態だ。




 何も対策が出来ないまま翌日の夕方、本来なら開演する時間になってしまった。誰も訪れない黄昏座に、本殿からの使者だという者が訪れた。真っ黒な外套に、頭をすっぽりと覆うフードで全身真っ黒な使者は一言問うた。

「代表者は?」
「あたしや」

 使者は、一通の封書を渡すとすぐに走り去っていった。路地を曲がり、その直後には真っ黒な烏が飛び去って行った。

「今のは……?」
「本殿が使う使者、烏の妖ですわ。伝達を請け負うだけで、本殿の一員ではありませんわ」
 寧々は、受け取った封書を琥珀の前に差し出した。

「あたしが読もうか? それとも琥珀が読む?」
「内容によるが、この状況でいいものとは思えないしな。寧々さんも一緒に見てくれ」
「ええよ」

 琥珀と寧々は、皆を玄関に留めて、裏へ行った。あさぎを含め、他の座員は玄関や客席で手持ち無沙汰に待つことになった。今後どうするかを相談するのだろうから、長くかかると思っていたが、二人は案外早く戻ってきた。そして、厳しい表情をしている。

「通達の内容、早く知らせるべきだと判断した」
 琥珀は、皆に見えるように通達の文面をこちらに向けた。あさぎたちは、集まって文面に目を通した。


 ――そこに本殿と通じている者がいる。こちらに返してもらいたい。名はあさぎ。記憶がないと主張している者だ。


「…………え」

 読み終わると同時に、皆が反射的にあさぎから距離を取った。琥珀も一歩下がってあさぎから離れた。
 あさぎは、混乱して眩暈がした。喉が張り付いて上手く声が出ない。自分が本殿の間者? そんなはずがない。

「間者の話は、嘘じゃなかったんですの!?」
「姉さんの言う通り、嘘のはずです。でも、本殿があさぎを名指しして……」

 双子が戸惑いながらも、疑いの目を向けてくる。信用ならないと嫌悪している本殿が、あさぎの名を上げている。あさぎのことも疑わしく思っているのだろうか。
 息が上手く吸えなかった。あさぎは、必死に声を絞り出した。

「違う、私は、何も!」
「あさぎ」

 琥珀が感情を押し殺した、無表情であさぎに呼びかけた。今まで見た琥珀の中で一番怖かった。今にも涙が込み上げてきそうだったが、ぐっと堪えた。

「琥珀、信じて! 私は間者じゃない、何も知らない!」
「証拠は?」
「証拠って、そんな………」

 本殿と繋がっている証拠ならまだしも、繋がっていないことを示せるはずがない。何も、ないのだから。
 それとも、記憶をなくす前に、本当に本殿と繋がりがあったのだろうか。双子を殺せと言ったり、階級や偏見を容認したりするような組織と繋がっていたと思いたくない。もし、仮に、そうだったとしても、何も覚えていないのだから、今のあさぎにはどうしようもない。

「黄昏座から出て行ってくれ。そうすれば、黄昏座に近付く者は謀反、という通達を取り下げるとも書いてある」
「待って、嫌だ」
 幼い子どもが駄々をこねるような言葉しか出て来ない。でも、他にどうすれば。

「これ以上、迷惑をかけないでくれ」

 琥珀はくるりと背を向けて、あさぎと目も合わせずにそう言った。耳元でガラスが割れた音がした気がした。全て、壊れた。もう戻れない。あさぎは、立ち尽くすだけで、何も言えなかった。

 皆の顔を見回した。目が合うと、視線を外された。佐奈の口が、わずかに動いた。寧々が、あさぎに歩み寄った。そして、背後に庇うようにして立った。

「琥珀、本当にあさぎちゃんが間者やと思うてるん?」
「……他に誰がいる」
「あたしは、そんなん信じへんよ」

 あさぎは、寧々に抱きかかえられた。次の瞬間にはものすごい風が頬に触れた。寧々があさぎを抱えたまま、全速力で黄昏座から離れているようだった。

「ね、寧々さんっ」
「少し我慢しててな」

 これ以上喋ると舌を噛みそうだった。あさぎは抱えられたまま、大人しくしておくことにした。少なくとも寧々
は、あさぎは間者ではない、と言ってくれたのだから。



「着いたよ」
 寧々に下ろされたのは、長屋の前だった。木造の建物が四軒分連なって建っている。その一つに、椿と書かれた小さな木の札が掛かっている家があった。ほんの少し、このまま本殿へ連れて行かれるのではないか、と考えていたからほっとした。

「ここは、寧々さんの家ですか」
「そうやよ。さあ、入って」
 中に入って、畳に座り込んで、ようやく力が抜けた。どうして、こんなことに……。

「あさぎちゃん」
「寧々さん、私は本当に――」
「あたしな、琥珀から自分と反対の行動を取って欲しいて頼まれたんよ」
「え? それはどういう……?」

 寧々の言う意味が分からず、あさぎはますます混乱する。寧々は、まずは温かいお茶でも飲もうか、と言ってお茶を淹れてくれた。温かい湯呑みを手渡されて、気持ちが落ち着いてきた。

「まず、あの通達を読んで、黄昏座の中に間者がおることは確定したんよ」
「私じゃないです!」
「分かっとるよ」
 子どもをあやすように、優しく頭を撫でられた。あさぎはこくりと頷いて、続きを聞かせて欲しいと示した。

「あさぎちゃんの存在自体は、この間、代役をしたから知っとる者はまあまあおる。でも、記憶がないことを知っとるのは、座員だけや」
「!」
「つまり、座員の中に繋がっとる者がいるのは確かなんよ。それに、もし仮にあさぎちゃんが本殿と繋がっとるなら、あさぎちゃんに直接戻ってくるように命令すればええ話なんよ。今まで座員に気付かれんようにやり取りしてたんなら、簡単や」

「確かに……」
「そもそも、間者を入れるなら記憶喪失の者はあまりに不自然や。芝居小屋に送り込むんやったら、演技がそれなりに出来て、すぐに馴染める者を送り込んだ方がええからな」
 寧々の話には納得した。だが、それが琥珀と寧々が反対の行動を取ることと、どう繋がるのか。

「誰が間者か分からん、この状況で、なぜかあさぎちゃんを引き渡すように要求してきた。あさぎちゃんを黄昏座に置いておくのは危険やと、琥珀は判断したんや。一刻も早く、間者から引き離そうとして、あんな方法になったみたいやけど」
「じゃあ、琥珀は――」
「あさぎちゃんを守ろうとしとるんよ。急を要するとはいえ、ちょっとやり方が乱暴やったけどな。全く……」

 あさぎの頬にすっと雫が一筋流れ落ちた。頬から手の甲に雫が落ちてきてから、あさぎは自分が涙を流していたことに気が付いた。琥珀に疑われ黄昏座から追い出された時は、もう何もかも壊れたと思った。世界があさぎの全てを否定したかのようだった。でも、琥珀は、あさぎを信じてくれていた。守ろうとしてくれていた。

「……っ」
「あらら、こんな可愛い子を泣かせるやなんて、後で琥珀には、きつく言うておかな」
「ちが、安心、して……」
「それでも琥珀が泣かしたのには変わらんやろ」

 寧々は、あさぎから冷めた湯呑みを引き取ると、新たにお茶を淹れてくれる。その背中を見つめていて、琥珀と寧々の阿吽の呼吸とも言える行動に、感心するとともに、少なからず嫉妬をした。誰が間者か分からない状態でも、琥珀は寧々のことは少しも疑わなかったということ。

 緊急事態の今、妬くなんてあり得ない。でも、琥珀と寧々は分かりあっていると言った花音の言葉が反芻して、こんなことばかりが頭に浮かぶ。

「琥珀は、寧々さんのことを凄く信頼してるんですね」
 つい、声に出してしまっていた。あさぎは、言ったことが取り消せるわけでもないのに、口に手を当てて、首を横に振った。

「ごめんなさい、何でもな――」
「そうやなあ、信頼というか、本殿と繋がっとるなんてあり得へん、と確信しとるだけやと思うよ」
「……寧々さんも、本殿を信用していないんですか」
 寧々は、眉を下げて微笑んでみせた。それは、肯定を意味していた。

「少し、昔話をしてもええかな。黄昏座が出来た時のこと」
 再び温かいお茶に満ちた湯呑みを受け取って、あさぎはこくりと頷く。窓の外はもう暗くなっていた。今日は初めて芝居小屋以外で過ごす夜となりそうだ。

「初代支配人は、ある学者やって話は覚えとる?」
「はい」
「その学者の名前はかい。あたしは、魁の助手をしてたんよ。まだ東京が江戸やった頃、まあ今思えば明治の世がすぐそこまで迫ってきとった時期やね。魁は、いち早く妖の畏怖が減少するやろうことに、気が付いとった」

 畏怖を周知と改めて、怖がらせるのではなく、妖の名前を知らせることを優先すべきという提唱。江戸から明治に変わる時、それに気が付いた妖は、そう多くはなかっただろう。

「そのために、芝居小屋を立ち上げたんよ。あたしは、ずっとその補佐をしてきた。あの人の言うことは、これからの妖にとって必要やと思うたから」

 寧々が、懐かしむような慈しむような表情で、あの人、と口にした。寧々が時々口にしていた、あの人とは魁のことなのだろう。寧々に赤が似合うと言った、その人。

「寧々さんは、その魁さんのことが、好きですか?」
「えっ。ふふっ、そうやね。大事な人や、誰よりも。でも魁は、研究に夢中で前ばかり見て、隣にいるあたしのことは、全然見てくれんかったなあ」
 不満を口にしているのに、寧々の表情からは慈愛が溢れていた。寧々にとって、本当に大切な人なのだと伝わってくる。

「それでも、力になりたいと思うてた。今のよりも、もっともっと小さい芝居小屋が完成した時、名前を決めようてなってな、あの人、真面目な顔して『逢魔が時の芝居小屋』がいいやないかって言うたんよ」

 今思い出してもおかしい、と言いながら、寧々は言葉を切った。
 逢魔が時、というのは、昼と夜の間、夕方の時間帯のことで、人間にとっては恐ろしい時間帯であり、妖が一番活動しやすい時間帯と言われている。

「妖のため、って言いたかったんやろうけど、さすがに芝居小屋の名前には向いてへんて言うたわ。だから、同じ意味合いの黄昏、黄昏座はどうかって提案したんよ。そしたら、目から鱗が落ちたみたいな顔して、楽しそうに『それだ!』って叫んでたなあ」
「黄昏座の命名は、寧々さんだったんですか」
「そうやよ。魁は、頭は良かったけど、なんというか、センスが微妙やったな」
 寧々は、目を細めて窓の外にある月を見上げていた。その視線の先にはその頃の思い出が見えているのかもしれない。

「嬉しかったなあ……。魁と作ったものに、あたしが名前を付けて」
「私も会ってみたいです。その、魁さんは今どこに?」
「……」

 寧々は、何も答えず、自分の分のお茶を一口すすった。
 そういえば、魁が初代支配人だとしたら、二代目の支配人は誰なのだろう。寧々は、自分のことを、支配人『代理』と言っている。寧々が二代目ではないのか。そこまで考えて、思い出した。寧々はこう言っていたはずだ。――いずれ、琥珀が支配人になるけどな。あたしはそれまでの代理やよ、と。

「寧々さん」
「なに?」
「魁さんは、なんの妖ですか?」
「それを聞くってことは、ほとんど気付いとるんやない? 魁は、九尾の狐。琥珀の叔父にあたるんよ」

 あさぎは、息を呑んだが、どこか納得した。琥珀の叔父が黄昏座を作った。そして琥珀はそれを受け継いで、妖を救おうとしているのだ。

「琥珀が幼い頃から、魁を通じてよく会ってたからな、あたしのことも親戚の叔母さんのように思うてるんやよ。信頼というか、付き合いの長さやね」
「……魁さんと、本殿は何かあったんですか」

 寧々と初代支配人、そして琥珀との関係は分かった。だが、どうして寧々が本殿を信用していないかの答えにはなっていない。おそらくだが、琥珀も本殿を信用していない。魁を中心とした物語には、まだ続きがあるはず。そしてそれが、今の琥珀に繋がっている。

「あたしが勝手に話してええのは、ここまで。この先は、琥珀から直接聞くべきや。中途半端でごめんな」
「いえ」
「今日はもう寝よか」

 寧々は、話を打ち切って立ち上がり、布団の準備を始めた。あさぎもそれを手伝うが、頭の中は、琥珀への問いかけが現れては消えていた。
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