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1章 召喚編
9. 成人祝い
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何度か浄化の旅に行き、王城に戻ってくると、お願いしていた理沙ちゃんのドレスが出来上がっていた。
「政子さん、これ……」
「成人のお祝いよ。振袖は無理だけど、ドレスを着て絵を描いてもらいましょう」
浄化の旅の途中に18歳のお誕生日を迎えた理沙ちゃんのために作ってもらった、帯に見立てた切り替えのあるクリーム色をベースに赤やゴールドの花が散ったドレスだ。
家族写真を描いてもらった時に、私の留袖をドレス風に描いてくれたあの絵を参考にして、着物テイストを取り入れたドレスを仕立ててもらったのだ。和っぽくなるように、生地選びも立ち会った。袖のフリルがちょっと長くなっているのは、私が簡単に振袖の絵を描いて見せたから、それをデザインに取り込んでくれたのだろう。
一年の日数が違うので正確には分からないけど、多分今頃が誕生日なのだと馬車の中で聞いた時から、ローズと相談して準備していたので、喜んでいる理沙ちゃんを見て、ローズも私も笑顔になる。
さっそくローズに着付けてもらうと、理沙ちゃんにぴったりでとっても似合っていた。あの時の画家を呼んで、絵を描いてもらおう。
「政子さんのドレスはないんですか?」
「ないわよ」
「ええー、せっかくだからあの着物風のドレスを作ってもらって、一緒に描いてもらいましょうよ。政子さんはこの世界でのお母さんだから」
理沙ちゃんがローズにお願いしているので、私のドレスができてから一緒に描いてもらうことになりそうだ。
女子高生と並ぶなんて、お肌のはりが残酷なほどに差が出るんだけど、むしろ写真じゃないからそこは上手くごまかしてくれることを期待しよう。きっと美肌モードなんて目じゃないくらいに綺麗にしてくれると信じている。
絵を描いてもらうのは後日なので、今日は振袖代わりのドレスを着て、理沙ちゃんの好きなお菓子を並べて、小さなガーデンパーティーだ。
浄化の旅で仲良くなった騎士の女の子たちを呼んである。
今回同行した子たちは見習いなので、何かあった時の対応は男性の騎士頼みで、いざという時に、外の騎士が入ってくるまで時間を稼ぐ係らしい。お城ではないので、さすがに部屋の中に警護がだれもいないというのは安全が保障できないからダメだと言われ、彼女たちが部屋の中で警護に当たっていた。
理沙ちゃんは、この世界で初めて会った年齢の近い子が身近にいることが嬉しくて、友達のように話しかけていた。
最初は戸惑っていたその子たちも、聖女様の意向に沿うようにと上から言われたようで、慣れてきてからは友達のように接してくれていた。
年頃の女の子とお菓子が揃えば、始まるのは恋愛の話だ。どの騎士がかっこいいか、どこそこの伯爵令息がイケメンだと盛り上がっている。
「若いっていいわねえ」
「まぶしいですねえ」
「貴女もあっちに交ざっていいのよ?」
ローズはおそらく20代後半くらいなんじゃないかと思うので、あちらで一緒にきゃーきゃー言ってもいいと思う。
けれど、私は顔よりも財力ですね、とかなり現実的なことを言っているので、交ざるのは性格的に無理かもしれない。
そのとき、王太子が近づいてきた。騎士たちが立ち上がり、ローズは私の横で頭を下げている。
「聖女様!とてもきれいです!」
「成人のお祝いに政子さんが作ってくれました」
「なんと。成人されたのですね。でしたら、成人祝いのパーティーを大々的に開きましょう!」
「大々的とかはちょっと……」
理沙ちゃんが嫌がっているのに気付かず、ぜひ大勢にこのお姿を見てもらいましょう、とかぬかしている。間違えた、言っている。苛立ちでちょっと口が悪くなってしまった。
理沙ちゃんは乗り気ではないのに引こうとしない王太子に、イライラが募る。
さらに椅子を勧めてもいないのに勝手に席に着こうとしているので、追い返そう。
「本日はご遠慮ください」
「では後日パーティーを開きましょう」
「お祝いは身内だけで行います。大体的なパーティーなど、お嬢様は参加されません」
「何故です。聖女様を一目でも見たいという人はたくさんいるのですよ」
「とにかく今日はお引き取り下さい」
どこまでお花畑なんだ。王太子がこれでこの国の将来は大丈夫なのか心配になる。
王太子が理沙ちゃんたちの視界から外れたところで、王様への取次ぎをお願いするものの、私が対応すると言って取り次いでくれない。貴方が全く頼りにならないから言っているんです。ごちゃごちゃ言わずに取り次いでよ。
どういうことだ、とあれこれ言っている王太子ではらちが明かないので、王太子は無視して後ろのお付きに今すぐ王様に取り次ぐようにとしつこく言っていたら、王様に会えることになった。
私が切れかけていることに、お付きは気づいたらしい。
「政子さん、これ……」
「成人のお祝いよ。振袖は無理だけど、ドレスを着て絵を描いてもらいましょう」
浄化の旅の途中に18歳のお誕生日を迎えた理沙ちゃんのために作ってもらった、帯に見立てた切り替えのあるクリーム色をベースに赤やゴールドの花が散ったドレスだ。
家族写真を描いてもらった時に、私の留袖をドレス風に描いてくれたあの絵を参考にして、着物テイストを取り入れたドレスを仕立ててもらったのだ。和っぽくなるように、生地選びも立ち会った。袖のフリルがちょっと長くなっているのは、私が簡単に振袖の絵を描いて見せたから、それをデザインに取り込んでくれたのだろう。
一年の日数が違うので正確には分からないけど、多分今頃が誕生日なのだと馬車の中で聞いた時から、ローズと相談して準備していたので、喜んでいる理沙ちゃんを見て、ローズも私も笑顔になる。
さっそくローズに着付けてもらうと、理沙ちゃんにぴったりでとっても似合っていた。あの時の画家を呼んで、絵を描いてもらおう。
「政子さんのドレスはないんですか?」
「ないわよ」
「ええー、せっかくだからあの着物風のドレスを作ってもらって、一緒に描いてもらいましょうよ。政子さんはこの世界でのお母さんだから」
理沙ちゃんがローズにお願いしているので、私のドレスができてから一緒に描いてもらうことになりそうだ。
女子高生と並ぶなんて、お肌のはりが残酷なほどに差が出るんだけど、むしろ写真じゃないからそこは上手くごまかしてくれることを期待しよう。きっと美肌モードなんて目じゃないくらいに綺麗にしてくれると信じている。
絵を描いてもらうのは後日なので、今日は振袖代わりのドレスを着て、理沙ちゃんの好きなお菓子を並べて、小さなガーデンパーティーだ。
浄化の旅で仲良くなった騎士の女の子たちを呼んである。
今回同行した子たちは見習いなので、何かあった時の対応は男性の騎士頼みで、いざという時に、外の騎士が入ってくるまで時間を稼ぐ係らしい。お城ではないので、さすがに部屋の中に警護がだれもいないというのは安全が保障できないからダメだと言われ、彼女たちが部屋の中で警護に当たっていた。
理沙ちゃんは、この世界で初めて会った年齢の近い子が身近にいることが嬉しくて、友達のように話しかけていた。
最初は戸惑っていたその子たちも、聖女様の意向に沿うようにと上から言われたようで、慣れてきてからは友達のように接してくれていた。
年頃の女の子とお菓子が揃えば、始まるのは恋愛の話だ。どの騎士がかっこいいか、どこそこの伯爵令息がイケメンだと盛り上がっている。
「若いっていいわねえ」
「まぶしいですねえ」
「貴女もあっちに交ざっていいのよ?」
ローズはおそらく20代後半くらいなんじゃないかと思うので、あちらで一緒にきゃーきゃー言ってもいいと思う。
けれど、私は顔よりも財力ですね、とかなり現実的なことを言っているので、交ざるのは性格的に無理かもしれない。
そのとき、王太子が近づいてきた。騎士たちが立ち上がり、ローズは私の横で頭を下げている。
「聖女様!とてもきれいです!」
「成人のお祝いに政子さんが作ってくれました」
「なんと。成人されたのですね。でしたら、成人祝いのパーティーを大々的に開きましょう!」
「大々的とかはちょっと……」
理沙ちゃんが嫌がっているのに気付かず、ぜひ大勢にこのお姿を見てもらいましょう、とかぬかしている。間違えた、言っている。苛立ちでちょっと口が悪くなってしまった。
理沙ちゃんは乗り気ではないのに引こうとしない王太子に、イライラが募る。
さらに椅子を勧めてもいないのに勝手に席に着こうとしているので、追い返そう。
「本日はご遠慮ください」
「では後日パーティーを開きましょう」
「お祝いは身内だけで行います。大体的なパーティーなど、お嬢様は参加されません」
「何故です。聖女様を一目でも見たいという人はたくさんいるのですよ」
「とにかく今日はお引き取り下さい」
どこまでお花畑なんだ。王太子がこれでこの国の将来は大丈夫なのか心配になる。
王太子が理沙ちゃんたちの視界から外れたところで、王様への取次ぎをお願いするものの、私が対応すると言って取り次いでくれない。貴方が全く頼りにならないから言っているんです。ごちゃごちゃ言わずに取り次いでよ。
どういうことだ、とあれこれ言っている王太子ではらちが明かないので、王太子は無視して後ろのお付きに今すぐ王様に取り次ぐようにとしつこく言っていたら、王様に会えることになった。
私が切れかけていることに、お付きは気づいたらしい。
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