願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい

戌葉

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学園編

154. オレの評価

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 王子様たちを会議室まで送って戻ると、お兄さんのお小言が待っていた。

「ウィオラス、旅先ではいいが、ここでは発言には気をつけなさい。誰かに聞かれていたら、大事になりかねない」
「はい。以後気をつけます」

 学園長であり、そしてオレの加護を持つウィオに、こうして苦言を呈してくれるのは家族だけだ。ウィオも反省しているし、今後はもう少し慎重になるだろう。

『ウィオのうっかりはさておき、魔眼の子の能力はどこからもれたのかな?』
「ずっと隠していたようだから、おそらく身近な人間からだとは思うが……」
「カミラを売るつもりなどではなく、もれた可能性もあるだろうから、特定は難しいかもしれないな」

 悪意を持ってリークしたなら調査で分かりそうだが、それこそうっかり口に出したのがその情報の価値を知る者に聞かれてしまったのだったら、それがどこで誰になのか、はっきりさせることは困難だ。そこは宰相が調べているというけれど、成果は期待できないかもしれない。

「けれど、滅びたとは穏やかではないですね」
『ああやって教えてくれたってことは、今回のことにフェゴは関わっていないってことだよね?』
「そうだろうね。少しでも可能性があるなら、殿下が知らせてくださるはずはないだろう」
「ライが言いたかったのは、他の国にもそういう一族がいてもおかしくない、ということでしょうね」

 なんだかきな臭いな。
 フェゴの一族は滅びたけれど、他の国にも同じような一族がいて、暗躍しているのかもしれない。
 魔力が見えるなら、オレの透明化がバレたように、こっそりと秘密裏に魔法で対策されているものも、分かってしまう。お城に張り巡らされている防御のための魔法も、きっと見えてしまうのだ。権力者たちからすると、敵に回したくない能力だ。

「ルジェの魔法を見破れるなら、神とのつながりを持つと言われるのも納得です」
「神の魔法すら破るとなると、やっかいだね」
『ん? オレの魔法は見破れないよ?』
「そうなのか?」
『あれ? 言ってなかったっけ?』
「じゃあなんでカミラに見つかったんだ?」
『うーん、一言で言うなら、面倒だったから』

 ウィオもお兄さんも、そんなあきれた目で見ないでよ。
 あのときは、人間の視覚に影響する光だけを透過したから、魔力でバレた。まさか、魔力が見える人間がいるなんて、思わなかったんだもん。
 魔力だって神力だって、本気になれば隠してしまえる。たとえばドラゴンから隠れようと思うなら、すべてを隠す必要がある。あのドラゴン、スペックだけは高いからね。そして、オレはそのドラゴンだってあざむけるのだ。
 オレの能力が過小評価されていて、ちょっとくやしいぞ。いつもは可愛い飼い狐になりきっているだけで、本当は高い能力を隠し持つとっても優秀な狐なのに。
 隣に座るウィオの足を尻尾でぺしっとたたくと、「いたずらはやめろ」とソファからおろされた。いたずらじゃないのに。飼い狐の扱いがひどいよ。ここは優しくしてくれそうな人のところに行こう。
 お姫様の隣、ソファの空いているところに飛び乗って、お座りをしてなで待ちをする。なでてほしいなー、と見上げていたら、ふわりと広がったスカートが当たらないように押さえながら、優しく首元をなでてくれた。ありがとね。

「とにかく、彼女が何ができて何ができないのかは詳しく知りたいが、学園の教師であっても、すべてを公表するのはよくないのかもしれないな」
「ますます狙われることになりかねませんね」

 能力を公にしたことで、いま以上に警備を厳重にしたほうがいいかと話している。王都に帰るまでは、気にしなくていいけど、その先は気をつけたほうがいいかもね。なんで王都に帰るまでは平気かというと、オレがお姉ちゃんの安全を気にかけているからだ。お屋敷への魔王再降臨は、なんとしても阻止しないと。

『あの子はこのまま王都の学校に通うの?』
「いまのところその予定だよ。宰相のご令嬢がいらっしゃるから、学校で孤立することもないだろう。魔術塔の協力も得られることになっている」

 だったら、困ることが起きない限りは、いまのままの環境がいい。ただでさえ隠していたことを公にして、周りの人たちの対応が変わる可能性があるのだ。いろんなことを一度に変えないほうがいいと思う。公爵家の縦ロールお嬢様と一緒なら、警備もしやすいだろう。

「ルジェの正体は知らせるべきでしょうか?」
「神獣の加護を持つから、他の使役獣とは違うと認識しているようだから、聞かれない限りはいいだろう」
『キャン』

 おそらく小さいころから人には見えないものが見えていただろうから、そういうことを口に出すのは慎重になっていたはずだ。それなのに、あの誘拐現場でオレが見えると言ったのは、いままで自分にしか見えない動物がいるという経験がなかったから、他の人にも見えると疑わなかったのだ。そして、その理由を神獣の加護だと解釈し、納得しているのなら、こちらから知らせる必要もない。いずれ疑問に思って聞いてきたら、教えてあげよう。
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