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学園編
153. 過去の一族
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なんだか含みのある情報に、ウィオは王子様たちを学園長室へと誘った。
「義姉上、少し話したいことがありますので、子どもたちをお願いします」
「分かりました。フェゴの方々、とても素晴らしい魔法と剣をご披露いただきありがとうございました。カミラさん、昼食に行きましょう」
お義姉さんは王子様に簡単なあいさつを済ませると、子どもたちを連れて部屋を出た。
部屋にお兄さんとお姫様、王子様と幼なじみ、そしてウィオとオレだけになったところで、お兄さんたちが立ち上がり、頭を下げた。
「ライオネル殿下、ネウラへのご来訪、誠にありがとうございます」
「ネウラ領主殿、ここでは冒険者として接してほしい」
「畏まりました」
お兄さんは昨日から、王子様をもてなさなくていいのかと気にしていたから、周りの目がなくなったいま、本来王族に対して取るべき態度で接しようとした。けれど、お互い身分は気にせず対等に話すことになり、全員がソファに座る。オレはウィオの横でお座りだ。
「それでウィオラスが聞きたいのは、あの子どもと同じ能力を持つ一族のことだな」
「ああ。兄上、フェゴには、カミラのような能力を持った一族が、かつていたそうです」
「そうでしたか。情報をありがとうございます。ですが、なぜここに?」
「ライ、あの場で言えない何かがあるんだろう?」
はっきりと言わなかったということは、オレたち以外には知られたくない、何かがあるのだ。
「その一族は、祝の一族と呼ばれていた。神と人をつなぐ一族という意味だそうだ」
「神とのつながり、か」
「だが、先の王朝時代に滅んだとされている」
うーん、魔眼は別に神様が特別に与えた能力ではないと思うけれど、そう考えたくなる気持ちも分かる。
そして、滅びた一族ということは、その能力を目当てにいいように使われたか、その能力を恐れて狩られたか、どちらかだろう。あまりいい歴史じゃないことは確かだ。
過去の王朝のこととはいえ、自国の暗い歴史を知らせてくれるとは、ちょっと意外だな。
『見返りに何か情報がほしいのかな? 少しならあげてもいいよ』
「ルジェくん、それは」
『その一族が神の加護をもらっていたかどうかは、オレには分からないけど』
あの誘拐事件の真相は、いまだに分かっていない。なぜ、魔眼が必要だったのかは、不明なままだ。なんのために、だれから狙われているのかも分からないから、守りようがない。だから、思い切ってこうして魔眼の能力を公開したのだ。情報が集まることを期待して。
貴重な情報を知らせてくれるのなら、こちらも少しは情報を開示するべきだ。ギブアンドテイク。何をどれくらいかは、こういうことに慣れていそうなお兄さんに任せよう。
「ライ、何が知りたい?」
「どういうことだ?」
「ルジェに何か聞きたいことがあるから、王族にしか知らされていない情報を教えてくれたんじゃないのか?」
「ウィオラス、やめろ!」
俺の意図に反して、ウィオは直球でたずねた。お兄さんが止めたけど、ちょっと遅かったよね。
そんなふうに聞かれたら、王子様は何も質問できない。質問してしまえば、オレを利用することになる。そうなれば、いくら王子ではなく冒険者が勝手をしたと言い張っても、オレの怒りがフェゴの国に向きかねない。
別の見方をすれば、選択肢がない質問の仕方をしたことで、ウィオがフェゴの国にけんかを売っているとも取れる。
お兄さんは王子様の機嫌を損ねることを危惧し、幼なじみはここで返答を間違うわけにはいかないと緊張しているのに対して、王子様は苦笑し、お姫様は「あらあら」とできの悪い子を見守るように笑っている。ウィオのやらかしに対する態度の温度差が激しい。王族はどんなときも落ち着いてどっしりとかまえておくのが鉄則なのかな。
だけどウィオは王子様に甘えすぎだと思う。過去のやり取りから考えて、王子様ははっきりとした物言いを気にしないだろうし、むしろそのほうが話が早くて済むと思っていそうだけど、それを知っているのはオレたちだけだ。
「そうだね。もし可能なら、ドラゴンの動向は知りたいな。ウィオラスが訪ねたころに、ドラゴンが大きく動いただろう? フェゴへの影響が出るのではないかと、国境付近は警戒していてね」
「私たちが訪ねた影響は、もうない」
「そうか。それを聞いて安心したよ」
あのときドラゴンが寝床を出たのはオレたちがタイロンに行ったからで、その後はのんびりしている。そんなことは王子様だって分かっているだろうから、これはウィオのうかつな質問を丸く収めるために、わざと当たり障りのないことを聞いてくれたのだろう。
『お兄さん、魔眼の子の能力は、神様の仕業ではないよ。たまたま発現しただけ。それは教えてあげてもいいとオレは思うけど、判断は任せる』
「ルジェくん?」
『模擬戦がすばらしかったから、ごほうび』
お兄さんたちの結婚式のあとフェゴに帰ったと思ったら、またネウラに来て、さらに模擬戦まで披露してくれた。移動だけでも大変だっただろうから、それくらいはね。ひいきしているって言われちゃうかもしれないけどさ。
「ライ殿、貴重な情報、感謝します」
「お役に立つ情報だといいのですが」
「カミラは可愛い姪の友人です。珍しい能力を持つがために今後何かに巻き込まれないよう、こうして情報を集めています。言い伝えのように神の恩寵があればよかったのですが」
「それはお嬢様もご心配でしょう。フェゴに戻りましたら、いま一度調べてみます」
そうそう、こういういかにも貴族っぽい、遠回しなやり取りをオレは期待してたんだよ。聞いているほうとしてはじれったくて、要点を簡潔にと言いたくなるけど。
オレが解決に手を貸すのは、お姉ちゃんが巻き込まれたからであって、魔眼の子の能力が理由じゃない。あの子がなんの能力を持っていなかったとしても、狙われているなら助けた。お友だちに何かあって、お姉ちゃんが悲しむのは見たくないからね。お兄さんはそのこともほのめかしてくれた。百点満点だよ。
ソファから飛び降り、王子様と幼なじみの足元を歩いて通り抜ける。そのときに尻尾で足に軽くふれてから、お兄さんの膝へ飛び乗った。
「ルジェくんは、二人の模擬戦をとっても楽しんでいたね」
『キャン』
「それは光栄です」
お兄さんがなでてくれるから、手にすり寄っていたら、ひっくり返されてお腹をわしゃわしゃされる。ウィオのうっかりのフォローをしてくれたから、好きなだけなでるといいよ。
執事さんがいたら、お客様の前でその態度はどうなんだって怒られそうだけど、今回のやり取りについてオレは何も気にしていないという表明なので、許して。
「義姉上、少し話したいことがありますので、子どもたちをお願いします」
「分かりました。フェゴの方々、とても素晴らしい魔法と剣をご披露いただきありがとうございました。カミラさん、昼食に行きましょう」
お義姉さんは王子様に簡単なあいさつを済ませると、子どもたちを連れて部屋を出た。
部屋にお兄さんとお姫様、王子様と幼なじみ、そしてウィオとオレだけになったところで、お兄さんたちが立ち上がり、頭を下げた。
「ライオネル殿下、ネウラへのご来訪、誠にありがとうございます」
「ネウラ領主殿、ここでは冒険者として接してほしい」
「畏まりました」
お兄さんは昨日から、王子様をもてなさなくていいのかと気にしていたから、周りの目がなくなったいま、本来王族に対して取るべき態度で接しようとした。けれど、お互い身分は気にせず対等に話すことになり、全員がソファに座る。オレはウィオの横でお座りだ。
「それでウィオラスが聞きたいのは、あの子どもと同じ能力を持つ一族のことだな」
「ああ。兄上、フェゴには、カミラのような能力を持った一族が、かつていたそうです」
「そうでしたか。情報をありがとうございます。ですが、なぜここに?」
「ライ、あの場で言えない何かがあるんだろう?」
はっきりと言わなかったということは、オレたち以外には知られたくない、何かがあるのだ。
「その一族は、祝の一族と呼ばれていた。神と人をつなぐ一族という意味だそうだ」
「神とのつながり、か」
「だが、先の王朝時代に滅んだとされている」
うーん、魔眼は別に神様が特別に与えた能力ではないと思うけれど、そう考えたくなる気持ちも分かる。
そして、滅びた一族ということは、その能力を目当てにいいように使われたか、その能力を恐れて狩られたか、どちらかだろう。あまりいい歴史じゃないことは確かだ。
過去の王朝のこととはいえ、自国の暗い歴史を知らせてくれるとは、ちょっと意外だな。
『見返りに何か情報がほしいのかな? 少しならあげてもいいよ』
「ルジェくん、それは」
『その一族が神の加護をもらっていたかどうかは、オレには分からないけど』
あの誘拐事件の真相は、いまだに分かっていない。なぜ、魔眼が必要だったのかは、不明なままだ。なんのために、だれから狙われているのかも分からないから、守りようがない。だから、思い切ってこうして魔眼の能力を公開したのだ。情報が集まることを期待して。
貴重な情報を知らせてくれるのなら、こちらも少しは情報を開示するべきだ。ギブアンドテイク。何をどれくらいかは、こういうことに慣れていそうなお兄さんに任せよう。
「ライ、何が知りたい?」
「どういうことだ?」
「ルジェに何か聞きたいことがあるから、王族にしか知らされていない情報を教えてくれたんじゃないのか?」
「ウィオラス、やめろ!」
俺の意図に反して、ウィオは直球でたずねた。お兄さんが止めたけど、ちょっと遅かったよね。
そんなふうに聞かれたら、王子様は何も質問できない。質問してしまえば、オレを利用することになる。そうなれば、いくら王子ではなく冒険者が勝手をしたと言い張っても、オレの怒りがフェゴの国に向きかねない。
別の見方をすれば、選択肢がない質問の仕方をしたことで、ウィオがフェゴの国にけんかを売っているとも取れる。
お兄さんは王子様の機嫌を損ねることを危惧し、幼なじみはここで返答を間違うわけにはいかないと緊張しているのに対して、王子様は苦笑し、お姫様は「あらあら」とできの悪い子を見守るように笑っている。ウィオのやらかしに対する態度の温度差が激しい。王族はどんなときも落ち着いてどっしりとかまえておくのが鉄則なのかな。
だけどウィオは王子様に甘えすぎだと思う。過去のやり取りから考えて、王子様ははっきりとした物言いを気にしないだろうし、むしろそのほうが話が早くて済むと思っていそうだけど、それを知っているのはオレたちだけだ。
「そうだね。もし可能なら、ドラゴンの動向は知りたいな。ウィオラスが訪ねたころに、ドラゴンが大きく動いただろう? フェゴへの影響が出るのではないかと、国境付近は警戒していてね」
「私たちが訪ねた影響は、もうない」
「そうか。それを聞いて安心したよ」
あのときドラゴンが寝床を出たのはオレたちがタイロンに行ったからで、その後はのんびりしている。そんなことは王子様だって分かっているだろうから、これはウィオのうかつな質問を丸く収めるために、わざと当たり障りのないことを聞いてくれたのだろう。
『お兄さん、魔眼の子の能力は、神様の仕業ではないよ。たまたま発現しただけ。それは教えてあげてもいいとオレは思うけど、判断は任せる』
「ルジェくん?」
『模擬戦がすばらしかったから、ごほうび』
お兄さんたちの結婚式のあとフェゴに帰ったと思ったら、またネウラに来て、さらに模擬戦まで披露してくれた。移動だけでも大変だっただろうから、それくらいはね。ひいきしているって言われちゃうかもしれないけどさ。
「ライ殿、貴重な情報、感謝します」
「お役に立つ情報だといいのですが」
「カミラは可愛い姪の友人です。珍しい能力を持つがために今後何かに巻き込まれないよう、こうして情報を集めています。言い伝えのように神の恩寵があればよかったのですが」
「それはお嬢様もご心配でしょう。フェゴに戻りましたら、いま一度調べてみます」
そうそう、こういういかにも貴族っぽい、遠回しなやり取りをオレは期待してたんだよ。聞いているほうとしてはじれったくて、要点を簡潔にと言いたくなるけど。
オレが解決に手を貸すのは、お姉ちゃんが巻き込まれたからであって、魔眼の子の能力が理由じゃない。あの子がなんの能力を持っていなかったとしても、狙われているなら助けた。お友だちに何かあって、お姉ちゃんが悲しむのは見たくないからね。お兄さんはそのこともほのめかしてくれた。百点満点だよ。
ソファから飛び降り、王子様と幼なじみの足元を歩いて通り抜ける。そのときに尻尾で足に軽くふれてから、お兄さんの膝へ飛び乗った。
「ルジェくんは、二人の模擬戦をとっても楽しんでいたね」
『キャン』
「それは光栄です」
お兄さんがなでてくれるから、手にすり寄っていたら、ひっくり返されてお腹をわしゃわしゃされる。ウィオのうっかりのフォローをしてくれたから、好きなだけなでるといいよ。
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