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4章 2年目の中年レーサー
第42話 新しい仲間
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レース後、先にゴールしていた木野さんに合流する。
「残念ながら4位でしたよぉ。折角得意な上りが多いレースに参加したのに申し訳ない」
「凄いじゃないですか、私は10位ですよ。集団についていくのがやっとでしたからね」
「中杉さんも凄いじゃないですか。苦手な上りのレースで集団についていけるのは凄いですよ」
「そう言ってもらえると嬉しいですよ。さて、南原さんが待っていると思うから戻りますか」
「そうですね。レースの写真も楽しみですからねぇ」
「そうだな。写真撮影と応援に来てくれたお礼を言わないとな」
私は木野さんと一緒に南原さんがいる荷物を置いた場所に向かった。
目的の場所に着くと、南原さんは直ぐに見つかった。
体格が良いから目立つな。
だが、隣にいる女性は誰だろう?
「えっ、あぁ、猛士さんと木野さんレース終わったのですか?」
私達に気付いた南原さんが慌てる。
「堅司さん、お知り合いですかっ?」
隣の若い女性が南原さんに話しかけた。
どうやら知り合いのようだな。
しかも、かなり親しい相手に見える。
「あの、はい、自分のチームリーダーとチームメイトです」
「初めまして、鈴木ひまりです」
「チームリーダーの中杉猛士です」
「木野です」
若い女性が名乗ったので、私と木野さんも名乗る。
「リーダーさんも強そうですね。スプリンターですか?」
「スプリンターなのは合っているけど強くはないよ。私より木野さんの方が強いサイクリストだよ」
「いやぁ、僕なんてまだまだ初心者ですよ」
「ふーん、そうなんですか」
鈴木さんは木野さんには興味なさそうだ。リーダーさんもと言う事は南原さんも強そうって意味か……彼女が言う強そうは、レースが速いではなく体格の事か?
「あの、猛士さん。ひまりちゃ……鈴木さんを仲間に入れても良いでしょうか?」
南原さんが鈴木さんを私達のチームに入れても良いか聞いて来た。
しかも、南原さんが鈴木さんではなく『ひまりちゃん』と言いかけたな。
若いのにいつも冷静な南原さんが狼狽えるところが見れるのは面白い。
「ひまりちゃんが希望するなら大歓迎だよ」
「ありがとう御座いますリーダーさん!」
私は南原さんをからかう為に、わざと『ひまりちゃん』と呼んだ。
赤面しながら硬直する南原さん。少し意地悪し過ぎたかな。
後は問題行動を起こす様には見えないが、念のために注意喚起しておこう。
交通ルール守らない等で、他のメンバーに迷惑がかかるといけないかなら。
「問題ないと思うけど、他の人に迷惑をかけない事は守ってくれ」
「はいっ!」
ひまりちゃんが元気よく返事をした。
嬉しそうにしているが、何を考えて私のチームに所属したいと思ったのだろう?
レースをする人には見えないけど。
「ところで、ひまりちゃん何をしたいのかな。まぁ、何をしたいと言うのも変だが希望を聞いておこうと思って」
再び『ひまりちゃん』と呼んだのは途中で呼び方を変えるのは変だからだ。
「レースチームだからレースに参加するのが目的じゃないんですか?」
「メインの目的はレースだけど、活動をレースに限定はしていないな。普段サイクリングに行く仲間でもあるからな」
「そうですよ。今日の南原さんみたいにレースの撮影を楽しむのもありですから」
木野さんの『撮影』の言葉を聞いて、南原さんが気まずそうな顔をする。
まさか、南原さんは……
「そうなんですか。堅司さんの写真見たい!」
ひまりちゃんが興味津々でレース写真を見たいと催促する。
「写真は後で良いと思うよ。ひまりちゃんと話したい事もあるから」
嫌な予感がした私は話を逸らそうとした。
「焦らさないで下さいよ。僕も早く写真見たいな。SNSのグループに写真をアップするのはどうかな」
木野さんも写真が見たいと催促する。
「SNSのグループ、私も参加したい!」
木野さんがSNSのチームグループの話題を出したから、ひまりちゃんが興味を持った。
南原さんの写真に不安を感じたが、ひまりちゃんをSNSのグループに招待した。
その後、南原さんが渋々今日のレース写真をアップロードした。
「あの、これ、僕ですか……」
上り坂の頂点で撮影したのだろう。
だが、映っているのは木野さんの上半身だけで自転車は映っていない。
カメラアングルが悪く、木野さんの上半身が地面から生えている様にしか見えないのだ。
ハッキリ言えば、坂の頂上から生えるキノコにしか見えない……
「すみません。レース開始直後にひまりちゃんに話しかけられて撮影出来ていません」
「チームブログのネタが……どうしよう」
木野さんはカッコ悪い写真の内容より、書く予定のチームブログの写真が無い事の方が気になる様だ。
南原さんは暗い顔をしている。
仕事で依頼していたら問題だが、元々南原さんの好意で写撮影してくれていたのだから全く問題は無い。
「謝る事はないよ。レースをどのように楽しむかは自由だからな」
「ありがとう御座います」
「そうだ! 今から集合写真を撮りましょうよ!」
木野さんが名案を思いついたようだ。
ブログの見出しでレースに参加した私と木野さんがロードバイクと一緒に映った写真を記載して、レースレポートの最後に集合写真を掲載するそうだ。
これで、チームブログの写真問題は解決だ。
集合写真を撮影後、南原さんとひまりちゃんは先に帰宅した。
私は木野さんからレース展開について詳細に聞き取りされた。
後日、チームブログに木野さん渾身のレースレポートが掲載される事だろう。
「残念ながら4位でしたよぉ。折角得意な上りが多いレースに参加したのに申し訳ない」
「凄いじゃないですか、私は10位ですよ。集団についていくのがやっとでしたからね」
「中杉さんも凄いじゃないですか。苦手な上りのレースで集団についていけるのは凄いですよ」
「そう言ってもらえると嬉しいですよ。さて、南原さんが待っていると思うから戻りますか」
「そうですね。レースの写真も楽しみですからねぇ」
「そうだな。写真撮影と応援に来てくれたお礼を言わないとな」
私は木野さんと一緒に南原さんがいる荷物を置いた場所に向かった。
目的の場所に着くと、南原さんは直ぐに見つかった。
体格が良いから目立つな。
だが、隣にいる女性は誰だろう?
「えっ、あぁ、猛士さんと木野さんレース終わったのですか?」
私達に気付いた南原さんが慌てる。
「堅司さん、お知り合いですかっ?」
隣の若い女性が南原さんに話しかけた。
どうやら知り合いのようだな。
しかも、かなり親しい相手に見える。
「あの、はい、自分のチームリーダーとチームメイトです」
「初めまして、鈴木ひまりです」
「チームリーダーの中杉猛士です」
「木野です」
若い女性が名乗ったので、私と木野さんも名乗る。
「リーダーさんも強そうですね。スプリンターですか?」
「スプリンターなのは合っているけど強くはないよ。私より木野さんの方が強いサイクリストだよ」
「いやぁ、僕なんてまだまだ初心者ですよ」
「ふーん、そうなんですか」
鈴木さんは木野さんには興味なさそうだ。リーダーさんもと言う事は南原さんも強そうって意味か……彼女が言う強そうは、レースが速いではなく体格の事か?
「あの、猛士さん。ひまりちゃ……鈴木さんを仲間に入れても良いでしょうか?」
南原さんが鈴木さんを私達のチームに入れても良いか聞いて来た。
しかも、南原さんが鈴木さんではなく『ひまりちゃん』と言いかけたな。
若いのにいつも冷静な南原さんが狼狽えるところが見れるのは面白い。
「ひまりちゃんが希望するなら大歓迎だよ」
「ありがとう御座いますリーダーさん!」
私は南原さんをからかう為に、わざと『ひまりちゃん』と呼んだ。
赤面しながら硬直する南原さん。少し意地悪し過ぎたかな。
後は問題行動を起こす様には見えないが、念のために注意喚起しておこう。
交通ルール守らない等で、他のメンバーに迷惑がかかるといけないかなら。
「問題ないと思うけど、他の人に迷惑をかけない事は守ってくれ」
「はいっ!」
ひまりちゃんが元気よく返事をした。
嬉しそうにしているが、何を考えて私のチームに所属したいと思ったのだろう?
レースをする人には見えないけど。
「ところで、ひまりちゃん何をしたいのかな。まぁ、何をしたいと言うのも変だが希望を聞いておこうと思って」
再び『ひまりちゃん』と呼んだのは途中で呼び方を変えるのは変だからだ。
「レースチームだからレースに参加するのが目的じゃないんですか?」
「メインの目的はレースだけど、活動をレースに限定はしていないな。普段サイクリングに行く仲間でもあるからな」
「そうですよ。今日の南原さんみたいにレースの撮影を楽しむのもありですから」
木野さんの『撮影』の言葉を聞いて、南原さんが気まずそうな顔をする。
まさか、南原さんは……
「そうなんですか。堅司さんの写真見たい!」
ひまりちゃんが興味津々でレース写真を見たいと催促する。
「写真は後で良いと思うよ。ひまりちゃんと話したい事もあるから」
嫌な予感がした私は話を逸らそうとした。
「焦らさないで下さいよ。僕も早く写真見たいな。SNSのグループに写真をアップするのはどうかな」
木野さんも写真が見たいと催促する。
「SNSのグループ、私も参加したい!」
木野さんがSNSのチームグループの話題を出したから、ひまりちゃんが興味を持った。
南原さんの写真に不安を感じたが、ひまりちゃんをSNSのグループに招待した。
その後、南原さんが渋々今日のレース写真をアップロードした。
「あの、これ、僕ですか……」
上り坂の頂点で撮影したのだろう。
だが、映っているのは木野さんの上半身だけで自転車は映っていない。
カメラアングルが悪く、木野さんの上半身が地面から生えている様にしか見えないのだ。
ハッキリ言えば、坂の頂上から生えるキノコにしか見えない……
「すみません。レース開始直後にひまりちゃんに話しかけられて撮影出来ていません」
「チームブログのネタが……どうしよう」
木野さんはカッコ悪い写真の内容より、書く予定のチームブログの写真が無い事の方が気になる様だ。
南原さんは暗い顔をしている。
仕事で依頼していたら問題だが、元々南原さんの好意で写撮影してくれていたのだから全く問題は無い。
「謝る事はないよ。レースをどのように楽しむかは自由だからな」
「ありがとう御座います」
「そうだ! 今から集合写真を撮りましょうよ!」
木野さんが名案を思いついたようだ。
ブログの見出しでレースに参加した私と木野さんがロードバイクと一緒に映った写真を記載して、レースレポートの最後に集合写真を掲載するそうだ。
これで、チームブログの写真問題は解決だ。
集合写真を撮影後、南原さんとひまりちゃんは先に帰宅した。
私は木野さんからレース展開について詳細に聞き取りされた。
後日、チームブログに木野さん渾身のレースレポートが掲載される事だろう。
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