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最終章 最強部長はロードレースでも最強を目指す
第99話 奇跡の再会
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ここから先は11kmの上り区間。
今いるのはチームメンバーだけだから遠慮する事はない。
集団内で大人しくする必要が無くなったから全力で走る事が出来る。
短い斜度がキツイ箇所は、私の必殺スプリント『ディバイディング・スプリント・トレイ』で加速して乗り切る。
ここで多少スプリントパワーを使っても、後の下りの13km、最後の平地の15kmで回復が間に合うから問題ない。
空気抵抗が少ない上り区間でも少しでも楽になる様に、木野さん、北見さん、南原さん、利男が私の前を走る。
今は走っている上り区間は、ヤビツ峠と同じ程度の距離と難易度だから安心して上れる。
慣れている峠と同じような距離、斜度だとペース配分が楽になる。
少し体力を使ったが問題なく頂上まで上り切り、直ぐに下り始めた。
今走っている下り区間は、前の山岳地帯の下りより速く下れている。
集団で下るより、人数が少ないチームメンバーだけで下る方が速いからだ。
私と利男で少し先行して走っているが、木野さん達を置き去りにしない様に少し抑え気味で走行した。
仲間全員で下り区間を走り終え、最後の平地区間に突入した。
海斗君との距離はどうなっている?
見通しが良くなった所で確認したが、まだ1~2km程離されている。
仲間全員で追いかければ、ゴール前に追いつけるかもしれない。
だが、それではゴールスプリントで勝負するだけの体力が残せない。
どうすれば良いのだろう?
「お久しぶりです、お兄さん。苦戦してるみたいですね」
「前にクリテでご一緒して以来ですね」
「あの時は途中で棄権したみたいですけど、大丈夫でしたか?」
追いついて来た青いジャージの3人の選手に話しかけられた。
前にクリテで……あの時の選手か!
私が落車して愛車を失ったクリテリウムで、途中一緒に協調して先頭集団を追いかけた選手達だ!
今日のレースに参加していたのだな。
「久しぶりですね。あの時は落車して愛車が走行不能になったから棄権したんだ」
「それは残念でしたね」
「それでバイクが変わってたのか」
「私達が無理をさせたせいですかね」
「そんな事は無いですよ。少し欲が出て無理をしてしまっただけです」
「おいおい、世間話してる場合か? どうやって追いつくんだよ?」
北見さんが話に割り込む。
「アシストが頑張って追いつけば良いだけですよ」
「そういう事なんで後ろについて来て下さい」
「スプリント要員以外はローテーションしてもらえるかな?」
何故アシストしてくれようとする?
前に一緒に走った時は、先頭集団に追いつくという同じ目的があった。
だが、今回は何も思いつかない。
「どうしてアシストしてくれるのですか?」
「いやぁ、第2集団の先頭付近が急に加速したと思ったら、選手がボロボロ脱落してきて驚きましたよ。脱落した理由を聞いたら面白そうだったので、追いかける事にしてみたんですよね」
「追いついてみて、面識がある人だったので更に驚きましたけど。面白そうだからアシストさせて下さいよ」
「自由に楽しむのが僕らのチームの信条ですから。僕達ブルーフリーダムの3人が道を切り開きますよ」
3人が楽しそうにアシストしてくれる理由を語ってくれた。
有難いな。
今回のレースは感謝ばかりしている。
こんなにも多くの人に支えられて走れている事が本当に嬉しい。
「よっしゃ。それなら気合で追いかけるぞ。こっちのローテーションメンバーは俺とこいつだ」
北見さんが名乗り出ると同時に、南原さんを指名する。
「猛士さん、ジェルです。加速する前に補給をしておきましょう」
南原さんからジェルを受け取り、封を切って一気に吸い込む。
口の中が独特な甘みで満たされる。
中々慣れない味わいだが、手軽にカロリーを摂取出来るのは魅力だ。
私が補給食を食べた後、隊列を組んで加速を始めた。
南原さん、北見さん、ブルーフリーダムの3人の順番でローテーションしながら高速巡行をする。
ローテーションメンバーの中では、南原さんが一番長く前を引いている。
時速50km前後を長く維持出来るのは凄いな。
その他のメンバーは後ろで、体力の消耗を抑えて走っている。
私、利男、そして木野さんだ。
北見さんはローテーションメンバーに南原さんを指名したが、木野さんは指名しなかった。
そして、南原さんも木野さんをローテーションメンバーに誘わなかった。
そういう事なんだな。私は木野さんの立ち位置を理解した。
今回のレースで木野さんは目立った活躍をしていない。
そして全力で協力しなければならない、今の局面でも活躍を抑えている。
明らかに木野さんの体力を温存している。
それは最後局面。ゴールスプリントのアシスト。
スプリントトレインのメンバーとして扱われているという事だ。
最後は木野さん、利男、私の3人で、海斗君との勝負に決着をつけるのだ!
今いるのはチームメンバーだけだから遠慮する事はない。
集団内で大人しくする必要が無くなったから全力で走る事が出来る。
短い斜度がキツイ箇所は、私の必殺スプリント『ディバイディング・スプリント・トレイ』で加速して乗り切る。
ここで多少スプリントパワーを使っても、後の下りの13km、最後の平地の15kmで回復が間に合うから問題ない。
空気抵抗が少ない上り区間でも少しでも楽になる様に、木野さん、北見さん、南原さん、利男が私の前を走る。
今は走っている上り区間は、ヤビツ峠と同じ程度の距離と難易度だから安心して上れる。
慣れている峠と同じような距離、斜度だとペース配分が楽になる。
少し体力を使ったが問題なく頂上まで上り切り、直ぐに下り始めた。
今走っている下り区間は、前の山岳地帯の下りより速く下れている。
集団で下るより、人数が少ないチームメンバーだけで下る方が速いからだ。
私と利男で少し先行して走っているが、木野さん達を置き去りにしない様に少し抑え気味で走行した。
仲間全員で下り区間を走り終え、最後の平地区間に突入した。
海斗君との距離はどうなっている?
見通しが良くなった所で確認したが、まだ1~2km程離されている。
仲間全員で追いかければ、ゴール前に追いつけるかもしれない。
だが、それではゴールスプリントで勝負するだけの体力が残せない。
どうすれば良いのだろう?
「お久しぶりです、お兄さん。苦戦してるみたいですね」
「前にクリテでご一緒して以来ですね」
「あの時は途中で棄権したみたいですけど、大丈夫でしたか?」
追いついて来た青いジャージの3人の選手に話しかけられた。
前にクリテで……あの時の選手か!
私が落車して愛車を失ったクリテリウムで、途中一緒に協調して先頭集団を追いかけた選手達だ!
今日のレースに参加していたのだな。
「久しぶりですね。あの時は落車して愛車が走行不能になったから棄権したんだ」
「それは残念でしたね」
「それでバイクが変わってたのか」
「私達が無理をさせたせいですかね」
「そんな事は無いですよ。少し欲が出て無理をしてしまっただけです」
「おいおい、世間話してる場合か? どうやって追いつくんだよ?」
北見さんが話に割り込む。
「アシストが頑張って追いつけば良いだけですよ」
「そういう事なんで後ろについて来て下さい」
「スプリント要員以外はローテーションしてもらえるかな?」
何故アシストしてくれようとする?
前に一緒に走った時は、先頭集団に追いつくという同じ目的があった。
だが、今回は何も思いつかない。
「どうしてアシストしてくれるのですか?」
「いやぁ、第2集団の先頭付近が急に加速したと思ったら、選手がボロボロ脱落してきて驚きましたよ。脱落した理由を聞いたら面白そうだったので、追いかける事にしてみたんですよね」
「追いついてみて、面識がある人だったので更に驚きましたけど。面白そうだからアシストさせて下さいよ」
「自由に楽しむのが僕らのチームの信条ですから。僕達ブルーフリーダムの3人が道を切り開きますよ」
3人が楽しそうにアシストしてくれる理由を語ってくれた。
有難いな。
今回のレースは感謝ばかりしている。
こんなにも多くの人に支えられて走れている事が本当に嬉しい。
「よっしゃ。それなら気合で追いかけるぞ。こっちのローテーションメンバーは俺とこいつだ」
北見さんが名乗り出ると同時に、南原さんを指名する。
「猛士さん、ジェルです。加速する前に補給をしておきましょう」
南原さんからジェルを受け取り、封を切って一気に吸い込む。
口の中が独特な甘みで満たされる。
中々慣れない味わいだが、手軽にカロリーを摂取出来るのは魅力だ。
私が補給食を食べた後、隊列を組んで加速を始めた。
南原さん、北見さん、ブルーフリーダムの3人の順番でローテーションしながら高速巡行をする。
ローテーションメンバーの中では、南原さんが一番長く前を引いている。
時速50km前後を長く維持出来るのは凄いな。
その他のメンバーは後ろで、体力の消耗を抑えて走っている。
私、利男、そして木野さんだ。
北見さんはローテーションメンバーに南原さんを指名したが、木野さんは指名しなかった。
そして、南原さんも木野さんをローテーションメンバーに誘わなかった。
そういう事なんだな。私は木野さんの立ち位置を理解した。
今回のレースで木野さんは目立った活躍をしていない。
そして全力で協力しなければならない、今の局面でも活躍を抑えている。
明らかに木野さんの体力を温存している。
それは最後局面。ゴールスプリントのアシスト。
スプリントトレインのメンバーとして扱われているという事だ。
最後は木野さん、利男、私の3人で、海斗君との勝負に決着をつけるのだ!
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