First friend's 四つ葉のクローバー

灰色の猫

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相棒

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私を含めて四人、無事大学合格する事ができた
 私だけ学部が違うけど、あの三人は、本当に凄いと思う
 将来の事を考えて、今まで凄い努力をしてきたのだろう
 最初の出会いで、見た目だけで判断してい事が恥ずかしいくらい、凄い人達だ
 ずいぶん勉強を教えてもらい
 私が合格出来たのも、あの三人のおかげかもしれない 
 足を向けて寝れないなぁ~
 
 
  ○
  
  
 バイクを購入したいと小百合さんに伝えたあの日に、私も連れて行ってくれた焼肉屋さん
 
 あぁ~あのお肉は、本当凄かった!
 
 あれから一ヶ月もたっているのに、一ヶ月も前に食べたお肉の事が、忘れず今だに思い出してしまう。
 
 お肉とバイクを交互に考え、思い出してしまう。
 あのお肉、いやお肉様は本当凄かった!
 
 
  ○
   
   
 約一ヶ月前、小百合さんにバイクを購入したいと伝えると、バイクには、いくつかタイプが有り、アメリカン・ネイキッド・オールドルックとストリート系
 ストリートとオールドルックの違いがいまいち分からないが……
 
 あとオフロードにスポーツレプリカと、まだ種類が別れてるみたいだ
 最初は小百合さんが乗っていた様なアメリカンにしようか悩んどいたが、あのバイクに乗るには、もう一つ上の免許が無いと乗れないと言う事が分かり、泣く泣く今回は諦める事にした
 まぁ免許有っても、予算オーバーで買えないけどね アハハ
 でもローンが有るか
 ん?
 未成年でもローン組めるのか?
 
 いずれ大型バイクに乗ってやる
 私みたいに、小さいのが大型バイク乗れるのかな?
 
 今回は中型のバイクを購入する事にした。
 みんなでツーリングした時の小型バイクも良かったのだけれど、やっぱり大きいバイクに乗りたい
 中型で何系のバイクにするか悩んだ結果、小百合さんみたいなアメリカンがいいんだけど、どーしてもピンとこない……
 アメリカンって、カッコいいよなぁ~
 
 やっぱ、小百合さんみたいなカッコいい黒系のバイクがいいけど、私の理想のバイクが有ると良いんだけど……
 
 
  ○
  
  
 あれからどのくらい日にちが経っただろう
私が候補として上げたバイクが、見つかったと連絡をもらい、佐々木モータースにバイクを見に行く事になった。
 第一候補で上げていたアメリカンは、ネットで探してもらったのだが、納得出来るバイクが見つからなかったという事もあって、第二候補のオールドスタイルのバイクにする事になった。
 
 そうだ、三人にバイクが来た事報告しないとだな
 
  
  ○
  
  
 午後の三時を回った頃、佐々木モータースに私の相棒となるバイクを見せてもらいに、お店に行くと、すでに三人が居て、私を出迎えてくれた。
 「こんにちは、春野です。
 バイク見せてもらいに来ました」
 「葵ちゃんいらっしゃい
 バイクこっちに置いてあるから、ゆっくり見てね
 あぁ~そうだ、エンジンかけたかったら言ってね」
 
 小百合さんの、この笑顔に皆んなやられちゃうんだろうな!
 もし、この緊張がなかったら、私もやられてたな、間違いない
 
 小百合さんに相談して、決まった第二候補のバイク
 
 HONDA CB400SS
 
 白と赤のツートンで、見た感じが大き過ぎず小さ過ぎず、見た目も可愛く、私には丁度いいバイクかもしれない
 ネットで見るより実際に見て、第一候補のアメリカンより、このバイクが乗りたいって本気で思えた。
 跨ってみると、足もなんとか着く、乗車姿勢も悪くないみたいだ
 
 芸能人ってこんな感じなのかと思うくらい、携帯で写真を撮られた
 悪い気はいないが、撮り過ぎては
 アハハ
 

 私は、抜け駆けしてバイク買ったのに、皆んなは、あんなにニコニコしてるのはナゼだろう?
 
 謎はすぐにわかった
 
 抜け駆けしたと思っていたのは、私だけで、三人ともバイクの購入を決めていた
 おっとこ前のエミちゃんは、ブラウン系でゴールドのラインが入ったYAMAHA SR400 
 キャブでキックでエンジンをかけるオールドスタイル、なかなかカッコいいバイクだ
 エンジンをかける練習が必要みたいだ。
 華菜ちゃんはHONDA VT400S
 このバイクは、アメリカン系で、私も、このバイクにすれば良かったと思うほど、カッコいいバイクだ
 黒系のアメリカンって、本当カッコいいと思う。
 小百合さんも、VT400SとW400のどちらにしようか悩んだ結果W400に乗っていたらしい
 姉が乗れなかったバイクを選ぶとは、流石、姉妹愛が強いだけは有る。 
 琴子ちゃんは、青系に水色のツートンのKawasaki W400
 小百合さんが乗っていたバイクという事もあって、かなりベタ褒めだったみたいだ。
 小百合さんが、ベタ褒めだけあって、かなり綺麗なバイクで、本人も、バイクと対面した時のドヤ顔は凄かったらしい
 想像が出来てしまうのが、畠山琴子の凄いところだ
 
 ようやくバイクと対面出来た私だが、一番遅れていたのは言うまでもなかった。
 
 皆んなは、すでに納車出来るのに私が、バイクの納車が出来るのを待っていてくれたみたいだ
 これが三人の優しさなんだろう。
 私といったら、抜け駆けして買おうとしていたのに、結局バイクを選ぶのも、納車するのも、私が一番遅かった……
 
 あぁ~ちょっと考えると恥ずかしい
 
「ねぇ~葵ちゃん ウフフ
 今恥ずかしいって思ったでしょぅ~」
 えっ!
「ちょっとだけ アハハは」
 
 恐るべし畠山琴子!
 
 
   ○
   
   
 ようやく、私のバイクが納車される事になった
 これで四人全員、バイクが納車された
 
 これから、私の相棒となるバイク、CB400SS カッコいいよなぁ~
 本当に買っちゃったんだ!
 なんか、バイクが納車されるまで、あまり実感がなかったけど、車検証に住所や名前が書いてあるのを見て、やっと実感が湧いてきた。
 
 小百合さんから、CB400SSの説明を、もう一度受け、このバイクはセルとキックの両方が付いている。
 普段はセルスタートで良いのだが、キックスタートでかける練習をさせてもらった。
 このバイクと初対面の時は、やっと両方のつま先が着く程度だったが、あの兄が、納車祝いという事で、リアのローダウンショックを買って付けてくれたおかげで、足付きが良くなった。
 少しの間だけ、仲良くしてあげよう
 
「葵~どう?
 もう練習終わった?
 量販店まで行こうと思ってるんだけど、葵も行くでしょ」
 
「あうん行きたい!」
 
「行くの分かって誘ったんだけどねウフフ
 あと、エミと琴子の二人も誘ったから、もう来ると思うよ」
 
 ちょうど量販店行きたかったんだよなぁ~
 なんてナイスタイミングなんだろう!
 サドルバッグ付けたいんだよなぁ~どんなのがあるんだろ
 バイクで行けるのが、めっちゃ嬉しい
 
「葵~ どう行ける?
 二人来たから行くよ~」
 
 おー!
 SR400とW400が来た!
 この二台もカッコいい~よなぁ~
 
「葵のCBもやっぱカッコいいよな」
 
「葵ちゃん~イェー」
 
「エミちゃんのSRもカッコいいよね!  琴子ちゃんイェー
 琴子ちゃんのWもカッコいいね!」
 
「華菜ちゃんのVT400S アメリカンもカッコいいよね!」
 
「葵、キック練習したんだろ! キックでエンジンかけてみ
 よーし私のSRで見本見せてやんなきゃかなって
 あっ!
 エンジン温ったまってるから、すぐかかるか!
 アハハは」
 
「わかった、一発でかけられるか分からないけど、頑張ってみる!
 ダメだったらセルでもいいかな」
 
「ダメ~かかるまで、出発しませ~ん ウフフ」
 
「こっ琴子ちゃんのいじわる~」
 
「さっきまで頑張ってたんだから大丈夫だよ葵
 ほら頑張って!」
 
 ここで足を引っ張る訳にはいかない!
「よーし」
 
「残念~ やっぱ一発は無理だったか~
 でも三回でかかったじゃん凄いよ!
 練習の成果かな」
 
「やった~葵ちゃん かかった~かかった~ こんな小っこい葵ちゃんが、こんなに頑張ってるなんて、私は感動して涙が……(オイ)」
 
「やったね葵! もし何かあっても大丈夫そうだね」
 
「みんなが見てたから、ちょっと緊張したけど、よかった三回でかかって お待たせしました。
 準備オッケーだよ」
 
「ほら、エミ~琴子も行くよ~
 葵~行こうか」
 
「華菜~この感じ、懐かしいね~」

「うん!わかる~ やっぱ華菜ちゃんの号令が無いと、始まらないね」

「琴子ちゃん、間違いない!」
 
 この感じ、久しぶりだなぁ~
 やっぱ華菜ちゃんのこのかけ声がないと、本当、始まらないね
 
「華菜、メット越しでも、赤面してるのがわかるけど、大丈夫か~」
 
「もう~エミ ウルサい
 行くよ~」
 
 やっぱこの人達と一緒にいるのは、本当に心地良い 最高の友達だ!
 
 プチツーリングの後で、ツーリングの予定決められる時間、作れるかな?
 卒業旅行のツーリングか~
 目的地の場所はまだ決まっていないけど、温泉有りで、コテージで一泊って、ことだけは決まったんだよな~
あぁ~楽しみだなぁ~
 まぁ私は、走れれば何処でも良いのだが、ツーリングは本当楽しいよなぁ~

 
 
  ○ 
 
 
 量販店までのプチツーリング
 
 何事も無く四台のバイクが、量販店の駐車場に到着した。
 
 佐々木モータースから、数キロ程の位置にある量販店
 普段は、自転車や徒歩で見る景色とは別世界に見える景色
 ソロで走っても、この光景は見る事は出来ないだろう
 四人で走るから、見える景色
 
 最高です。
 
 
 量販店だけあって、商品が多過ぎて、どれにしようか迷ってしまう。
 
 四人揃って、同じ様なサドルバッグを買うことにした。
 金額的に、少し安かったってもの有るのだが、サドルバッグもいろんな種類が有る事がわかった。
 合成皮革のサドルバッグはカッコいい、アメリカンのバイクじゃなくても、絶対似合うなぁ~
 
 サドルバッグも盛り上がったが、ヘルメットのコーナーでも盛り上がった。
 佐々木モータースで貰ったヘルメットも良いのだが、量販店に置いてあったネオクラシックとか言うフルフェイスで、かなり盛り上がり、私を含め次のヘルメット候補が出来たみたいだ。
 ヘルメットのフィッティングもしてくれるらしい!
 ヘルメットもピンからキリまで有ったけど、やっぱ頭を守るんだから、ちょっと高くても仕方ないんだろうな
 
 気が付けば、二時間半も経っていた!
 量販店楽しい~
 いろいろ見ているだけで飽きないし、時間はかなり潰せる
 暇を持て余し量販店に来ていると、たぶん飽きるな
 だからほどほどにしよう
 でも本当楽しい~
 
 店員さんが、サドルバッグの付けたを教えてくれるみたいで、駐車場で青空講習が始まった
 たぶん私だけだったら、こうはならないだろう
 あの三人、特に畠山琴子 あの子は、魔性の力でも有るのかと思うくらい凄い
 店員のお兄さん、顔が真っ赤だ
 女子から見ても、本当可愛い子だもんなぁ~
 最初の頃は、リア充だの変な偏見が有ったけど、やっぱりこの三人は凄い、客観的に見ていたけど、結構男の人振り返ってたもんな
 やっぱ美人は徳だな~
 
「オイ葵、なぁにボーっとして
 もしかして店員のお兄さんか!」
 
「えっ!
 イヤイヤそれは違うよ
 三人を見たたら、なんか凄いなぁ~って思ってね アハハは」
 変な方向に行くとこだった
 
 あのエスパーといい、大佐といい、姉妹の様な二人は、本当こういうとこは素早いんだから
 危ない危ない!
 危なく怪我をするとこだったぜ アハハは
 
 サドルバッグを四台のバイクに、取り付けが終わり、量販店の駐車場で邪魔にならない場所に移動して、ツーリングの目的地を決める会議が始まった。
 スマホ片手に、結構な案が出た 
 ツーリングだから、ある程度の距離は良いんじゃないかって思うけれど、四人とも、まだ自分のバイクに慣れてないってのも有って、慣れるために、そこそこの距離を走る事になった
 私はバイクに乗れるだけで満足なんだけどアハハ
 
 
 あまり大きくないけど、ある程度は入るサドルバッグ
 小さいケトルとコーヒーセット入るだろうか?
 パッキング上手に出来ない……
 サドルバッグだけじゃキツイかな プラスでリュックも持たないと
 やっぱパッキングも、練習が必要なのかな~
 とりあえず、持って行く物の順位を決めよう!
 そうだ、三人にマグカップは持ってきてねって言っとかないとだな!
 一人だったら、この小さいケトルだけで大丈夫だけど、四人でってなると、ケトルだけじゃキツイけど、クッカーも有ればなんとかなるか!
 
 夕飯はバーベキューって言ってたし、クッカーが有れば、何か作れるだろう
 これでコーヒーだけで使う訳じゃなくなったな
 絶対に持って行くリストに追加されました。
 
 
 荷物はこの辺にして、もうこんな時間か~
 今日はこれからバイトだ!
 卒業するちょっとの間、バイトして稼がないと って、そんなに稼げないけどアハハ
 
 えーっとスマホにお財布、ボディーバッグに入れて、あとクローブを持ってヘルメットよしっと
 「いってきま~す」
 エンジンをかけ、数分暖機してエンジンを暖めて  出発~っ!
 
 防寒対策はしたつもりだけど、この時期は本当寒い ウ~顔が冷える
 やっぱりフルフェイスがいいなぁ
 でも、バイク楽しい~
 いつも自転車で通っていた、バイト先の本屋 
 バイクで出勤って、何故か風景が変わって見える
 歩道から見える景色と車道から見える景色、特別変わっている訳じゃないけど、こんなにも違って見えるのは、何故だろう
 私の気のせいなのか?
 やっぱバイクは早い
 あっという間に着いた
 出勤時間より早く着いちゃったけど、休憩室で時間潰してるのも暇なんだよな
 忙しそうだったら入っちゃえばいいか
 
 ちょっと混んでる
 
「店長 こんにちはーお疲れ様です。 」
「あっ春野さん、お疲れ様
 ちょっと早いんだけど、春野さん入ってもらってもいい?」
「大丈夫です そのつもりだったので、荷物置いてすぐに入ります。」
 
「はいお願い
 いらっしゃいませ
(人って変われば、変わるもんね
 あの子は、良い変わり方が出来て本当に良かった
 また、あの子達にも会えたらいいんだけど)」
 
 
 忙しい時間は、少し引いてお客さんもまばらになった
 交代交代に休憩に入り、私は一番最後に休憩を貰った。
 休憩が終わり、休憩室から出て棚の整理をしていた時に、あれはやって来た
 
 へー ソロツーリングして、ソロキャンプの特集とか有るんだ
 今は、凄いなぁ
「ヨー春野ー」
「へイ あっいや あっはい」
「お前、相変わらず面白いな」
「あああっ いっいらっしゃいませ」
 
 って、えっ!なんでこの男はここにいる!
 ストーカーなんですか!
「春野は、車の免許取りに行かないのか?」
「えっあっまぁー」
 車の免許か~あまり考えてなかった
 今のところ、バイクが有るから車は大丈夫かな
 
「車の免許取ったんだけど、最近 俺の周りで中免取ってアメリカン乗ってる仲間が増えてさ、俺も二輪の免許も取ろうと思って、通い始めたんだけど、やっぱり通うとバイク欲しくなるよなー」
 
 この男は、聞いてもない事をベラベラとって、ん?二輪?
 ほっほー バイクに興味が有るのか~一ミリくらいは仲良くしてあげてもいいかな
 
「へー車の免許も取って、バイクも凄いですね」
「お前さーもう少し感情有っても良くないか
 ところで、春野、お前もバイク乗ってるだろう」
 この男は、人のことをお前お前なんて奴だ「えっ!なっなっなんで知ってるの」やっぱりストーカー決定ですね
「あーこの本屋に入るの見たからな
 ストーカーとかじゃないからな!たまたま見かけたから
 って、そんな冷たい目で見るなよ 俺はただ、バイクカッコいいなって事言いたかっただけなんだけど」
 
 ほっほー この男のクセに、分かってるじゃないか!
 今日のところは、勘弁してやろう
「あーいたいた 
 葵~ちゃ~ん
 なんでそんな涙目なん?
 この男になんかされたん?」 
「田辺~」
「人聞きの悪い事言うなよ
 俺は、バイクカッコいいなって言っただけだから」
「本当 葵ちゃん?」
「うん」
「なんだ葵 褒められて嬉しかったんか!」
 やばいお店の中だった
 ちょっと騒がしかったかな
 後で店長に謝っておこう

 突然現れた二人に、ストーカーの疑惑をかけられた男を任せ、私は仕事に戻った。
 バイクの話でもしているのだろうか、ちょっと楽しそうだ
 気が付くと雑誌のコーナーにいた三人は、いなくなっていた。
 少し寂しいが、仕事なんだから仕方ないと、自分に言い聞かせ諦める事にした。
 本を整理していると背後からフッと現れ声をかけられた
「葵ちゃん~ウフフ
 これから、華菜ちゃんとこ行くんだけど、バイト終わったら来る?」
「あっうん遅くなっちゃうと思うけど、行くね」
 驚いてヒィーって言ってしまった……
 
 よし!バイト終わりまで頑張るぞう~
 バイト終わったら友達の家に行く、今まで考えたこともなかったし、こんな日が来るなんて、二年前の私が聞いたら、どうだろう
 絶対に気絶して思考が停止するな
 間違いない!
 
 夕方、辺りはすっかり暗くなっていた。
 日中は、日差しが暖かく感じる時もあるが、やはり冬は寒い……
 バイトも終わり、駐輪場でバイクの暖機を五分くらいだろうか、少しエンジンを温め、佐々木モータースまで、暗い夜道を走り出した。
 バイト先の本屋から佐々木モータースまで、時間にして二十分位だろうか
 昼間は十分かからないで行ける距離だ
 日が沈んで辺りが暗いという事もあって、安全運転で走る事を、親と約束したし、人に迷惑かけない運転を心がける事にしている
 
 最近バイクに慣れる為一人で走っている時に、ふと思う事がある
 人を意識してしまうと、周りの色が無く白黒に見える日が多々有った
これは、人嫌いの弊害だろうか?

 初めて出来た友達のおかげ、
 というか、三人のおかげだろう
 今は自分の世界に入っても、白黒に見える事はなくなり、カラフルな色付きで見える様になった。
 何年も通っていた場所が、こんな風景だったなんて……
 
 一人で居るのは好きだけど、もし前の様に一人になったら、私はどうなってしまうのだろう
 考えただけで、ちょっとゾッとしてしまう
 この環境に慣れてしまったせいだろう
 これが、今の私の当たり前になったんだ
 
 まだみんな居るかな~?
 早く三人に会いたくなってしまった。
 焦らず急ごう!
 
 
  ○
 
 
 佐々木モータース到着!
 まだみんな居る
 良かった~
 
「葵ちゃん いらっしゃい~」
 
「こんばんは小百合さん」
 
「どうバイク?
 慣れた?」
 
「はい。
 バイクって楽しいですよね」
 
「大丈夫そうね良かったウフフ
 あぁアイツら中で待ってるわよ」
 
 私の憧れの小百合さん、今日も優しかった
 いつか小百合さんとも、一緒に走ってみたいな
 小百合さんに、今度一緒に走りたいですって言ったら、あの人も来るのかな?
 斉藤さんも優しいんだけど、ちょっと苦手なんだよな~
 本人には言えないけど……
 
 
「葵、お疲れ~」
 
「おーきたきた おつ~」
 
「お疲れ様~葵ちゃん」
 
「あっうん お待たせ」
 
 やっぱり三人の顔見ると落ち着く
 
「おい葵、なにニヤけてんだよ」
 
「あはは、三人に会えて嬉しくなって」
 
 エスパー琴子に抱きつかれて、離してもらうのに、かなり大変だった
 
 
 本題は、卒業旅行のツーリングなんだけど、流石女子!決まらない
 ちょっと脱線が多いんだよな
 目的地の温泉を決めるだけなんだけど……
「あの~グランピングって言うのはどうかな?」
 
「(グランピング?)
 (グランピング?)
 (グランピング?)」
 
 本当仲が良い三人だ、三人揃うって凄いな
 
「葵ちゃん、グランピングってなに?」
 
「ツーリングの目的地とか調べてた時に知ったんだけど、簡単に言うと手軽で手ぶらなキャンプ
あと、コテージとか、バンガロー?とか有るみたいだよ」
 
「キャンプとかー良いね」
 
「本当に手ぶらでキャンプって出来るの?
 コテージも良いね~
 でも、グランピングって気になるね」
 
 ネットで検索して、グランピングの画像や動画などを観て、大騒ぎになったのは言うまでもない
 オシャレ女子だのそんな単語が、連発するくらい三人の目がキラキラしている、この分だとグランピングに決定するだろう!
 コテージの方が、金額的には高いのかな?場所にもよるみたいだ
 コテージって、お金持ちが持ってる別荘みたいで、ちょっと興味あるんだけどなぁ~
 でも、みんなと行けるならどっちでもいいんだけどね ウフ
 
  
   ○
 
 
 ツーリングの目的地が決まった。
 今回は、卒業ツーリングという形で、県内では無いが、グランピングが出来る温泉施設に決まった。
 三人のグランピングの画像を見た時の目の輝きは、凄かった。
 流石女子、私も女子なんだけど、あのリア充感は頑張っても出せない
 
 リュックとサドルバッグに荷物を詰めて、集合場所は、佐々木モータース!
 今回は、変な夢は見なかったので、ちょっとホッとした
 独り言をインカムで聴かれてしまうのは、ちょっと恥ずかしい
 特にあの二人には聴かれてはいけないのだ!
 無意識に独り言を言ってしまっているみたいだから、気を付けないとね
 暖機終了
 さぁ~出発!
 
 フゥ~ちょっと寒いけど、大丈夫、今は楽しさが寒さより勝ってる!
 私の家から佐々木モータースまで、十分くらい、あっという間だ
 冬場は嬉しいけど、夏は物足りないかなアハハ
 って、もう着いちゃった。
 みんな来てるかな~
 おっ!有った有ったWにSR 早いな~二人とも!
 
「おはよう~華菜ちゃん、エミちゃん、琴子ちゃん
 あっ親父さん、おはようございます。」
 
 みんなに朝の挨拶を済ませ、ちょっと長めの卒業ツーリング出発!
 
 インカムのテストと評して、大佐からの号令がかかる
「番号~」
「イチ」 
「ニイ~」
「あっサン」
「よーしインカムテスト終了」
 
 
 初めての高速道路、一般道とは違い、速度も上げられスピードも出せる。
 小百合さんは、無理に速度を上げなくても、八十キロ位で走れば、そこまで邪魔にされないだろうと教えてくれた。
 八十キロか~緊張するなぁ~
 まずは、 ETCレーンと一般のレーンが有り、一般で通行券を取り、無くさない様にしまうんだよな
 
 えっ!
 
「葵、待ってるから焦らなくて良いよ」
「うん、わかったありがとう」 
  
 ちょっちょっと 
 ちょっと待って!
 えっなに!
 私だけ一般なの
 三人ともETC付いてるの!
 
「ねぇみんなETCいつ付けたの?」
 
「葵のは付いてなかったのか、私のSRは、ETC車載器付いてたから、親にガード借りてきた」
 
「私のVTも付いてたから、得しちゃったよ
 でも、私のもエミのも、古い機種だから、新しいのと入れ換えないと使えなくなるみたい
 ガードは、お姉ちゃんが貸してくれた 琴子は?」
 
「私~?
 言ってなかったっけ、私のはETC車載器付いてなかったから、W買った時に付けてもらった。
 私のは、最新のだから大丈夫みたいな」
 
「琴子ちゃんもガード借りてきたの?」
 
「ETCガード?
 うんん私の~」
 
「(えー)
 (えー)
 (えー)」
 
「ETCガードが自分のって、クレジットカード作らないとETCガード作れないって聞いたけど!」
 
「W買う時に、作った」
 
 
 恐るべし畠山琴子!
 
 私は何も考えてなかった……
 バイクに乗れれば良いとしか考えてなかった
 
 琴子ちゃんは、本当凄いっていうか、大人だなぁ~
 私も帰ったら、とりあえず車載器付けてもらおうっと
「ねぇ琴子ちゃん、因みに聞いても良いかな?車載器っていくらぐらいだったの?」
 
「え~~
 いくらだったっけな~
 小百合ちゃんにお願いしちゃったし……
 ウフフ わかんな~い」
 
 帰ったら小百合さんに聞いてみよ!
 
 
 おーはっ八十キロ出してしまった!
 一般道とは違って、信号も無くて走りやすいけど、ゆっくり走れないのが難点かなアハハ
 前回のツーリングも楽しかったけど、やっぱ自分のバイクで走るツーリングはたまらん
 っていうか、みんな早い うぅ……
 追い付かないと!
 
「葵~ 大丈夫か~次のサービスエリアに寄るよ~」
 
「はーい」
 
 初めてのサービスエリア、ちょっと緊張する
 家族でおばあちゃん家に行った以来だ 今まで気にしてなかったけど、バイク停めるスペースとか有るんだ
 
 初サービスエリア!
 これは写真撮りたい!
 ヨシ!四台並んで止められた
 
 これは間違いなく、携帯の待受だな!
 やっぱ考える事は、皆同じだハハ
 
 ちょっとした小休止と写真撮影も終わり、目的地を目指して本線えと戻って行く、しばらく一般道では体感出来ない速度で走り、高速に慣れてきたところで、下り口え
 
 たまに高速に乗りに来ようかな~
 ETCって、便利だよなぁ~
 みんなを待たせてしまった。
「ごめん~お待たせ」
 
「うん大丈夫だよ気にしなくて
 最初のスタンド寄るよ~」
 「おー」
 「ほーい」
 「はーい」
 一般道に下り、最初のガソリンスタンドで給油と小休止する事になった。
 
「葵、ヘルメット脱がない方いいぞ」
 
「えっなんで?」
 
「顔がめっちゃニヤけてるから」
 
「えっ!」うぅぅ……
 
 そんなにニヤけてるのか
 あっ本当だ!
 ちょっと恥ずかしい
 
 ん?
 
「もーみんなも同じじゃん」
 三人とも、ヘルメットで分からなかったが、脱いだら三人ともニヤけていた。
 ツーリング、楽し過ぎて顔がニヤけちゃうのは、仕方ない
 皆んなと走るのは、本当楽しい!
 
 あまりガソリン入らなかったけど、ガソリン満タン!
 目的地まで行っても、燃料の心配はしなくても大丈夫だろう
 
 目的地のグランピングが出来る温泉施設には、お昼前にはチェックイン出来るみたいだ。
 バーベキューも出来るみたいだから、買い出しも行かないと
 買い出しは、チェックインの前かな?後かな?
 うぅ~肉、肉、肉~~
 肉食べた~い
 
 
「ウフ とりあえず、荷物下ろさないと買い出し行けないから、チェックインしてから、買い出しに行こう」
 
「おー ウフ」
 
「ウフ ほーい」
 
 ん?
「はーい」
 
 もうそろそろ、到着出来るみたいだけど、私もサイトの写真でしか観てないから、どんな感じなのか興味津々!
 
「葵ちゃん~ほら、見えてきたよ~」
「(お~)
 (お~)
 (お~)」
 
「うっワ 葵、凄いなここ」
 
「うんここまで来た甲斐があったね葵!」
 
「うん 凄いね葵ちゃん」
 
「いやいや、私は、皆んなと行きたくて探しただけだから アハハ」
 
 無事四人揃って、目的地に到着出来た。
 心配してるだろうから、小百合に連絡だけ入れとこう
 
「大人三人に子供一人」
「えっ 私も大人でお願いします」
「葵~冗談だよ
 焦り過ぎ アハハ」

 受付の人、優しそうで良かった
 
 四人で受付を済ませ、今日一泊する部屋に荷物を置くために、教えられた部屋へと向かい
 白いテントの様な建物を観て、ちょっと興奮し
 室内に入るなり、想像以上のオシャレさに一同大興奮!
 悲鳴ともとれる声が、室内に響き、あぁ~これが普通の女子なんだろうな~ 
 ちょっと圧倒されてはしまった。
 
 外観はドーム型で、ウッドデッキに備え付けのテーブルと椅子が有り、バーベキューが出来るスペースもウッドデッキの中に備え付けて有る。
 お隣との距離もある程度離れていて、気を遣わなくていいのが、私的には嬉しい。
 ドームの室内は、テントの様な布地で出来ていて、正面はガラス張りで、カーテンも付いているのでプライバシーも守られて安心
 後方も窓も有り、昼間は、陽の光が差し込んでかなり明るい
 窓の下には、ベッドが四つ並んでいて、普通のテントと違うのは、中に冷蔵庫とレンジが備え付けて有るという事、至れり尽くせりである。
 
 非日常を体験出来るのが売りなしい。
 
 
「葵ちゃん凄いよ凄い!
 一緒にこれて、本当良かったね」
 後ろから抱きつかれて、大興奮している
 この人は、本当可愛い人だ!
 あの笑顔……思わずドキッとしてしまった。
 こうやって、男の人を…… これ以上考えるのは、やっやめておこう
 
 私に出来るのは、このくらいしかないから、みんなが喜んでもらえるだけで本当嬉しい
 それにしても、みんな本当にいい笑顔だなぁ~
 
  
  
  ○
  
  
 宿泊する、ドーム型テントから少し離れた所に、温泉施設が有り、冷えた身体を早く温泉で温めたい!
 でも、早く肉も食べたい!
 
「葵~肉買いに行こうぜ~」
 
「アハは そうだね~」
 もしかして、また心の声が漏れていたのか……
 なぜ私の心の声は、漏れるのだろう
 考えてもしょうがないか
 
 夕食と朝食分を買わなきゃだけど、朝食は、食パンが有ればホットサンド作れるし、たぶん夕食の具材余るから、あまり考えなくてもいいかな
 スライスチーズは買わないと!
 
 夕食は、肉焼くだけなのかなぁ~料理って料理出来ないけど、外で食べるご飯はおいしいって言うから大丈夫だろう 
 
 
 グランピング施設から、ニ十~三十分走った所にスーパーが有るらしく、そこのスーパーに買い出しにバイクを走らせた。
 
 この施設を予約する時に、バーベキューの具材も頼めたのだが、無しの方が少し安かったので、満場一致で無しになりました
 でも、好きな物を食べたいから、これで良いんだと思う
 
 スーパーに到着!
 真っ先に肉売り場に!
 
 牛、豚、鳥、まだ時間帯が早いのか、品数も多いい
 目移りしちゃう
 ダメだ選べない
 
 私は、肉が食べられれば良い!
 三人に任せよう
 
 肉、海鮮、レタス四分の一、朝食に食べる食パンにスライスチーズ
 琴子ちゃんは、何やら別で何か買うみたいだ
 

 宿泊施設に戻り、買って来た物を冷蔵庫に一旦入れ、バーベキューの前に、冷え切った身体を温泉で温めることにした。
 そおいえば、みんなと一緒にお風呂って入ったことない
 ちょっと恥ずかしい

おーー凄ーい
 
「よ~し葵、裸の付き合いだ!」
 
 後ろから肩を組まれ、裸の付き合いって、お風呂だから間違ってはないけど、発想がおじさんというか、なんというか……
 後で、背中見てみよう!
 チャックがあるかも知れない!
 
「なに、あんた達 何時迄も遊んでないで、早く洗っちゃいなさいよ」
 
「なんだよ華菜 そんな隠さなくったっていいだろう
 無さ過ぎて恥ずかしいのは分かるけど、裸の付き合いだよ裸の!」
 
 はい確定
 おじさん確定です!
 やっぱり大佐は、おじさんだったんですね
 
「うっ煩いわね~
 いいでしょ別にー
 私はこれからなの!」
 
「もうこれからなんて、無いんだ
 華菜、諦めも肝心だぜ」
 
「本当、煩いわね~
 いいの私が、そう信じてるんだから!
 ねぇ葵」
 
 やばい巻き込まれた
 
「いやいや、華菜 私と葵は、そこそこだから
 そこそこガールなんだよ」
 
 キャ
 タオルと取られて、声が出てしまった
 
「あっ葵
 裏切ったわね~」
 
 裏切って無いけど、その前に、そこそこガールをスルーしましたね!
 
「そう私達は、そこそこガールズなのさ」
 
 なんですか、その売れない芸人みたいな名前は!
 ガールからガールズに変わりましたよ
 
 入り口が勢い良く開くとそこには……
 
「じゃん~琴子ちゃん参上
 オッッホッホホ」
 
「華菜、諦めろ ああには成れない」
 
 この場を察知し出るんだろうな
 
「琴子ちゃん 悪い顔してますよ」
 
「もうあんた達は~
 早くしないと、バーベキューの準備だってしなきゃなんだから」
 
 さすが女神様、華菜ちゃんの最後の一言で、このじゃれあいもひと段落
 
「なんだよ葵、背中洗ってくれるのか?」
 
「あっいや、背中にチャックあるのかと思って確かめたくなって」
 
「おい!」
 
 私の行動で、洗い場は大爆笑になった。
 
 
  ○
  
  
 一頻り、騒いで冷えた身体も、ポッカポッカになり、部屋に戻りまったりタイムが始まった。
 
 このまったりタイムを終わらせる女神様の一言
「はいはい、エミ、琴子、葵バーベキューの準備やるよ~」
 
「おー」
 
「うぃ~」
 
「はーい」
 やっぱ華菜ちゃんの号令がないと始まらない!
 
「ちょっとまったりし過ぎたわ
 なんか飲まないか」
 
「エミちゃん、私 コーヒー豆持ってきた
 コーヒー淹れようか?」
 
「サンキュー葵 コーヒーヨロシク」
 
「葵ちゃん、私も」
 
「華菜ちゃんはどうする?」
 
「ありがとう葵、外で火起こしするから、外に持って来てもらってもいいかな?
 エミ火起こし行くよ」
 
「あっ華菜ちゃん私が……」
「葵は、琴子を手伝ってあげて
 その前にコーヒー淹れてあげて」
 
 外に行く二人に早めにコーヒー淹れてあげないと
 先ずはお湯沸かして、コーヒーミルに豆入れて、一気に二人分豆を挽いた
 マグカップにドリッパーをセットして、とりあえず一杯づつ
「コーヒーお待たせー
 寒くない大丈夫?」
 
「大丈夫だよコーヒーありがとう」
 
「サンキュー」
 
 次は私と琴子ちゃんの分
 先に淹れてあげないと
 
「はい琴子ちゃん、コーヒーお待たせ」
 
「ありがとう葵ちゃん
 う?
 な~に
 もうちょっと待っててね」
 
「あっうん」
 外の二人のコーヒー淹れてて気が付かなかったけど、琴子ちゃんって家事とかやってるのかな?
 ずいぶん上手いよなー
 
「おいおい葵~ コーヒー淹れて疲れちゃったのか
 なにボーっとしてんの」
 
「あっエミちゃん
 いや琴子ちゃんって、包丁使うの上手だなって思って」
 
「そっか葵は、琴子の料理って食べた事ないんだけっけ」
 
「えっなに琴子の料理?
 あっそっか葵は、食べた事なかったね
 私達も随分食べてないし、琴子の料理ってめっちゃ美味しいよ
 久しぶりで楽しみだよ」
 
「えっそうなの!
 琴子ちゃんって、欠点無しの完璧な人じゃん!」
 
「えっ琴子が完璧?
 アハハ葵は、知らな 」
「わぁ~わぁ~わぁ~
 エミは、余計な事言わなくていいの!
 葵ちゃんが、私をあんな羨望の眼差しで見てるんだから」
 
「葵は、体力測定の時一緒じゃなかったんだっけ」
 
「体力測定?
 一緒だよー
 琴子ちゃんは、私より足速かったし、他の事も私よりも、ちゃんと出来てたよ」
 
「ハンドボー……」
「わぁ~わぁ~わぁ~
 華菜ちゃん 
 葵ちゃんが私に憧れてくれてるのに、想いを壊さないで」
 
 あっ……
 私の憧れの人は小百合さんなんだけど……
「ハンドボールって、体力測定のハンドボール投げの事?」
 
「葵はさぁ どのくらい飛んだか覚えてる?」
 
「私は、運動音痴で体力無いし、対して飛ばなかった気がする
 たぶん十メートルくらいだったような?」
 
「ちゃんと前に十メートル飛んだんだろ」
 
「えっ?
 どういうこと?」
 
「はいはい終わり~
 出来た出来た
 エミと華菜ちゃん、ほら運んで
 葵ちゃん、冷蔵庫からお肉運んで」
 
 ちょっと前に飛んだんだろって、どういう事なんだろう?
 気になるけど、とりあえずお肉お肉お肉 ふっふっふっふっ
 
「ねぇ琴子ちゃん、それ何作ったの?」
 
「あこれ ウフ
 お肉だけじゃって思ったから、野菜スープとアヒージョだよ」
 
「ア アヒージョ?」
 
「うんアヒージョ
 アヒージョって、確かスペイン語で刻みニンニクだったっけなウフ」
 
「へー
 本当に、琴子ちゃんって、いろんな事知ってるんだよなー
 って、本当に美味しそう!」
 
 初めまして、バーベキューした様な気がする
 家族で焼肉屋さんに行く事はあったけど、わざわざバーベキューしに行くって事はなかった気がする
 やはりインドア派の家族じゃハードルが高いのかな……
 
 今度、両親と兄も誘って、家族でバーベキューしてみたいな
 
 でも、本当 野菜スープとアヒージョめっちゃ美味しい
 琴子ちゃんは、本当良いお嫁さんになれそうだよなぁー
 
「どう葵?
 琴子の料理食べた感想は」
 
「うん 美味しくてビックリした
 エミちゃんも、華菜ちゃんも食べた事あったんでしょ」
 
「たまに琴子ん家行った時に、いろいろ作ってくれたんだよ
 お菓子系も最高だぜ」
 
「あぁ~分かる~お菓子は、本気で美味しい
 そういえば、最近、琴子ん家行ってないから食べてないよね
 そういえば、最近ウチばっかだったもんね」
 
「葵も、琴子のお菓子食べたいだろ」
 
「うん 琴子ちゃんが良いなら食べてみたい」
 
「私らも久しぶりに食べたいもん
 本当、琴子の料理やお菓子美味いんだぜ
 ボールは、一メートルしか飛ばないけど」
 
「イヤ~~~~
 エミ~
 せっかくさっきの話し終わらしたのに もぅ~」
 
「本当はね、体力測定の時、いつまでもボール離さないから、背後にボールが飛んでね
 先生も呆れて、下から放ってごらんって言われて、やっと一メートル前に飛んだんだよ」
 
「もっ~エミも華菜ちゃんも~
 葵ちゃんには、バレてなかったのに~」
 
「琴子ちゃん 
 大丈夫!
 ボールなんか生きてく上で必要無いよウフ
 私はそう思うよ
 それに、琴子ちゃんにも、苦手な事が有って良かったウフ」
 
「あ~葵ちゃん笑ったなぁ~」
 
 両手でほっぺを摘まれて、グリグリされた
 
 
 〈 なんだろう楽しい 〉
 
 
  ○
  
  
 初めての県外までのツーリングと、バーベキューでひと騒ぎしたのもあって、あっという間に寝てしまった。
 ふと気付くと、隣で寝ていた華菜ちゃんの姿が見えない、トイレだろうか?
 外からクシャミが聴こえた
 インスタントのコーヒーでも持って行ってあげようか!
 二人分のインスタントコーヒーと毛布を持って、外に出てみた
 
「華菜ちゃん 寒くない
 はいコーヒー
 インスタントだけど」
 
「うん ありがとう」
  
「ここ良い?」
 
「良いに決まってるでしょ」
 
「どうした?
 葵も眠寝ないの?」
 
「ふと目が覚めた時にクシャミが聴こえたから」
 
「聴こえちゃったか アハハ
 ねぇ葵、最近、星って見た?
 ここ、星凄くない
 あ~温ったまる~
 
 ん どうした
 なんか話があったんじゃない?」
 
「あっうん
 話と言うか、なんで言うか……
 私と友達になってくれて、ありがとう」
 
「なにもぅ~」
 
「でも、なんで私なんかって……」
 
「あんたね~
 正直この子、何考えてるんだろうって言うのが、葵に興味を持った最初のきっかけかな」
 
「えっ私ってそんな変だった?」
 
「うん変だったよ
 高一の体育の時だったっけな~
 空見上げて、何かぶつぶつ言ってるし、思わず一組の子に聞いちゃったもん、あの子って、いじめられっ子なの?ってね
 あの子は、いじめられっ子じゃないよ、あーゆー子だよって」
 
 自分の行動には、気を付けているつもりだが、気が付かないだけで、かなりの失態を晒しているみたいだ
 ちょっと恥ずかしくなって
 
 そうだ確か、この佐々木華菜って子が居るクラスには、イジメや仲間外れってのが、男女共に存在しないって聞いた事がある
 またまた見かけただけだが、同じクラスの女子で、仲間外れにされた女子としてしまった女子の間に入って、解決するまで根気良く付き合って解決したらしい
 佐々木華菜という人の中には、イジメというものが存在しないらしく、同じクラスになった人が、泣いているのが自分の事の様に辛いらしく、相談されて、たまに一緒になって泣いているのも見かけた事もあった。
 私も、その場に同席する様になり、釣られて一緒に泣いる。
 
「あんたさぁ~
 前も、私なんかとか言ってたけど、友達になるのに、そんなに理由が必要?
 葵と友達になりたかったんだよ」
 
「あっごめんなさい」
 
「葵がネガティブに想うのは、しょうがないけど、私達といて、楽しくないの?」
 
「そうじゃない
 楽し過ぎて 
 今までは、流される様に付いて行っていだけど
 今日、お風呂やご飯の時、本当に楽しくて
 みんのと友達になれて心から良かったって思えて、こんな時間がずっと続けば良いのに、そんな風に思えたのって初めてだったから」
 
「葵との出会いって、ウチのお店だったじゃない、あの出会いは、私にとって本当良かったと思ってるし、正直お姉ちゃんに感謝って感じかな ウフ」
 
「えっ、小百合さんに感謝って……」
 
「もしかして、バレてないとでも思ってる?
 葵が、お姉ちゃんと話す時の顔って、すっごい良い顔してるのって、皆んな知ってるよ
 たぶん、お姉ちゃんもバイク女子が一人増えてしめしめって思ってるかもねアハハ
 でもね、私達三人との話し方と、葵との話し方が違うのって、分かってなかった?」
 
「えっそうなの、分かってなかった 小百合さんって、行く度に、いつも優しいから、こんな人に優しく出来る人って本当尊敬しちゃう
 私には出来ない事だから……」
 
「そんな事ないよ
 葵だって、優しいじゃない
 このコーヒーだってそう
 外に出る前に持ってくれば良かった~って、後悔したもん
 葵は、何も言わなくても持ってきてくれたじゃない」
 
「私に出来る事ってなんだろうって考えて、華菜ちゃんやエミちゃん、琴子ちゃん三人に、してもらった事を返したいけど、やっぱこんな事くらいしか出来ないなって思って……」
 
「ここを探してくれたの葵じゃない
 琴子の顔見た?
 この施設見た時の目、ハートに成ってたし、エミだって見た瞬間、良い顔してたの分かったでしょ
 ハッキリ言って、私達だけじゃグランピングなんか出てなかったと思うよ
 このツーリングだって、四人で来なかったら意味が無かったし、本当に来れて良かったよ
 葵、おいで」
 
 号泣している私を、抱きしめてくれた
 抱きしめられて、この人の優しさが伝わってきた。
 佐々木華菜という人と、本当に友達になれて良かった
 
「おい、長げ~よ
 外に出るタイミング無かったじゃんか」
 
「えっ あんた達いつから」
「あっ」

「葵が変だったって、とこくらいかな」
「葵ちゃ~ん」
 
 琴子も号泣して私に、抱きつこうと、華菜ちゃんから引き離して、抱きつかれた。
 感受性の高い琴子に見られたって事か
 もう一度、号泣しておこう!
 
 二人泣きやんでから、四人で、満天の星空をしばらく見ていた。
 
 
  ○
    
  
 少しだけ早く起きた。
 昨日の号泣で、目が腫れてしまった。
 
 みんなの朝ご飯を作ってあげよう
 夕食の残りのお肉を食パンに挟んで、スライスチーズを乗せてホットサンドメーカーで焼くだけ、受付で、もう一つホットサンドメーカーを貸してもらった
 
 先ずは、コーヒーを淹れよう
 コーヒーを飲みながら、三人の寝顔を観ながら思わず
 
 
 「…ありがとう…」
  
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