女神様は黙ってて

高橋

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一章 パンドラ

第三話  社と休眠期間

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 歴史上、神様にタメ口で喋った巫女はいる。結構な人数が。
 しかし、神様に「黙れ」と言った巫女は初めてだった。

「あの後、大変だったな」

 ハンクの呟きに、三年前の成人式を思い出す。
 卒倒する司祭。騒ぐ大人たち。それを見て不安になって泣き出す子供達。その中心で神様が静かになってホッと一息つくユニ。
 なかなかのカオスっぷりだった。
 その後にユニの口から出た神の名前に、ようやく目を覚ました司祭が再び卒倒する。卒倒する司祭を放置して、頭を抱えて慈愛を司る神に祈る大人たち。泣き疲れて眠る子供達。欠伸するユニ。
 混沌は悪循環した。
 ちなみに、慈愛を司る神は複数存在して、この時祈られた神はその中でも有名な三柱の神だったが、後からパンドラに聞いた話だと、三柱とも休眠期間だったため、祈っても無駄だったそうだ。

『アンラのクソが腹抱えて笑ってたわ』

 思わず「あんたも大概クソだ」と言いかけたが飲み込む。

「そういえば、休眠期間について聞いてなかったわね」

 思い出したついでに、脳内の神様に話しかける。
 最初の頃は独り言を言っているみたいでなんだか恥かしかったが、慣れるとそんなに気にならない。そもそも、アリスが言うには、ユニは普段から独り言が多いそうで、幼馴染み二人にとってはなにも変わっていない。変わったことは、その独り言が脳内で繋がる女神様に向けられているってことだけだ。

『休眠期間かー。なんて言えばいいのかねー』

 言葉振りから、隠しているわけではなく、どう説明すれば理解するのかを悩んでいるようだ。

『ユニは神魔大戦って知ってるー?』
「ええ。神学書と歴史書の、どちらが正しいのかわからないけど」

 読んだ感想は、どちらも人間の都合に合わせて書かれているように思った。

『まあ、ユニが読んだ本は、どちらも半分正解で半分間違いなんだけどねー』
「どちらも共通してるのは、神と悪魔が戦い世界が壊れかけた、てことかしら」
『うん。そこから間違ってるんだけどねー。正確に言うと神と神が戦争していたの』
「ん? どっちも神様?」
『うん、そう。負けた方が人間には悪者に見えたみたいで悪魔と呼ばれるようになったけどー、私たちにとっては同族の神だよー』

 最初から間違っていたなら疑問が残る。

「同族なら、なんで戦争になったの?」

 人間同士なら同族でも争うことはあるだろう。だが、この場合は神だ。

『んー。気にいらないから、かな?』

 そんなくだらない理由で戦争していたのなら、知りたくなかった。

『あー、うそうそ。嘘でもないか? 最初は地上、人間界の方針の違いから始まったのよ。いろいろ意見があったんだけどー、人間をどう導くかで意見が割れてね。その方針の違いから殴り合いが始まってー、個人の喧嘩から集団戦になって戦争になったの。このあたりは、人間の戦争とほぼ同じよねー』

 認めたくはないけど、その通りだ。人間の戦争も始まるきっかけは、大体くだらない理由だ。
 今現在、隣国が侵略している大陸西端の国は、ただ東を攻めるのに邪魔だから攻められているのだろう。後顧の憂いをなくすため、というのはわかるが、それは攻める側の理屈であって、攻められる側にとってはいい迷惑でくだらない理由だ。
 高尚な理由で始まる殺し合いなんて、存在しない。

『そんな感じで始まった神魔大戦なんだけどねー。人間界がめちゃくちゃになるまで続いたんだよ。多くの神にとってー、足元でうろちょろしている人間のことなんか知ったこっちゃねぇって思ってたんだけどね、人間が減ると人間の願いで生きている私達は、力を失ってしまうんだよねー。おまけに、この星にも結構なダメージを与えてしまってねー。てか、地表を抉る程度なら問題ないんだけど、地核にまで影響を及ぼすとさすがにヤバいわけ。んで、戦争後半にガイアがこの星と同化してなんとかなったんだけど、神と同化したんだから、もうちょっと位やりすぎても大丈夫だろって一部の神が考えてー、その”ちょっと”で鈍感ガイアがキレちゃうわけよー』

 ガイアとは確か大地を司る神だったか。

『んで、この星を司る神を怒らせてまでこの星の上で戦争するわけにはいかないからー、私たちは天界を作って、そこに引き篭もることにしたの。あれは、おっかなかったなー』
「ん? ガイア様ってのは、大地を司る神様じゃないの?」
『その認識で間違ってないけどー、同化したから、正確には星そのものがガイアだよー』

 いまいち理解できないけど……流そうかな?

『川を司る神とか土を司る神とかはガイアの部下、陪神だねー。だから、こいつらに神託の巫女はいないし作れない。星を司る神の巫が、一番力を持ってしまうからねー』
「はあ」

 やっぱり、よくわからない。

『んー、まあ、いいか。これ以上詳しく説明しようと思うと、話が逸れちゃうわね』
「そうね。ガイア様が何者でも私には関係ないし」
『ドライすぎる! ガイアの上で糞尿垂れ流してるのに!』

 なんでこの女神はいちいち下品なんだろう。

「話の続き」
『最近、ユニってば私に敬語使わないよねー。呼び捨てにするし』
「敬語を使ってほしかったら、尊敬できる神様になってください。パンドラ」

 なんかもう、この女神に敬語を使うのが馬鹿馬鹿しくなって、神託の巫女になって半年で敬語をやめて、一年位前から名前も呼び捨てにするようになってしまっていた。人間、女神問わず、誰からも咎められなかったのでユニも気にしていなかったのだが、パンドラは気にしていたみたいだ。

「ユニちゃん。女神様に意地悪言っちゃダメだよ」

 のんびりした幼馴染みの言葉の方が失礼な気がする。

『あー。やっぱ可愛いなー』

 女神様は気にしていなかった。

「それより、話の続き」
『……なんか冷たい』

 この三年で、パンドラが一度拗ねると面倒なのを学習済みだ。
 ここは素直に謝る。と言っても「ごめんね」の一言だが、拗ねる前に謝ってしまえば、この女神はすぐに許してくれる。

『んー。じゃあ、続き話すねー』

 今回もあっさりと許してくれた。

『んで、天界に籠った私たちは、それでも人間への干渉をしたかったのー。けど、それが原因で戦争を始めちゃったわけだからー、別の方法を皆で色々考えて出たのが神託の巫なの。自分の言葉を広く人間へ広めてくれる存在をー、それぞれ一世代に一人だけ作って良い、って決まりを作って、世界を管理するユグドラシステムに組み込んだの。ま、ガイアみたいな、地上のミリタリーバランスを大きく変えてしまう神は巫を作れないけどねー』

 また知らない言葉が出たが、聞くと話が脱線しそうなので今は聞き流す。また後日、気が向いたら聞こう。

『まあ、組み込んだもののー、急造のプログラムだから完璧ではなくて、神託の巫としての能力を持っていても、神の声が聞こえなかったりー、聞こえすぎて精神をやられたりー、別の神の声が聞こえたりと、まだまだバグは山積みなんだけどねー』

 なんだか話が逸れて、ユグドラシステムとやらの問題点を挙げ始める。そんな話を人間にして良いのかと思いながら、話を聞き流す。

(できれば、私は他の神の巫女で、間違いでパンドラの声が聞こえるんだったら嬉しいな)

 豊穣の女神の巫女であれば、ちやほやされただろう。
 少なくとも、国の端っこに社を建てたりなんかしない。きっと、王都の一等地にでかいのを建ててくれるだろう。

(まあ、パンドラの指示したとおりの社になったけど……寝殿造りって言ったっけ、これ)

 パンドラに言われるまま製図を引いて、国に提出したこの寝殿造りと呼ばれる建物は、東域の島国では貴族が暮らす住居なのだそうだ。

(貴族の家ってだけあって、部屋数が多すぎるのよね)

 広すぎるのにアリスと二人で住んでいるので、正殿と呼ばれる母屋の裏の、対屋と呼ばれる離れで生活している。ユニは神託の巫女でありこの社の主なので、本当は正殿で寝起きしなければいけないのだが、広さが心細すぎて、アリスと一緒に北の対屋で寝起きしている。

(建物も多いし……庭は割りと気に入っているけど……手入れがメンドイ)

 広い庭の片隅に畑を作ったら、景観がどうのと女神がねちねち文句を言っていたが、「あんたの悪名で国からの支給金が少ないから畑が必要」と言い返してからはなにも言われなくなった。マジでへこんだみたいだ。

(そういえば、ハンクのおかげで畑も順調よね。さすが、農夫の才能は伊達じゃない)

 畑はハンクが時々手伝ってくれる。職業適性で「農夫」と言われただけはあって、彼が手伝い始めてから、一週間もかからずに畑作りから種蒔きまですんだ。
 それなのに冒険者になってしまった。もったいない。

『とまあ、こんな感じでやれば、人間でもシステムに介入できたりするんだなー』

 やっと終わったみたいだ。

「そう。それで?」
『えっと……どこまで話したんだっけ?』
(こいつ、マジ使えねえな)
「ユグドラ? システムに、神託の巫女を組み込んだとこ」
『ああ、はいはい。んでー、組み込んだ巫に神の声が届くかは、結構低い確率なんだー。しかもー、成人するまでその能力は封印しているから成功してるか確認できないの。最高で三十五人連続で失敗した神もいるんだよー。まあ、人間のキャパで神の声を受け入れるのは、かなり無理しないといけないから、どうしても確率が低くなるのよねー』
「神託の巫女になるのって、そんなに危険なことなの?」
『ユニは大丈夫だよー。人によっては精神崩壊するけど、ユニと私の相性がいいみたい。精神になんの異常もないどころか、神様にタメ口かますヤツなら、問題はないっしょ。数値的にも許容範囲のど真ん中だしねー』

 なんの数値かわからないが、大丈夫らしいから一安心しても良いのだろう。こんな神と相性が良いと言われたのは、否定したいけど。

「ね。私が成人式に出なかったら、神託の巫女にならなかったの?」

 ふと疑問に思ったことを聞いてみた。

『うん。神託の巫の能力が開放されるのはー、才能を司る神の力を借りた神官に才能を見てもらうのが条件だからー。前日までゴネてるの見てヒヤヒヤしたよー』
(やっぱ、行くんじゃなかった)

 とはいうものの、神託の巫女にならなかったら、ユニは既に死んでいただろう。
 この三年の間に、ユニの故郷のカロッテ村は、隣国の軍に攻め込まれている。後から聞いた話だと、軍の一部が暴走したらしい。
 ユニにとってはそんな話しはどうでもいい話で、街道封鎖が解けて駆けつけた時には、焼け野原となった故郷。わずかに残った家が数軒あったが、ユニの実家は焼け落ちていた。家は奇麗に燃え尽きているのに、両親と思しき焼死体だけは残っていた。
 巫女にならずに故郷で暮らしていたら、両親と同じ運命を辿っていただろう。そう思うと神託の巫女になったのは良いことだったのかもしれないが、この女神の言葉を聞いていると、素直に認めたくはない。

『で、だ。巫を介して人間へ言葉を届けることができるようになるとー、自分の理想を人間に押し付けたがる神が出てきてねー。結果、国を大きく傾けたり滅びたりしちゃうわけー。でもー、人間はその責任を神ではなく、巫に押し付けちゃったりするからー、神が自分の理想をゴリ押ししてると必ず巫が殺されちゃうのー』
「うえー」
『ま、私はー、人間の行き先は人間が決めるべきだと思ってるから、私の意見を強制するつもりはないわよー。私の意見は気楽に聞いて参考にする程度でいいわ』
「最初から当てにしてない」
『酷いなー。少しは頼ってよ』

 頼った結果、災害が起きるなら頼らない方が吉だ。

『まあ、いっか。んでね、殺される巫が増えたんでー、慈愛を司る連中が見かねて新しくルールを作ったの。それが休眠期間』

 やっと知りたい話に辿り着いた。

『巫の死因が寿命以外ならー、その神に休眠期間というペナルティを科しますよってぇルールなんだけど』
「なんか、休眠って言われると、ペナルティって感じがしない」
『休眠期間ってのは、なにもない空間に居続けるだけー。だけなんだけどー、神は退屈を嫌うからねー。億年単位のペナルティを喰らったヤツがいるんだけどー、まだ出てこないんだー』
「期間はどう決めるの?」
『んー。ベースになるのはー、巫の寿命から享年を引いて100倍。そこに死因と死因に至るまでの状況が換算されるのー。あとはー、審判を司る連中の気分次第?』
「私の寿命って決まってるの?」
『決まってるけど教えられないわよー。教えるのは違反。違反したらー、休眠期間に加算されるからー』
「巫女が幸せに天寿を全うしたら?」
『そのまま次の巫を作れる。あんまりないけどね』
「それは……メリットなの?」
『言ったばかりだけど、神が一番嫌がるのは退屈なのよー。まあ、アマテラスみたいなヒキニートは別だけどー。私達にとって、休眠期間はなんとしても避けたい罰則だし、巫を看取った後すぐに次を作れるのは嬉しいことなのよー。まあ、巫に思い入れがありすぎて、次の巫をなかなか作れない神もいるけどねー』
(こいつはすぐ作りそうだな)
「けど、作っても、成人するまで成功したかわからないのよね?」
『失敗するかもしれないから面白いのよー』

 成功するとわかっていたら、待っている間が退屈でしょうがないそうだ。
 人間にとっては毎回成功した方が良いような気がするが、神にとっては違うらしい。

「今までに、幸せに天寿を全うした巫って、何人くらいいるの?」
『んー。休眠期間がゼロは……確か二人、かしら? あと一人、休眠期間が50年ってこともあった』
「50? 100倍なのに?」
『うん。幸せな人生も、あと半年で寿命ってーとこで事故死。故意ではなく偶然。特に誰かに恨まれたわけでもなくー、偶然、馬車に撥ねられて死んじゃったのー』
(その事故死もカウントされるんだ)

 もうそこまで幸せに生きられたんなら、半年くらいおまけしても良いような気がする。
 その時代がどんな時代かは知らないけど、今は戦乱の時代で、自分はそんな幸せな人生は送れないだろうな、と、なんとなく考えていると。

『確か、三人とも神になってるはずよー』
「ん? どゆこと?」
『神に生き方を認められた巫はー、神にするってルールもあってねー。適用された例はあんましないけどー、担当神の陪神として天界で下働きするのー。寿命まで生きると結構ポイント高いからー、後天の神になる近道なのよー。あとはー、審判を司る連中に認められてなる場合もあるわね。こっちは寿命じゃなくても昇神できるわー』
「そ。てか、神様になっても働くの?」
『根っからのニートねー』
「ニートを司る神になるわ。あ、もう、いるかな?」
『いるけどー、複数いても問題ないわよー。少ないし。太陽神なんて売るほどいるんだからー』
「ふーん。売られても困るけどね。まあ、そこそこ長生きして、パンドラの退屈な時間を減らしてあげるわ」

 ユニだって普通の人間だ。できれば寿命で死にたい。

『うん。頑張って寿命まで生きてねー。あ、犯されたりすると、結構な休眠期間が加算されるからー。これ重要ー! 戦乱の時代だと犯される巫女が結構いるのよねー。入れられる前に玉を蹴り上げなさい。潰す勢いで!』
(次は神託魔法の話を聞きたいんだけどな)
「次は」
『それと自殺もダメー。これが長くなるんだよー』
「しんた」
『それとねー。巫女が犯罪を犯すのもダメだよー。軽犯罪でも地味に長くなるんだー』
「聞いて」
『忘れるとこだった。心を壊されると、すんごい長くなるからー』

 女神による休眠期間が長くなる条件の説明は続くが、ユニにとってはそこまで興味のある話ではなくなっていたので、長いため息を吐いてから告げる。

「パンドラ。五月蝿い」

 もう、この女神に敬語を使うことはないだろう。
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