女神様は黙ってて

高橋

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一章 パンドラ

第十五話 お礼参り2

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 つむじの辺りを引っ張られる感覚がなくなったので、ユニが目を開けるとそこは天界だった。

(なんか、すんなり天界に来られるようになったな。もう、この景色も見慣れちゃったよ)

 この三ヶ月間に、暇つぶし感覚で神降ろしをしていたせいだろう。
 場所もパンドラの定位置なのか、毎度見慣れた公園のような場所の隅にあるベンチだ。
 パンドラの体の具合を確認するように、手足を動かしてみる。

(ふむ。パンドラの体も慣れてきたな)

 以前よりはるかにスムーズに動かせる。
 ベンチから立ち上がり、屈伸運動をしてみる。なんか、胸がタユンタユン揺れてイラッとした。

(もぎ取ってやろうかしら)

 パンドラの胸に手を当て力を込める。

「いったー!」

 ユニの握力ではありえない痛みにのた打ち回る。

(これが神の握力か)

 厨二っぽくワナワナしてみる。

「あら。あなた」

 ユニの顔に陰が差し込む。
 横になったまま見上げると、顔はよく見えないが、多分美人がユニを見下ろしていた。大きな胸だがユサユサ揺れていない。動く度に胸がユサユサ動くパンドラと違って、ちゃんと下着を着用しているのだろう。パンドラの体は、動く度に胸がユサユサ動いて鬱陶しい。

「その輪郭は、ミネルヴァか?」
「神を呼び捨てにするとは、パンドラさんはどんな教育をしているのかしら」
「あんたより教えてくれる。あんたがそんなんだから、あんたは負けたんだろ!」

 本来なら負けたのはセシリアの率いる軍なのだが、ユニは戦神ミネルヴァと戦っているつもりだったので、ユニの中ではミネルヴァが負けたことになっている。
 ミネルヴァ自身も理解しているのか、言われて少し落ち込んでいるような雰囲気だ。
 セシリアの将としての能力を高く評価しているユニは、ついでだからこの機会に、セシリアがなぜ負けたのか説教交じりにミネルヴァに教える。当然、戦の神であるミネルヴァにとってはユニから聞かずとも既に知っていることだが、ユニの有無を言わさない態度に口を挟めず、お説教の最後に半泣きにされた。
 ミネルヴァを落ち込ませて少し気分が晴れたけど、そんなミネルヴァに見下ろされる形になっているのが癪だったので、邪魔な胸を抑えながら起き上がる。

「んー」

 相変わらずミネルヴァの顔を凝視していると、頭が痛くなる。しかし、慣れてきたのか少しずつではあるが、目鼻顔立ちがわかるようになってきた。

(やっぱ、すげー美人だな)
「そういえば、鏡ってある?」
「あなたは礼儀作法を学ぶべきですね」
「いや、そういうのいいから」

 担当神が二年前に諦めたことを、今更持ち出されても。

「あなた、本当にパンドラさんにそっくりね」
「え。やめてよ」

 心底から嫌だ。

「そんで? 鏡はあるの?」
「ありますけど、なにに使うのですか?」
「パンドラの顔を見てみたいなって」

 ミネルヴァの顔も薄っすら見えてきたから、鏡越しならパンドラの顔を見れるんじゃないかと思った。

「前にも言いましたが、神の姿を人間が見ようとしても、情報量が多すぎるのであなたの魂が処理しきれませんよ」

 以前、パンドラから、最悪の場合は魂が砕け散ると言われた。
 しかし、その兆候はないと思うので「この機にあいつの顔見ちゃおう」と楽観的に考えた。

「大丈夫、平気。ミネルヴァの顔も薄っすら見えてるし、頭痛も最初の頃ほどじゃないから」
「ああ。おそらく、パンドラさんと相性が良いからでしょうね」

 それは認めたくないが、まだパンドラの体に馴染んでないからか、動くのが億劫なのでいちいち反論はしなかった。

「どうぞ」

 どこから出したのか、ユニの目の前に手鏡を差し出す。

「あんがと」

 手鏡を受け取り、鏡を覗き込む。

「つあっ!」

 ミネルヴァの姿を見る以上の頭痛に、再びのた打ち回る。

「うー、あー」

 ダンゴムシのように丸まり、頭を抱える。
 しばらくこの体勢で唸っていたら痛みが引いてきた。

「むー、なんかフラフラする」

 視界の端にミネルヴァの足が見えた。ミネルヴァに土下座している形になっている状況に気づいて、ノロノロ起き上がる。

「んー。返す」

 手鏡をミネルヴァに返す。

「見えましたか?」
「うん。一瞬だけど見えた。ムカつくけど結構美人だ」

 認めたくないから「結構」と言ったが、本当はかなりの美人だ。
「そうですね。認めたくはないですけど、美人ですね。結構」
 初めてユニとミネルヴァがわかり合えた。「パンドラムカつく」という意見で。

「あれ?」

 ボンヤリと自分の顔を見ているユニの声に、ミネルヴァが首を傾げるだけで問い返す。

「ああ。なんか……視界が急にクリアになった。あんたの顔もはっきり見える」

 やっぱり美人だ。パンドラが下町の美人なら、ミネルヴァは血統書付きの貴族令嬢といった感じの美人だ。

「立て続けに大量の情報を流されて、魂の強度が上がったんでしょう。あなた、陪神に成るつもりですか?」
「陪神ってあれよね。担当神の休眠期間が無しの時の、神へのご褒美だっけ?」
「少し違います。巫へのご褒美です。それと、巫が天寿を全うした時だけではなく、審判を司る神々に認められた巫も昇神します。生きたまま昇神した巫はいませんけどね」
「私は神様になんかなりたくないわよ。あいつの下働きとして働かなきゃいけないんでしょ? ただでさえ働きたくないのに、パンドラのパシリなんてもっと嫌」

 この時パンドラはセシリアの服を脱がしていた。そんなパンドラの姿をセシリアの視界から見ていたミネルヴァは、「ああ」と納得した。

「そんなことよりさ。セシリアのことで、あんたに言いたいことがあったのよ」
「わたくしの巫女のことで、あなたにとやかく言われる筋合いはありません」
「いやいや。そんなんだから私達に負けるんだよ」

 さすがにこれはイラッとしたのか、すまし顔だったミネルヴァの眉がピクリと動く。よくよく考えたら、さっきのお説教も真面目に聞く必要はなかった。

「わたくしが負けたわけではありません」
「あんたの名の下に行われる戦が全て聖戦なら、負けた責も巫女と一緒に負うべきだな。でなきゃ、あんたを信じて死んだ者達に失礼だ」
「なぜわたくしが、人間に礼を尽くさねばならないのです?」
「礼を尽くす必要はないよ。けどさ、自分の巫女のことをもう少し信じてあげなよ、ね」
「それこそ、わたくしとあの子の問題です。あなたにとやかく」
「ああ、めんどくせーな。そうやって、人間を信じないから負けたんだろうが」

 ミネルヴァに、露骨に嫌そうな顔をされた。

「てか、そんなに認めたくないのか」
「認めるもなにも、あの子が負けただけで、わたくしが負けたわけではありませんから」
「セシリアが負けたのは認めてんだ」

 ユニの言葉にミネルヴァが腕を組む。その姿を見ながら、「腕の上に胸が乗るってどんな気分なんだろう」と関係ないことをユニは考え始める。パンドラの体にいる間に試せばいいのだが、それはそれで癪なのでやらない。

「わたくしの言うことを聞かないからです。負けて当然でしょう」
「重要なことを言わないからだろ。重要なことを言わないくせに、神の威光とか余計な話しばかりするから負けるんだ。そんなんで勝てる戦はないよ」
「戦神であるわたくしに、戦を語りますか」

 ミネルヴァは、怒るわけでなく呆れている。怒りを通り越して脱力しているだけかもしれない。

「セシリアに、神託魔法でできることとできないことをちゃんと教えていれば、勝てたかもしれない。それくらい、セシリアの将才は凄いんだよ」

 初めて隣国の巫女の資料を見た時は、どうせ神託魔法のゴリ押しで戦に勝っているのだろうと思っていた。ところが、資料を読めば読むほどその思い込みは否定され、セシリアの凄さが際立った。セシリアは、殆どの戦で神託魔法を使っていない。にも拘らず、常勝不敗。資料を読み終わる頃には、セシリアの将としての偉才を認めざるを得なかった。

「そのわりに、あの子を脳筋とバカにしていませんでしたか?」
「そうしたのはあんただろ。侵略の理由くらい自分で考えさせろ。神託魔法でできることをちゃんと教えろ。敵になる巫女の神託魔法も教えろ。そうしていれば、あいつはせか、西域一の名将になっていたよ」

 「世界一」と言いかけたが、「世界一」と呼ぶにはユニは世界を知らないし、セシリアのことを認めていると言うだけでも照れ臭いのに「世界一」なんて言ったら。

「そんな赤面しながら言われましても」

 上手く誤魔化せたと思ったが、パンドラの体はユニの感情を素直に表現してくれた。
 ムカついたので自分の顔を殴っておく。当然だがすごく痛い。

「ともかくさ、これからセシリアは大変なんだから、あんたが支えてあげなよ」
「大変? 戦力の再編成がですか?」
「違うよ。いきなり処刑ってこたぁないと思うけど、最低でも、騎士団を取り上げられるくらいはあると思う」
「帝国が裏切ると?」

 ミネルヴァのこの質問に、ユニはため息を返す。

「なんです?」
「いや、おめでたい神様だなって。帝国にとって、戦神の巫女は使い勝手のいい道具にすぎないの。その巫女の担当神が、ミネルヴァだろうとスサノオ様だろうとアレース様だろうと、関係ないの。帝国にとって利益をもたらせば崇めるし、今回みたいに不利益をもたらすなら、どうなるかは神様の方がよく知ってるでしょ?」

 ミネルヴァは、思い当たる巫を思い出しているのか、不快そうな顔をしている。

「そうですね。人は神の名を借る時と正義を振りかざす時に、もっとも残酷になりますから」
「それを知ってるなら、神の名の下の戦をするなよ」
「残酷に殺されたくないから、敵が降伏するんですよ。結果的に犠牲は少なくて済みます」
「結果的に敵を増やしてるけどな」

 これから帝国は、セシリアに滅ぼされた各国が兵を挙げて、あちこちで反乱が起きるだろう。
 下界の状況がわかっているのだろうか。ミネルヴァは悔しそうな顔で黙ってしまった。

「本当はあんたをぶん殴ってやろうと思ってたけど、その顔を見れて満足しちゃったわ。それよりさ」

 ユニが言いながら周囲を見渡す。周囲は様々な姿をした数柱の神に囲まれていた。そんな中の一柱に視線を止める。

「ずっと気になってたけど、あの神様はなに?」

 視線の先には、全裸で目隠しして手に剣と天秤を持った女神がいる。

「あれは……気にしないで」

 いや、気になるよ。

「前に、正義を司る神は変態ってパンドラが言ってたけど……あれ?」

 指差された女神は、「変態」と呼ばれて嬉しいのか、体をゾクゾクと震わせていた。

「うわ! きもっ!」

 思わず神に対してかなり失礼なことを言ってしまったが、言われた目隠し全裸女神は、嬉しそうな表情で股をモジモジさせながら、剣の切っ先で足元を確認してジリジリと近寄る。
 身の危険を感じて、ミネルヴァの後に隠れながら変態から距離をとる。

「ちょっと。わたくしを盾にしないで下さらない? わたくしもあの方、苦手なんです」
「うわ! こっちにも!」

 後にも同じ格好をした女神がいた。
 こちらも同じように、ジリジリと距離を詰めてくる。

「前がテミスさんで、後がユースティティアさんです」
「名前はいいから追い払って! ってか、近よんな変態!」

 前後の女神が恍惚とした表情で震える。

「余計なことを言わないで下さい。この方々は、無視するのが正しい対応です」
「なるほど。下界に正義が失われたのは、こいつらのせいか」
「元々正義なんて曖昧なものですから、ないのと同じです」
「神が言うなよ。てか、あんた散々、自分の戦は正義とか言ってたじゃん!」
「曖昧だからこそ言った者勝ちです」
「認めちゃったよ!」
「それより服を摘ままないで下さい」

 摘まむと言うレベルではなく、ユニはガッツリとミネルヴァの服を掴んでいる。

「私とあんたの仲じゃん。ね?」
「巻き込まないで下さい。あなた、本当にパンドラさんにそっくりですね」
「おう? それ喧嘩売ってる? 変態女神よりてめぇが先か?」
「そう言いながら抱きつくのは、やめてください」

 後のユースティティアは、既に残り一メートルくらいまで近づいている。

「いやごめんマジでなんとかして!」
「こんな時だけ頼らないで下さい」
「人間なんてそんなもんでしょ? 助けてくれるんなら、神様でも悪魔でも詐欺師にだって救いを求めるもんだって!」
「だからガリラヤの詐欺師が作った宗教が、地味に広まってるのね」

 ミネルヴァが言っているのは、西域の東の方で最近信者を増やしている宗教だろう。詳しいことは知らないが、中央教会と水面下で信者の削り合いが行われている。と、どこまで本当かわからないが、以前、ハンクが持ってきた噂を聞いた。

「あれって詐欺なの? 祈ったらなんでもしてくれる神様なんでしょ? なんの神様か知らないけど」
「そんな神がいるわけないでしょう。信仰心に対する力しか使えないように、システムに制限がかけられているんですから、ってテミスさん? わたくしは関係ありませんよね?」
「ちょっ! 私を見捨てなごふっ!」

 ゼロ距離から脇腹にミネルヴァの肘を喰らう。
 さすがは戦神と言うべきなのか、ノーモーションの攻撃は、神の身体能力を使いこなしつつあるユニをもってしても回避できなかった。まあ、中身は中央教会で護身術を学んだ程度の素人だから仕方ないけど。
 膝から崩れ落ちるユニを尻目に、ミネルヴァが二柱の変態による前門のテミス、後門のユースティティア状態の挟撃からそそくさと逃げる。

「うー」

 痛む脇腹を押さえ顔を上げると、そこには目隠しした変態の顔があった。

「ひぃ!」

 思わず全力で殴ってしまったら、前門の変態ことテミスが、周りを囲むギャラリー神共へ吹き飛ぶ。
 人間の身体スペックではありえない現象に、ポカンと呆けていると、肩をトントンと叩かれる。
 そこになにが待ち受けているのか予想できるが、ゆっくり体ごと振り向く。
 そこには後門の変態ことユースティティアが、「私も私も」と言いたげな表情で自分を指差しながらユニを見上げていた。

「きもい!」

 ユニのこの一言に、後門の変態の足元になにかがポタポタ落ちる。足元を見てしまうと蔑んだ目を向けてしまい、ご褒美になるので好奇心を押さえ込む。
 ジリジリにじり寄る変態から距離をとろうと、後に一歩下がったところでユニの動きが止まる。

「ふへぇ」

 後からした声にビクリとなる。
 真後ろで、排除したはずの変態が起き上がり、再びユニをロックオンしていた。ユニにしてみたら、前門の変態と後門の変態が入れ替わっただけだった。むしろ、ご褒美を貰ったテミスはおかわりを求め、お預けをくらっているユースティティアは我慢の限界が近くなり、と状況は先程より悪化していた。

「うぇ」

 前門のユースティティアがジリジリ距離を詰める。足元を探る剣の音が、カウントダウンにも聞こえる。

「どうすれば」

 後門のテミスが熱のこもった吐息を漏らす。今すぐにでも廻し蹴りをお見舞いしたくなったが、ご褒美にしかならないのでグッとこらえる。

「誰か」

 救いを求めるように左右へ視線を向けても、ギャラリーの神々は、面白い見世物を見ているような顔をしている。

「うー。……助けて、パンドラ!」

 助けてくれそうなのは、頼りたくない相手しかいなかった。
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