女神様は黙ってて

高橋

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二章 グナー

第九話  毎朝美少女に起こされたい

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 愛染愛知の朝は、幼馴染によって始まる。ただし。

「愛知。起きて」

 兄の方。
 薄目を開けて、自分を起こす美少年を確認する。

「はぁ。お前が美少女だったらな」
「毎朝理不尽なことを言われる身にもなってほしいね」

 言われる才人も慣れたもので、いつもの軽口を返す。

「ほら。早く起きて。ご飯できるから」
「ご飯を作ってるサイちゃんが、起こしてくれたら解決するんじゃない? 才人も料理できたよね?」

 両親が忙しい愛知に代わって、愛染家の家事全般を幼馴染の兄妹が分担しているので、兄妹揃って家事万能だ。

「次にそれ言ったら、関節極めて起こすよ」

 寝ぼけた頭で深く考えずに喋っているが、どうやら、才人の地雷を踏んでしまったようだ。

「んー。怒ってる?」

 伸びをしてからノロノロと起き上がり、ベットの端に腰掛ける。

「そりゃあね。妹と比べられるのはね」

 そう言いながら、甲斐甲斐しく着替えの制服を用意してくれる。

「愛知にとって、俺と比べられるような感じかな?」
「ああ。それは、ごめんだわ」

 素直に頭を下げる。
 小さい頃から、愛知がなにかを始めると、才人も同じことを始め、すぐに愛知より上達する。空手を始めた時も、剣道を始めた時もそうだ。いつも愛知より強くなる。その度に才人と比較され、嫌な気持ちになる。
 それなら団体競技ならと野球を始めたら、始めて三日目には、才人がピッチャーで四番打者になる。
 それならサッカーは、と始めたら、二日目に才人が試合でハットトリックを決める。
 そんな理不尽な才能の隣で比較され続けていたことで、愛知が最も嫌うのは”人と比較される”ことになった。より正確に言うと”才人と比較される”ことだ。
 寝巻きを脱いで、ボクサーパンツ一枚になる。

「それでもやっぱり、毎朝美少女に起こされたい」
「彩歌以外の、だろ?」

 手渡された靴下を履き、続いてTシャツも着る。用意された制服を見て「そういえば、今日から冬服だった」と思い出す。

「そだね。さっきはああ言ったけど、もうサイちゃんに起こされるのは嫌かな」

 中学生の頃、愛知を起こしに来た彩歌が目撃したのは、男性特有の朝の生理現象だった。

「股間に踵落としは、ね」

 本人が言うには「びっくりして、つい」らしいが、やられた方はたまらない。一部の男性にとってはご褒美かもしれないけど、ドSの愛知には拷問でしかなかった。
 きっちりアイロン掛けされたYシャツを着て、ズボンを穿く。ネクタイに手を伸ばそうとしたら、先回りした才人に結ばれた。

「新婚夫婦かよ」

 そこで笑い飛ばしてくれたら愛知としてもありがたいのだが、照れ笑いされたら愛知も顔が赤くなってしまう。
 気まずい空気を咳払いで誤魔化し、ブレザーを手にして部屋を出る。
 鞄は、すでに才人が玄関に置いてくれているので気にしない。
 部屋を出る時、忘れ物がないか振り向いたら、才人がハンカチを差し出していた。

「出来る嫁か」

 さすがに、二回目は笑い飛ばしてくれた。
 階段を下りて、トイレで用を足して、洗面所で顔を洗ってから食卓へ向かう。
 三人分のシンプルな朝御飯が用意されていた。
 幼馴染の兄妹は既に並んで座っていたが、食事には手をつけていない。

(今日の席はサイちゃんの向かいか)

 才人が座る椅子は、才人の向かいと彩歌の向かいが、日替わりになっている。

「「「いただきます」」」

 三人揃って食べ始める。
 愛染家の風習というわけではないが、愛知は食事中に自分から喋らないので、話題の提供は竜崎兄妹からになる。が、今日は二人共静かだった。
 最後に食べ終わった愛知が手を合わせて「ごちそうさま」と言う頃には、才人と彩歌は歯を磨き終わって、食器を洗い始めていた。
 ダメ亭主のように、食器をそのままにして歯を磨きに行く。
 歯を磨いていると、洗い物が終わった彩歌に寝癖を直される。
 玄関へ向かうと才人が待っていて、置かれた鞄を手にして靴を履く。

「忘れ物はありませんか?」

 彩歌の問いに、まだ覚めきっていない頭で「んー」とだけ答える。

「ハンカチは持ちましたか?」
「オカンか」

 兄が嫁で妹が母。

「変な兄妹だな」

 愛知の呟きに、才人が「ははっ」っと笑いを漏らす。
 二階でのやり取りを知らない彩歌だけ、状況がわからず、愛知と才人の顔を見比べて諦めたようにため息をつく。
 そんな彩歌を置いて玄関を開けると、門の外に才人に似た中年男性が仁王立ちで待ち構えていた。

「おはようございます。才利小父さん」

 顔が完璧な左右対称の美中年、才人と彩歌の父である竜崎才利に軽く会釈する。
 門を開け道路に出ると、ガシっと両肩を掴まれ。

「今日も、愛知のせいで、可愛い息子と愛おしい娘が一緒に朝御飯を食べてくれなかったよ」

 内心で「知らんがな」と思いながら「そっすか」とだけ答える。

「パパ。そろそろ会社に行かないと、遅刻するわよ」

 玄関の鍵を掛けていて最後尾になった彩歌が、門を閉めながら素っ気なく父親に言う。

「え? 彩歌ちゃん反抗期なの?」

 娘の冷たい反応に、情けない顔になる。情けない顔なのにカッコイイ。

(イケメンは爆ぜて下さい)
「じゃあ、小父さん。俺らも遅刻しちゃうんで」

 才利の勤め先は駅とは反対方向なので、才利とはここでお別れだ。駅に向けて歩こうとしているのだが、両肩を力強く掴まれているため動けない。

「愛知。彩歌ちゃんの御飯は、美味かったかい?」

 口調こそ優しかったが、目つきは鋭く、迂闊なことは答えられなかった。

「ええ。美味しかったですよ」

 両肩を握り潰す勢いで力が込められる。

「不正解かー」

 才人と彩歌が愛知と一緒に朝食を食べるようになってから結構長い。毎朝この質問を受けるが、未だに正解がわからない。今日も不正解らしい。

「もうさ。小父さん、さっさと会社行って、受付のお姉さんにモテてきなよ。んで、彩音さんにボコられなよ」
「ああ。昨晩もボコられたよ。愛知のせいでな」

 愛の女神の神託魔法には、異性から少しだけ好意を向けられるようになる神託魔法がある。これを美形一家の竜崎家の者に使うと、女神の予想以上にモテてしまう。つまり、才利がなにもしなくても女性の方から言い寄ってくるようになる。

「そっかー。じゃあ、今日も、グナー? ”モテ期到来”を要請する」
「ちょっ! やめて! 移り香で浮気を疑われるのは、もう勘弁して!」

 父親の情けない姿に、竜崎兄妹の目から光が失われる。

『可哀相だからやめなさい』
「ダメ?」
「あぁ! 女神様! ありがとうございます!」

 両手を天に突き上げる歓喜の父親に、兄弟が揃ってため息をつく。

「さ、先輩。行きましょうか」

 喜びに震える才利を後にして、駅への道を歩き始める。
 曲がり角を曲がる時に振り返ると、才利は先程と同じポーズで神に祈りを捧げていた。

「残念な父親です」

 彩歌の反抗期は、まだ続きそうだ。

「そういえば愛知。棚本君の噂、聞いた?」
「んー? あぁ、あれか。えっと、中原先輩と付き合えたんだっけ?」
「いや。そっちじゃなくて」
「ん? 別れたの?」

 恋愛相談を受けたのが先週で、その翌日の放課後に告白して付き合い始めた、という話は、そのまた翌日のクラスの噂話で聞いていた。

「なんかね。中原先輩の両親に棚本君を紹介したら、両親に気に入られて、そのまま婚約だって」
「へー……婚約?」

 まだ覚めきっていない頭が、急速に覚醒した。

「え? 飛びすぎじゃね?」
「飛びすぎだね。こないだからその噂で持ちきりだったんだけど、その様子だと聞いてなかったみたいだね」
「棚本の名前が何度か出てたのは聞いたけど、聞き流してた」

 正直に言ってしまえば、野郎の動向に興味がなかった。恋愛相談の結果、告白に失敗して愛知を恨むのなら、才人がすぐに噂を聞きつけて対処するはずだ。対処しきれずに刺されたこともあるが、この幼馴染を信頼しているので、今回も気にしていなかった。てか、優秀な竜崎兄妹の網をかいくぐる人間は、そう多くはない。

「それで、婚約がどうしたの? 高校生で婚約ってのは珍しいけど、今までの恋愛相談で婚約どころか、すぐに結婚した人だっていただろ?」
「まあ、婚約が本題じゃなくてね。中原先輩がね、愛知にお礼をしたいんだって」
「なぜ、俺に直接言わないんだ?」
「婚約者がいるのに愛の巫覡と会うのは、ちょっと拙いと考えたんじゃないかな」
(浮気を疑われるとでも思ったのかな? 考えすぎだと思うけどな)
「ほんじゃあ、お礼はいらないって言っといて」
「いいの?」
「いいもなにも、恋愛相談を商売にしていないから、貰う理由がない。今回の件で噂が広まれば、信仰心が集まるだろうから、むしろ貰いすぎになるかもしれない」

 あんな目立たない少年を、年上の生徒会長と婚約させたのだ。「愛の巫覡に恋愛相談をしたらその恋は成就する」と噂に尾ひれが付いてくれたら、かなりの信仰心を集めることができるだろう。その分忙しくなるから、収支はマイナスだけど。

『まあ、集めても、使える神託魔法が少ないんですけどね』
「愛の女神って、神託魔法の種類、少ないの?」
『そうでもないですよ。人の行動の根幹にあるのは、愛ですから』
(金銭欲とか権力欲とかも、大元は金や権力に対する愛、か)
「まあ、愛のない人間は存在しないからな」
「え? 殺人鬼とか子供を虐待する親とかは?」

 普段は女神との会話中に割り込まないのだが、珍しく才人が疑問を挟む。

「そういった連中にも、自己愛は存在する。人間の行動原理は、愛だよ。多分」

 人間の全てを知ってるわけではないし、たかだか、十七年しか生きていないので「多分」と付け足しておいた。
 電車に乗り、学校の最寄り駅で降りて、学校が見えてくる頃には、視界に入る人間が愛知と同じ制服を着た同じ学校の生徒だけになる。同時に、竜崎兄妹を左右に侍らせるように歩く愛知に、男女問わず、嫉妬と殺意が籠った視線も増える。一部、腐った視線も感じるけど、それは無視。

「ん? あれは、雪平さん、か?」

 校門の前で、誰かを探しているような素振りの女子生徒を見つける。

(棚本を探してんのかな? だとしたら、吹っ切れてないんだよな)

 通り道なのでわざわざ避けて通る必要もなく、かといって、親しげに話しかける間柄でもない。妥協点として、通り過ぎる時に軽く会釈だけしたら、雪平も気づいて通り過ぎる愛知の腕を掴んで引き止めた。

「えっと……なに?」

 掴んだ雪平自身が、自分の行動に驚いた様子だ。愛知の言葉に、フリーズしていた雪平が慌てて手を離す。

「失礼しました。それと、おはようございます」
「うん。おはよう。雪平さん」

 丁寧な謝罪と挨拶に、軽く答える。

「えっと……なにか用? かな?」
「はい。少し、お時間よろしいですか?」

 質問に頷くと「こちらへ」と歩き始める。

「それじゃあ、俺は先に教室に行くよ」

 才人はそう言って、愛知の肩に下げた鞄も持って教室へ向かう。
 横を見ると、彩歌が当然のように付いてくる。

「サイちゃんは来るの?」
「ええ。雪平さんさえ良ければ、ですけど」

 雪平は背中に刺さる二人の視線に、首だけ振り向いて「構いませんよ」と笑顔で答えて、そのまま学食へ入る。
 学食内は、朝錬後に軽く食事をしている生徒が数人いるだけで、昼休みに比べるとはるかに空いていた。
 なにも言わずに雪平が入り口近くの席に座る。手で座るように促すので、その対面に愛知が座る。当然のように、その隣に彩歌が座る。
 彩歌が座るのを見届けてから、雪平が姿勢を正し、まず、わざわざ足を運ばせたことを謝罪する。
 それほどの距離を歩いたわけではないので、愛知は気にしていない旨を伝えると、雪平の硬かった表情が少しだけ緩んだ。

「それで、ですね。きちんとお礼を言いたかったんです」
「ん? お礼?」
「はい。敦君の恋愛相談を受けてくださって、ありがとうございます」

 座ったまま、丁寧に頭を下げる。
 恋愛相談で感謝されることはあっても、ここまで畏まったお礼を言われるのは初めてで、少し面食らった。

「ご丁寧にどうも。けど、礼を言われる程のことはしていないよ。相性を見ただけ。大した神託魔法を使ったわけじゃない」
「それでも、お礼を言いたかったんです」

 その表情は、どこか悲しそうだった。

「それは……棚本君を諦められるから?」

 一瞬見せた悲しそうな表情が愛知の心に引っ掛かって、つい、踏み込んだことを聞いてしまった。
 脇に置いて見ないようにしていた本心にスポットライトを当てられた雪平は、少しだけ苦しそうな表情を見せたが、すぐに表情を引き締めて深呼吸をする。

「そう……ですね。諦めることができてホッとした、というのが本心でしょうか」
「ホッとした?」
「ええ。小さい頃から見ていた人が、私のことを異性として見てくれないのは、辛いです」

 その視線は愛知ではなく、その隣の彩歌に向けられていた。

「結局、棚本君には気持ちを伝えなかったの?」
「中学の時に。けど”妹にしか見えない”って」
「ああ。俺の場合は”兄しか見ていない”って言われたな」
「え? 竜崎さんにですか?」
「うん。小学校の何年生だったかな? まあ、あっさり振られたよ」

 自分の失敗談を聞かせて雪平を慰めるつもりだったが、チラリと横目で見た彩歌の表情が辛そうなものだった。

「サイちゃん。そんな顔しないでよ。昔の話だろ? 俺だって、もう吹っ切れてるよ」

 彩歌を慰めたつもりが、ますます辛そうな顔になった。

「あ、あの、愛染先輩。そろそろ、教室に行かないと」

 二人の間になにがあったのか、わからないなりに察した雪平が、助け舟を出した。

「ん? ああ、そうだね」

 食堂を見渡すと、愛知達しかいなかった。

「それじゃあ、雪平さん。次の恋が、良い恋であることを祈ります」

 才人が考えた振られた相手への定型文を贈る。
 愛知と雪平が席を立つと、彩歌も遅れて立つ。
 いつもと違う彩歌の反応に、愛知は首を傾げるが、彩歌の突き放すように言った「なんでもありません」という一言で追求できなくなった。
 食堂を出てすぐの第二校舎が、愛知達二年生の教室がある校舎で、一年生の教室は右手奥にある第三校舎だ。二人とは食堂を出てすぐ別れることになるが、彩歌の様子が気になって、しばらく二人の背中を見送った。

『心配するほど落ち込んではいませんよ』
「どっちが?」
『二人共、です』
「まあ、転んでも、立ち上がる時は一人で立ち上がらないと、本人の為にならないからね」
『女の子は強いんですよ。愛知とは違います。愛知は、立ち上がるのに随分と時間がかかりましたよね』

 昔を懐かしむ母親のような声音に、少しイラッとした。

「うっさいよ」

 小さい頃の話を自分で話すのはともかく、他人に持ち出されると照れ臭いことばかりなので、少しだけ顔が赤くなりながら教室へ向かった。
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