女神様は黙ってて

高橋

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間章3

テミス

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 天界の中央区から外れた辺りにある公園を、全裸で目隠しして剣と天秤を持った女神がキョロキョロしながら歩いている。

(こっちからご主人様の気配がする)

 探している神の気配の側に大きな気配が三つある。一つは同志ともいえる神の気配。一つは探している神の主神。残った一つは、覚えがあるけど誰だったかちょっと思い出せない。
 剣で足元を確認しながら気配を頼りに進む。

(いた)

 広場のような場所で探し神の背中を見つける。

「ん? テミスか」

 少しだけ振り返って呟いたその声にゾクゾクする。自分の名前を呼ぶ時の前髪に覆われ隠れた目が、路傍の石を見るような目をしている。と、テミスは思っている。
 探し神のユニから視線を下げると、彼女は同志であるユースティティアを四つん這いにさせてその背中に座っていた。

(羨ましい)

 正義の神を辞める踏ん切りのつかないテミスと違って、ユースティティアは既に正義の神を辞めてマゾの神になっている。その証拠に剣と天秤を持っていない。全裸に目隠しは相変わらずだけど。
 フリーになった手は、ユニの体重を支えてプルプル震えている。
 体力の限界ではない。ユニの体重は軽いし、腐っても元正義の神だ。多くの信仰心を集めた力のある上級神にとって、ユニの体重程度は片手でも支えられる。

(嬉しそう)

 歓喜に身を震わせているだけだ。

「今、こいつの出所祝いしてるんだ」
「納得できませんわ!」

 突然の大声に、ユニの正面にあるベンチに座った二柱の女神の存在を思い出す。
 上品で近寄りがたい雰囲気の美神と、軽薄で気安い雰囲気の美神。正反対に見えるが、両神に共通するのは胸が大きいこと。動く度に揺れるそれに対して、ユニが敵意をむき出しにしている。

(その殺意を私に!)
「なぜ、この子が上級神になっているんですの?」
「ミネルヴァがー、塀の中にいる間に頑張ったからだよー」

 ユニの主神であるパンドラの言葉に、もう一柱の名前を思い出す。休眠期間が長すぎて、すっかり忘れていた。

「うん。パンドラが塀の中にいる間に中級神になった」
(ご主人様は努力家。怠けるための努力は怠らない)

 その努力する姿を見ていたテミスは、誇らしく思いユニの隣で胸を張る。
 イラッとしたユニに胸を叩かれた。

「ありがとうございます!」

 叩かれ悦ぶテミスの姿にミネルヴァが引く。

「変態に磨きがかかってますわ」
「こいつらのことはいいよ。ああ、テミス、背凭れが欲しい」
「はい! 悦んで!」

 素早くユニの後に割り込み、凭れかかるユニの背中を胸で受け止める。

(あれ?)

 いつもなら、テミスの胸の大きさにイラッとしたユニが、テミスの胸にお仕置きをしてくれるはずなのに、なにもしない。

(本当に寛ぎたかっただけか。ちょっと残念)
「あなた方も上級神でしょう? 同じ上級神とはいえ、後天の神に道具の様に使われるなど嘆かわしい」
(そこがいいのに。これだから脳筋は)
「でもー、こいつら悦んでるわよー。水たまりができてるしー」
「それに、嘆かわしさならお前がトップだろ」

 ミネルヴァが「うっ」っと言葉に詰まる。

「長い休眠期間のせいで信仰心を殆ど失ったんだろ?」

 神にとって信仰心はそのまま神の力になる。神が巫を作る理由は、多くの場合、暇潰しだ。しかし、信仰心が少ない力の弱い神にとっては、巫を通じて人間に名前を売り信仰心を集めるためでもある。むしろ、神の多くが下級神だから後者の理由で作ることが多い。

「私の巫女が生きてた頃に調べてもらったけど、あんたの名前を知ってる人間は、今や殆どいないわよ」
「中央協会にー、何人か知ってる子がいたけどー、国を滅ぼした悪神として伝わってるみたいよー」
「ま、滅びた原因は私なんだけどね」
「そうです。あなたが悪いのです」

 腕を組み胸を張ることで強調されたミネルヴァの胸部に、ユニがミネルヴァの胸に殺意を向けながらユースティティアの後頭部がミシミシいうまで握る。

(あぁ。こちらにもご褒美を)
「まあ、これだけ信仰心を失っても神として存在できるのは、素直に凄いと思うけどね。腐っても前天の上級神か?」

 並みの上級神だと、今のミネルヴァくらいに信仰心を失えば神としての存在があやふやになったり、最悪、存在が消えてしまったりする。

「ま、まあ、わたくしくらいになるとこの程度、どうということもありませんわ」
「強がり乙ー」
「強がってんのはパンドラも同じでしょ。あんたの場合は、コンスタントにどの時代でも人気がないから、信仰心が緩やかに減ってんのよ」
「私の人気にトドメを刺したのはー、誰だっけー?」

 パンドラが、笑顔なのに目が笑っていない顔で首を傾げる。
 テミスは、自分に向けられた視線ではないのに、自分に向けられた時のことを考えて歓喜に身を震わせる。

「うわー。ユニちゃんはノーリアクションなのに、関係ない変態共が悦んじゃったよー」

 テミスがチラリと見ると、ユースティティアも彼女と同じ顔をしていた。

「こいつらはいいよ。それよりパンドラだよ。そろそろ巫を作って信仰心を集めさせなきゃいけないのに、こいつが出所するの待ってたでしょ?」
「べっつにー。待ってませんよー。それにー、まだ存在が揺らぐほど信仰心は減ってないもーん」
「存在が揺らいでからじゃ遅いでしょうが」

 子供っぽい態度の主神にユニが呆れる。

「ま、ともかく、脳筋が出所したんだから、パンドラも巫を作るんでしょ?」
「またあなたと同じ時代に巫を作るんですか?」

 心底嫌そうな口調なのに顔は嬉しそうだ。

「戦神の癖にー、まーた私の巫に負けちゃうから嫌なのかなー?」
「また子供っぽいことを。てか、お前ら、私の前で乳を揺らすな」

 ユニの右手が、再びユースティティアの後頭部を掴む。そして、左手が彼女のお尻に伸びかけて止まり、思い直したように、自分の頭の後ろにあるテミスの胸を握りしめる。

「あっはぁ! ありがとうございます!」
「そういえば、ユニさんの巫、亡くなったんですってね。休眠部屋に行かなくてよろしいのかしら?」

 長い休眠期間で忘れかけていた変態に対する対応を思い出したのか、ミネルヴァが変態を無視して聞く。

「ん? ああ、聞いてなかったのか。うちの子、寿命で死んだから、休眠は無しだよ」
「な! なんでです!」
「いや、なんでって言われても。ああ、神にはなってないよ。”神になってまで働きたくない”って、拒否りやがった。私の時は問答無用だったのに、審判の連中め」

 断固拒否する巫女を相手に、渋々、普通の転生処置を施した。

「わたくしがあんなにも長くて、どうしてあなたが」
「そりゃあ、どっかの戦神と違って、巫女を溺愛していたからな」
「私がユニちゃんを愛するようにー」
「なかなか幸せな人生だったと思うよ。最後にお礼を言われたし」
「納得できません!」

 主神は華麗にスルー。

「あれー? 聞こえてなかったー? 私、結構ユ」
「それより、あんた、またセシリアみたいな最後にしちゃったら、本格的にヤバいぞ」
「そんなことはありません。それに、あれはあなたが悪いのです」

 変態二柱から、パンドラに羨ましそうな視線が向けられる。

「あのー、私の話も」
「まだそんなこと言ってんの? 私は全力で抗っただけ。あんたがセシリアを巫女としてちゃんと育てていれば、負けていたのは私だよ。あの子の将才を潰したのは、あんただよ」

 ユニにしては珍しくヒートアップする。

「それは……」

 強く言いすぎて、ミネルヴァが半泣きになった。

「変態共ー、私達を羨むなー」

 変態の視線に気づいたパンドラが、迷惑そうに言う。

「ま、巫を作るのに不安になるのもわかるけど、なるべく早く作った方がいいわよ」
「わかってはいるのですが……」
「今回は友達が一緒に作るんだから、なにかあっても相談できるだろ?」
「友達? ですか?」

 首を傾げるミネルヴァに、ユニが自分の主神を指差す。

「へ? 私?」

 間抜け顔で自分を指差すパンドラ。

「「いやいやいや」」

 同じリアクションをする二柱を前に、呆れ顔のユニ。

「お前ら仲いいな」

 ユニの言葉に、パンドラとミネルヴァが顔を見合わせる。
 頬を染めながらしかめっ面になるパンドラに対して、ミネルヴァは普通に顔を赤くしている。

「羞恥攻め?」

 ユニの下からした羨ましそうな声は、皆から無視された。無視されたけど嬉しそうだ。

(言葉より物理で責めてほしい)
「頬を染めながら乳を揺らすな!」

 ユニは言いながら立ち上がり、二柱の胸にビンタする。

「そう、それ」

 話しに割り込むつもりはなかったが、テミスは思わず呟いた。
 イライラしながらユニが勢い良く椅子女神に座ると、小さな呻き声が漏れる。テミスの胸に預けられたユニの体重は軽いもので、少々物足りない。
 気配からすると、ユースティティアがテミスに顔を向けているようだ。目隠しでわからないけど、きっと勝ち誇ったような顔だと思う。

(羨ましい)

 ご褒美を貰いたくて、半歩下がる。
 胸で受け止めていたユニの頭が胸の下に行き、イラッとしたユニがグーパンで右胸を抉るように殴る。

「ありがとうございまっす!」

 元気良くお礼を言い、元の位置に戻る。
 足元から羨むような視線を感じた。

「次は私のターン」

 椅子からの呟きに、ユニが後頭部を無造作に殴る。

「お前ら大人しくしてろ」
「「はい!」」

 主神と戦神の冷めた視線を感じる。これはこれで良いものだが、欲しいのはご主人様のご褒美だから大人しく待とう。

「んで、話を戻すと、だ。お前ら一緒に巫を作れ」
「えー、わたしー、こいつが出てくるの待ってたわけじゃないもーん」
「わたくしだって、パンドラさんと一緒なんて」

 面倒な性格の二柱に、ユニが盛大なため息をつく。

「存在が消えるかもしれない瀬戸際に、なに言ってんだよ」
「んー、ひょっとしてー、ユニちゃんってばー、私達に消えてほしくない?」

 悪戯っ子のように首を傾げるパンドラに、脳筋が乗っかる。

「そうでしたの? それなら」
「あ?」

 イラッとしたユニが、何処かから出した乗馬用の鞭を一振りして立ち上がる。

「「ごめんなさい」」

 信仰心を失い力の弱った上級神にとって、上級神になったばかりとはいえ、充分に信仰心を集めたユニの本気の威圧は、反射的に土下座させるには十分だった。

(私なら五体投地する)

 ユニは素直に謝った相手に追い討ちする趣味はない。が、振り上げた鞭の下ろし所を探し、少し悩んでからユースティティアの背中に振り下ろす。

「ひぎっ!」

 力ある上級神の少しだけ手加減した一打。
 ユースティティアも上級神だ。しかも、マゾの神になってから、正義の神だった頃より信仰心を集めているので、蚯蚓腫れができる程度で済んだ。
 その結果に不満足だったユニが、手加減した自分に苛立ち舌打ちしてから、ユースティティアの背中に飛び座った。

(ご主人様がもっと太れば、座るだけでご褒美になるのに)

 ユニが視線を主神と戦神に戻すと、自分の陪神の理不尽に恐怖したのか、パンドラがミネルヴァに抱きついていた。

「もっかい話を戻すけど、ミネルヴァはー、あれだ。また同じ結果になるのが怖いなら、今度は男にしろ。男なら、多少酷い目に会っても私の心が痛まない。パンドラは……知らん」
「主神に冷たい!」
「わたくしの巫覡が酷い目に会うのは、確定ですか」
「だって、お前まだ懲りてなさそうだから」

 正確には「懲りてはいるのだが、どうすれば良かったのか、長い休眠期間を経てもわからなかった」だ。まあ、結果は同じになるから、誰も指摘しないし、ミネルヴァもその違いに気づいていないので指摘しない。

「さっさと作れよ」

 パンドラは、タイミングをミネルヴァに合わせるだろうから、ミネルヴァに向けて言う。

「巫を……作る」

 ユニとパンドラの視線を受けるミネルヴァは、俯いてブツブツ呟き身震いする。
 ミネルヴァ自身は認めないが、「前回と同じ結果になり、死の間際の巫に呪いの言葉を吐かれるのでは」と、恐怖しているようだ。

「とりあえず、さ、お前が失敗したことを認めなよ」
「……認めていますわよ。それは」

 顔を上げたミネルヴァの目には、無意味に溢れていた自信が失われていた。

「まあ、お前のせいでセシリアって名前が、西域では忌子につける名前になっちゃったけどさ」
「え?」

 ミネルヴァは初耳だったらしく、かなりショックを受ける。

「RPGなんかだと、ミネルヴァも悪役で出てくるし」

 これも知らなかったようだ。

「けどさ、ユニちゃんの巫女が、かなり改善したんでしょ?」
「ん? ああ、まあ、なんというかね」

 ユニはあまり話したくないのか、下手な誤魔化し方で乗り切ろうとする。

「テミスさん。なにか知ってるなら、教えてくださいな」
「なぜ変態に?」
「え? 話したそうにしてたから」

 ユニから見たら真後ろにいるのでわからなかったが、正面にいるミネルヴァとパンドラにはそう見えていた。

「ご主人様の独り言を、巫女がネット小説にして投稿したら、書籍化された」
「ああ、うん。凄い売れちゃって」

 ユニへの信仰心が、ミネルヴァが驚くくらい凄い理由でもあるし、パンドラとミネルヴァが信仰心を失っても消えないでいる理由でもある。
 テミスがそれを説明すると、ミネルヴァは複雑そうな顔をする。

「パンドラさんは知ってましたの?」
「んー、まあ、ねー。『私の女神様が生まれるまで』だっけー?」

 ユニが嫌そうな顔をする。

「あの小説で、セシリアって人気があってね、忌み名ではなくなったし、パンドラとミネルヴァの名前も広まったんだ。まあ、ミネルヴァは悪役としてだし、パンドラはアホの子としてだけど」
「納得いかなーい」
「ええ、納得できませんわ」

 ユニが面倒臭そうにため息をつく。

「それに、なんでそんなに嫌そうなんですの? ご自分の信仰心も集まったのでしょう?」

 ミネルヴァの質問に、曖昧な返事を返す。

「ご主人様の黒歴史がネットに流れるのは、二度目だかひぎっ!」

 ご褒美が遅れて、聞かれたくない所は全部言われた。

「ああ……ん? 二度目、ですか?」
「ん、二度目ー。一度目はー、生前に書いてた日記が千年以上経ってから発見されてー、ネットこうかーい」

 ユニが頭を抱える。

「詳しく聞かせてくださいな」
「んー、長ーくなるなー。詳しくはネットでー?」
「忘れられる権利を、神にも適用してほしい」

 神様には基本的人権はない。神だから。

「知識を司る方々に頼んでみるのは?」
「ネットから私の名前を消せるかもしれないけど、人の記憶からは消せないからなー」

 それに、ネットから名前が消えたら、信仰心が一気に減りそうだ。

「去年出発した、外宇宙移民船団の書籍データアーカイブにもあの本が納められてる。私の名前と黒歴史は外宇宙に旅立ってしまったよ」

 なにか諦めた目で虚空を見つめるユニ。まあ、巫女が他界し、地上へ干渉する術がなくなったため、諦めるしかなかったのだ。

「私も日記を公開されたい」

 背もたれがゾクゾク震える。

「私も」

 椅子が同意する。
 殴って黙らせようと思って拳を握り「これはご褒美になってしまう」と思いなおして拳を開く。

「「放置もご褒美」」

 背もたれと椅子が震える。

「黙れ変態」

 結局殴った。
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