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※※※
「儂は反対じゃが……乙女がそう望むなら仕方あるまいて」
ミルフェ様はそう言って、そっと私の額にキスを落としてくれた。
すると私の中から小さな光の粒が抜けていき、ミルフェ様に吸い込まれていった。
もしかしてあれが祝福の力なの?
「してルシ坊、気持ちに変化はあるかえ?」
「ん?別段ないな。変わらずアンジェリカが好きだが。いや、どちらかというと前より………」
言い淀んで、でもルシフェル様は私を真っ直ぐに見つめると、今までと変わらない優しい笑顔を向けてくれた。
何故だろう?
ルシフェル様のお気持ちが真実だと分かって、じわじわと嬉しさが湧いてくる。
「アンジェリカ、俺の花嫁になってくれるか?」
「はい、私でよければ……」
花嫁の在り方はまだよく分からないが、この方のために私が出来ることを精一杯頑張っていこう。
「後悔しなければいいがの……」
「え?」
「さあ、アンジェリカ、そうと決まれば俺について来てくれ」
「え?は、はい!」
花嫁のお勤めをするのだろうか?
何をするのかは分からないけど、頑張らないと!
このときまだ彼女は何も知らなかった。
花嫁のお勤めとは、めくるめく大人の世界が展開されるということを。
「なぁ、ミルフェ様。お嬢の魅了の力ってあんまり意味ないんじゃないですか?ルシフェル様はあの通りお嬢にメロメロだし」
「ん?誰がそんなデマ教えたんじゃ?」
「え?巫女姫情報ですよ。お嬢には魔性の力があって、魔王であるルシフェル様を強制的に魅了するって言ってたんです」
「逆じゃ、逆!」
「え?」
「どういうわけか代々の魔王は儂が選んできた乙女を大層気にいるのじゃ。溺愛しすぎて乙女が大変な目にあうので、寧ろその余りある煩悩を抑えるような力を授けておるのじゃ」
「え?で、でも最初から欲望全開でしたが……。まさかあれで序の口だったのか?」
「カサンドラはおそらく力を使って強制的に魅了されたのだと思わせたかったのじゃろうて。言霊でも使わないかぎり魔王を制御できる術はないゆえ、乙女には祝福を持っていてほしかったんじゃが…………」
「…………じゃが、なんです?」
「先程儂のところにきて祝福を消してほしいと言ったのじゃ。彼女は勇者よの」
「お嬢ーーーーー!!!!」
後にその夜のヴァラクを見た者は、まるで鬼神か殺人鬼のようだったと語る。
そしてお嬢様の大切なものは、ヴァラクの渾身の一撃により守られたのだという。
よってまだ彼女は花嫁のお勤めを知らない。
※※※
もうヴァラクがヒーローでいい気がしてきた……。
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「儂は反対じゃが……乙女がそう望むなら仕方あるまいて」
ミルフェ様はそう言って、そっと私の額にキスを落としてくれた。
すると私の中から小さな光の粒が抜けていき、ミルフェ様に吸い込まれていった。
もしかしてあれが祝福の力なの?
「してルシ坊、気持ちに変化はあるかえ?」
「ん?別段ないな。変わらずアンジェリカが好きだが。いや、どちらかというと前より………」
言い淀んで、でもルシフェル様は私を真っ直ぐに見つめると、今までと変わらない優しい笑顔を向けてくれた。
何故だろう?
ルシフェル様のお気持ちが真実だと分かって、じわじわと嬉しさが湧いてくる。
「アンジェリカ、俺の花嫁になってくれるか?」
「はい、私でよければ……」
花嫁の在り方はまだよく分からないが、この方のために私が出来ることを精一杯頑張っていこう。
「後悔しなければいいがの……」
「え?」
「さあ、アンジェリカ、そうと決まれば俺について来てくれ」
「え?は、はい!」
花嫁のお勤めをするのだろうか?
何をするのかは分からないけど、頑張らないと!
このときまだ彼女は何も知らなかった。
花嫁のお勤めとは、めくるめく大人の世界が展開されるということを。
「なぁ、ミルフェ様。お嬢の魅了の力ってあんまり意味ないんじゃないですか?ルシフェル様はあの通りお嬢にメロメロだし」
「ん?誰がそんなデマ教えたんじゃ?」
「え?巫女姫情報ですよ。お嬢には魔性の力があって、魔王であるルシフェル様を強制的に魅了するって言ってたんです」
「逆じゃ、逆!」
「え?」
「どういうわけか代々の魔王は儂が選んできた乙女を大層気にいるのじゃ。溺愛しすぎて乙女が大変な目にあうので、寧ろその余りある煩悩を抑えるような力を授けておるのじゃ」
「え?で、でも最初から欲望全開でしたが……。まさかあれで序の口だったのか?」
「カサンドラはおそらく力を使って強制的に魅了されたのだと思わせたかったのじゃろうて。言霊でも使わないかぎり魔王を制御できる術はないゆえ、乙女には祝福を持っていてほしかったんじゃが…………」
「…………じゃが、なんです?」
「先程儂のところにきて祝福を消してほしいと言ったのじゃ。彼女は勇者よの」
「お嬢ーーーーー!!!!」
後にその夜のヴァラクを見た者は、まるで鬼神か殺人鬼のようだったと語る。
そしてお嬢様の大切なものは、ヴァラクの渾身の一撃により守られたのだという。
よってまだ彼女は花嫁のお勤めを知らない。
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もうヴァラクがヒーローでいい気がしてきた……。
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