薄幸の令嬢は幸福基準値が低すぎる

紫月

文字の大きさ
11 / 27

餌を与えすぎないでください

しおりを挟む
「クリスティナ嬢は17歳です。」
カイン様(さっきジーク様が言っていた)が再び驚愕した。
いえね、慣れてますけど、その珍獣を見る目はどうにかなりませんか?
「クリスティナ嬢、失礼した。
夜会は楽しんでおられるか?」
持ち直したようで何よりです。
「はい、このような華やかな場にお呼びいただきありがとうございます。」
やーもうお城も堪能したし帰りたいな。
イロイロ疲れた…。
「クリスティナ嬢、あちらに軽食がありましたよ。
召し上がりませんか?」
いつの間に用意したのか、サンドイッチやらマドレーヌなどが乗ったプレートをジーク様が持っていた。
…この前から何となく気になっていたのだけど、私餌付けされてませんか?
「あぁ、こちらにいらしたのですか。
クリスティナ嬢、美味しそうな菓子がありましたよ。」
あれ?カイザー様までクッキー持ってる…。
喜んでいただきますけど。
残したら勿体ないオバケが出るからね!
「ありがとうございます。」
モグモグ…。
「カイザー、警護に戻ったほうがいいんじゃないか?」
バチッ
ん?
「交代の時間になった。
ジークこそカイン様とご令嬢達の取り次ぎがまだ全員終わってないんじゃないか?」
バチバチッ
んんん?
火花が散ってないか?
お2人はこの前とても仲がよろしかったと思うのだが、超睨みあってる…。
これはあれか?
少女漫画とかで見る、ヒロインの少女を取り合い牽制している場面なのか?
私相手に???
そんな馬鹿な、自惚れも甚だしい。
ここは一つ「私のために争わないで!」と冗談を飛ばして笑いを取りにいったほうがいい?
「お、おい、私を置いてきぼりにするな…。」
おお、カイン様!
もっと言ってやってください!
モグモグ…。
「なんて愛らしいの…。」
ん?
「ク、クリスティナ様、こちらのシャンパンゼリー、とても美味しゅうございますわよ?」
むむ!なんて親切なお嬢さんなんだ!
「ありがとうございます!」
笑っとけ!ニコッ!
キューーーン!!
んんん???今度は何の音だ?
「さ、さぁクリスティナ様!アーンしてくださいませ!」
「ジュリア様、抜け駆けはズルいですわ!」
「ソフィア様こそそのミートパイはなんですの!?」
「ほらクリスティナ嬢、宮廷料理人が腕によりをかけたローストビーフだよ。」
あれ!?いつの間にかカイン様も参加してる!?
そして何このカオス!!

クリスティナは自分が小動物系美少女だという自覚がまるでなかったが、最初に餌付けされてると感じたのはなかなか的確だった。
そしてその混沌とした様子を遠くから観察している影に、このとき彼女は気づけなかった。
しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は処刑されないように家出しました。

克全
恋愛
「アルファポリス」と「小説家になろう」にも投稿しています。 サンディランズ公爵家令嬢ルシアは毎夜悪夢にうなされた。婚約者のダニエル王太子に裏切られて処刑される夢。実の兄ディビッドが聖女マルティナを愛するあまり、歓心を買うために自分を処刑する夢。兄の友人である次期左将軍マルティンや次期右将軍ディエゴまでが、聖女マルティナを巡って私を陥れて処刑する。どれほど努力し、どれほど正直に生き、どれほど関係を断とうとしても処刑されるのだ。

報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を

さくたろう
恋愛
 その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。  少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。 20話です。小説家になろう様でも公開中です。

ソウシソウアイ?

野草こたつ/ロクヨミノ
恋愛
政略結婚をすることになったオデット。 その相手は初恋の人であり、同時にオデットの姉アンネリースに想いを寄せる騎士団の上司、ランヴァルド・アーノルト伯爵。 拒否に拒否を重ねたが強制的に結婚が決まり、 諦めにも似た気持ちで嫁いだオデットだが……。

【完結】悪女を押し付けられていた第一王女は、愛する公爵に処刑されて幸せを得る

甘海そら
恋愛
第一王女、メアリ・ブラントは悪女だった。 家族から、あらゆる悪事の責任を押し付けられればそうなった。 国王の政務の怠慢。 母と妹の浪費。 兄の女癖の悪さによる乱行。 王家の汚点の全てを押し付けられてきた。 そんな彼女はついに望むのだった。 「どうか死なせて」 応える者は確かにあった。 「メアリ・ブラント。貴様の罪、もはや死をもって以外あがなうことは出来んぞ」 幼年からの想い人であるキシオン・シュラネス。 公爵にして法務卿である彼に死を請われればメアリは笑みを浮かべる。 そして、3日後。 彼女は処刑された。

「君の作った料理は愛情がこもってない」と言われたのでもう何も作りません

今川幸乃
恋愛
貧乏貴族の娘、エレンは幼いころから自分で家事をして育ったため、料理が得意だった。 そのため婚約者のウィルにも手づから料理を作るのだが、彼は「おいしいけど心が籠ってない」と言い、挙句妹のシエラが作った料理を「おいしい」と好んで食べている。 それでも我慢してウィルの好みの料理を作ろうとするエレンだったがある日「料理どころか君からも愛情を感じない」と言われてしまい、もう彼の気を惹こうとするのをやめることを決意する。 ウィルはそれでもシエラがいるからと気にしなかったが、やがてシエラの料理作りをもエレンが手伝っていたからこそうまくいっていたということが分かってしまう。

【完結】広間でドレスを脱ぎ捨てた公爵令嬢は優しい香りに包まれる【短編】

青波鳩子
恋愛
シャーリー・フォークナー公爵令嬢は、この国の第一王子であり婚約者であるゼブロン・メルレアンに呼び出されていた。 婚約破棄は皆の総意だと言われたシャーリーは、ゼブロンの友人たちの総意では受け入れられないと、王宮で働く者たちの意見を集めて欲しいと言う。 そんなことを言いだすシャーリーを小馬鹿にするゼブロンと取り巻きの生徒会役員たち。 それで納得してくれるのならと卒業パーティ会場から王宮へ向かう。 ゼブロンは自分が住まう王宮で集めた意見が自分と食い違っていることに茫然とする。 *別サイトにアップ済みで、加筆改稿しています。 *約2万字の短編です。 *完結しています。 *11月8日22時に1、2、3話、11月9日10時に4、5、最終話を投稿します。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...