【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第12章:砂の国オラシア王国と砂漠の女王編

第10話:斥候の帰還

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 ——そうして、情報を待って三日が過ぎた頃。
 遂に、斥候部隊が戻ってきたようで、ゼルフィア団長から招集がかかった。
「皆の者、集まってくれたようだな。知らせの通り、斥候部隊が帰還した。これから情報共有および、作戦会議を始める。早々に魔物を倒し、国に帰ろう」
 ゼルフィア団長が真剣な顔で全員に呼びかける。
 というのも、オラシア国内の情勢が少し慌ただしくなってきたのだ。
 近々、反乱軍との大きな抗争が起こるようだという。
 俺たちはあくまでも『魔物退治』に来たのだ。
 魔物とは関係のない国のゴタゴタに関わってしまえば、それこそ外交問題に発展しかねない。
 みんなが軽く首肯する。
 意思確認をした後で、ゼルフィア団長が話し出した。
「斥候の話では敵であるジェネラルファルコンは、砂漠の西の果てにある砂の要塞に居を構えているらしい」
「砂の……要塞……」
 ゼルフィア団長の言葉に、冒険者の一人がゴクリと息を飲む。
「心配するな。要塞といっても、大したものではないさ。砂漠の大きな岩場を簡易的に掘り上げて住めるようにしているだけだ」
「まあ、所詮は魔物だしなー。全員が高知能種でもない限り、本物の要塞なんてできやしないって」
 斥候部隊の隊長らしき端正な顔立ちの長髪冒険者と、同じくイケメンな少々軽い口調の金髪の斥候隊員が言う。
 彼らの言葉に、緊張した空気が少しばかり和らいだ。
「話を続ける。作戦は至ってシンプルだ。我々はその西の果ての要塞に向かい、奇襲して魔物共を一気に叩く。リーダーである危険度Sの魔物『ジェネラルファルコン』を打ち取れば任務完了だ」
「他の魔物は掃討しなくていいのか?」
「無理に倒す必要はない。あくまでもそいつらは『ジェネラルファルコン』の知能にすがって命を受けて動いているだけだ。奴さえ倒せば、放っておいても統率が取れなくなり瓦解する。その辺に蔓延るただの魔物に成り下がるだろう」
 無精髭冒険者の問いかけに、ゼルフィア団長がはっきりと答える。
「他に質問のある者は?」
「反乱軍との抗争はいつ頃なんだい?」
 筋骨隆々のピンク髪をした褐色肌の女冒険者がゼルフィア団長に尋ねる。
「セガール殿からの情報だと、約一週間後ではないかということだ。斥候の案内で全員で向かうとすると……行軍スピードも考えて片道二日といったところだな。できるだけ早く出発して、討伐して帰郷するのがベストだろう」
「俺たち斥候だけなら、一日もあれば到着できるんだけどなー。まあ、そういうわけにもいかないよね」
 ゼルフィア団長の言葉に金髪の斥候隊員が苦笑いで言う。
「出発は明日だ。国内抗争のため、オラシアの兵は割けない。私たちだけで、なんとしてでも目的の魔物を倒すぞ!」
「「「はい!!」」」
 団長の号令に皆が一斉に返事をする。
 俺たちの遠征の本番がいよいよ迫ってきていた。

 ——翌日。
 俺とリズ、キアラの三人は準備を整えて集合場所に向かう。
 俺だけで行こうかとも思ったが、一般の魔物との戦いもあるということでギルド側から戦えるリズとキアラも同行をお願いされたのだ。
「はぁ。なんか、緊張してきたなぁ……」
「だな。レオはともかく、私たちはS級の魔物の前では無力だからな」
 二人は昨日から口数が少ない。
 気持ちはよく解る。
 俺もパッシブスキル『女神の加護』がなければ、危険度Sの魔物と対峙すらできないだろう。
 先のドラゴンゾンビとの戦いが、頭を過ぎっている。
 リズとキアラは、動けなくなった経験がある分、その緊張や不安感は俺よりも強いだろう。
 俺は、二人の肩をしっかりと抱く。
「大丈夫だ。二人のことは、俺が死んでも守る。それに、この戦いは俺たちだけじゃない。たくさんの味方がいる。きっと上手くいくさ」
 根拠などない。だが、こんな調子の二人では普段負けない魔物にも負けてしまうだろう。
 なにより、愛しい彼女にこんな顔をしていて欲しくなかった。
「う、うん……! そうだよね!」
「ああ。すまない、弱気になっていた。必ず勝って、三人で帰って来よう」
 リズとキアラはそう言って、俺の胸に頬を擦りつけてくる。
「よっ、色男。相変わらず愛されてるねぇ」
 そんな時、後ろから声をかけられる。
 最近付き合いの多い、無精髭冒険者だ。
「ははっ、あんたか。ああ、俺には勿体ない彼女だよ。……あれ? そっちの仲間はどうしたんだ?」
「ああ……あいつらか。宿舎に置いてきたよ。サンドワームでやられた心の傷がまだ癒えてねぇみたいでな。あの調子で危険度Sの魔物たちと戦うってなったら、確実に死ぬ。そんな奴を連れていけねえよ。もちろん、ギルド側にも許可は取った」
 俺の問いかけに、渋い顔をして答える無精髭冒険者。
「そうか。えっと……」
「あー、すまねぇ。自己紹介がまだだったな。俺の名前はベオウルフだ。元王国兵の冒険者さ」
「そうか。俺たちは……」
「あー、あんたたちの事は知ってるよ。レオにリズちゃん、キアラちゃんだろ?」
 俺が言いかけた瞬間、ベオウルフが屈託ない微笑みを浮かべて言う。
「ど、どうして?」
「あんたたち、有名なんだよ。四属性ダンジョンを、こんなに短期間で踏破する冒険者はそうそういないしな。キブラとの一件や、巨大個体サラマンダーや高知能種スキュラなんかとの戦いも噂で聞いてる。目立っている自覚はなかったのか?」
 驚く俺に意外そうな顔をするベオウルフ。
「ああ。自分たちへの評価なんて大して気にしてなかったからな」
「まー、そういうものは後から勝手に付いてくるもんだしな。本人の都合に関わらず。『黒い死神』のイザベラも、あんたのこと知ってたろ? ……それに——」
 そう言った後、悪戯っぽい笑みを浮かべてずずいと寄って来るベオウルフ。
「色んな女を侍らす色男っていう噂も立ちまくってるぜー? パーティ外にもたくさん彼女がいるって。その様子じゃあ、噂は本当だったみたいだな。ハッハッハ!!」
 豪快に笑うベオウルフの鋭い突っ込みに、思わず苦笑いしてしまう俺なのだった。
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