【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第6章:灼炎の祠と銀狼獣人編

第23話:新たなる決意

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 倒したヘルズホーンを中心に集まる俺たち。
「みんな、怪我や疲れは平気か?」
「うん、後ろで矢を撃ってただけだし」
「ん……全然疲れてない」
「私もMPの消費だけだな」
「私も回復魔法だけでしたので特には」
 リズ、シレイド、キアラ、セーラがケロッとした顔で答える。
 肩をグルグル回しながら、ロウナも集まりに加わった。
「ロウナはどうだ? 直接戦闘していたのは君だけだったからな」
「あたしも平気だ。組み合いはしてたけど、セーラがずっと回復魔法をかけてくれていたからな。怪我も疲れも無い」
 みんなの返事を聞いて俺はホッと胸をなでおろす。

「しっかし、あんなに苦戦したヘルズホーンがこうもあっさり倒せるとはねー」
 リズがしゃがみ込んでヘルズホーンを見つめる。
「ん……やっぱりスキルの力は大きかった……リズの矢もスキルを使えばちゃんと通ってたし」
 シレイドが素材を剝ぎ取りながら言う。
「私も槍が強化されたからか、精霊砲突の力が格段に上がっていたな」
「はい。でもやはり、レオ様の新技『マグナムブレイド』が強力に見えました」
 キアラとセーラも解体を手伝いながら話している。
「どうした? ロウナ?」
 ぼーっとその様子を眺めているロウナに話しかける。
「い、いや……このパーティは本当に仲が良いんだなと思ってな。普通、魔物の解体なんかは奴隷に押し付ける奴らが多いって聞くのに、みんな喜んでやってるし」
「言ったろう? 俺は奴隷を探していたんじゃなくて仲間を探していたんだ。仲間はそれぞれ役割を分担するものだ」
「そ、そう……だな……それに……」
「それに?」
「み、みんな、レオの彼女なんだろう……? 他の場所にも彼女がいるって聞いたし……」
 顔を赤らめながら、言うロウナ。
 なるほど、女子部屋であれやこれや、これまでの経緯を聴いたのだろう。
「ああ、そうだな。みんな、俺の彼女だ。でも、ロウナにまで関係を無理強いするつもりはない。無理やり、そんな関係になっても互いに虚しいだけだしな」
「……そ、そうか」
「でも、もしロウナが彼女になってくれるって言うなら、俺は喜んで気持ちを受け入れるからな。まあ、その前にロウナの魅力に耐えきれなくなった俺から頼み込むかもしれんが」
 冗談交じりに微笑んで言ってやると、照れ隠しなのか、真っ赤な顔で俯きながら「わ、分かった」と一言だけロウナは言葉を零すのだった。

 その後、ヘルズホーンを三回ほど周回した。
 戦法は同じだ。
 ロウナがヘルズホーンを抑え込んでいる間に集中攻撃して倒す。
 初手、マグナムブレイドを使えば簡単に倒せそうなのだが、溜め動作を行っているときに狙いが俺になったら陣形が破綻するのでより確実な方を取った。
 冒険者にとって、過信や油断は厳禁だ。
 その後、町に戻りギルドで報告。
 ついでに受けていた魔獣の森関連の討伐や採集のクエストをいくつかクリアしたら、上々の利益が出た。

「「「「「かんぱーい!」」」」」
「……か、かんぱい」
 宿のレストランで夕食を取る。
 外食してもいいのだが、なんだかんだジュリアやボニーの料理がこの辺じゃ一番美味いので帰ってきてしまうのだった。
「ん? どうしたの、ロウナ。食べないの?」
 リズが不思議そうにロウナに尋ねる。
 今日の主役、ロウナは豪勢な食事を前に恐縮している。
 ロウナに好きなものを聞いたら獣人らしく『肉料理』と答えたので、マッチョバイソンやダーティイーグルを始め、町の市場でシレイドおすすめの肉を買ってきてジュリアたちに調理してもらっている。
 普段から食べ歩きを趣味にしているだけあって、シレイドのおすすめの肉料理はどれも美味そうだ。
「い、いや、故郷でもこんなに豪華な食事は食べたことがあまり無かったから、緊張している」
「そうなのか?」
 キアラが訊くと、こくりと頷きロウナが語り始める。
「私の家は厳格な戦士の家でな。質素倹約を信条としていたんだ。それほど裕福でも無かったしな。親族の策にはまって、まんまと家督を取られて、少ない財産を没収され、立ち行かなくなったところで『あたしを奴隷として売る』って話が持ち上がって……幼い弟や妹もいたから、それで家族が助かるならって、不本意ながら了承して、ローガンに売られたのさ」
「そうだったのか……」
 貧しくて身売りか……日本じゃまず聞かなかった話だ。
「さぞ、悔しかっただろう、怖かっただろう。よく頑張ったな」
「ふふっ、そう言ってもらえると心がいくらか軽くなるよ」
 俺が言うとロウナは目を丸くさせて微笑む。
「ん……でも、ロウナはラッキー。ご主人様がご主人様なら、悪い生活にはならない」
「そうです! ええ! レオ様は素晴らしい方ですから」
 シレイドとセーラの俺への信頼感は少々、大きすぎる気もするが、まあ、恋人だし、それはそれでいいか。
「ご主人様……あたし、もっともっと役に立つからね。見ていてくれ」
 まっすぐな瞳でロウナに宣言される。
 それは、ただの言葉ではなく、誓いにも似た響きだった。
 ロウナも多少は自分の境遇を受け入れられたのだろうか。
 それで彼女の心が幾分か楽になれたのなら、それ以上僥倖なことはない。
「ああ……期待している。よろしくな、ロウナ」
 俺はそう言って、ロウナと固い握手を交わした。
「次はいよいよ四属性ダンジョンの踏破。まずは『灼炎の祠』からだな」
「うむ、古本屋を利用した礼の、ヴィヴィの依頼も達成せねばな」
「ん……いまのシレイド達ならきっと大丈夫。余裕でクリアできる」
 俺の言葉に気合を入れるキアラと自信満々のシレイド。
「あたしも頑張るよ! でも、ヘビーショットとかで矢の威力は上がったけど……このボウガンでどのくらい通用するかなぁ……」
「大丈夫ですよ、リズちゃん。私も後方支援が主ですし、今はできる限りのことをやればいいのです」
 不安がるリズをセーラが励ます。
 リズは戦えない時期が長かったから、いまだにこういう類に不安になるようだ。
 支え合う彼女たちを見て、俺たちなら大丈夫だという確信と同時に、リーダーとして身を引き締めなければと決意を新たにする俺だった。
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