【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

文字の大きさ
242 / 354
第8章:マッサ鉱山と謎のダークエルフ編

第22話:決意を新たに

しおりを挟む
 城のダイニングルームに通された俺たちは、次々に運ばれる豪華な料理に舌鼓を打っていた。
 テーブルに並べられているのはやはり、野菜料理が多かった。
 サラダや野菜炒め、野菜スープなどが高そうな食器に盛り付けられている。
 もちろん、今日は祝いの席というのもあって肉料理もある。
 テーブルの真ん中には、ドーンと丸焼きにされた大きな鳥が置かれている。
 マッサ鉱山で戦ったサンダーバードほど大きい。
「すごい大きい鳥ですね」
「それは『ダイオウチキン』という魔物の丸焼きじゃ。仕留めたら一か月は飯に困らんと言われるくらい大きな魔物なのじゃ」
 うーむ。
 転生して数か月経つが、さすが異世界……まだまだ、俺を驚かせるものがあるということだな。
「んー!! おいしー!!」
「ですね! ほっぺたが落っこちちゃいそうです!」
 リズとセーラは料理を嬉しそうに口に運び、至福の表情を浮かべている。
「ハッハッハ、それは良かったのじゃ」
 食卓には俺たちの他に、ソフィア女王とすっかり縮こまっているロザリアもついている。
「本当に美味しいです。ソフィア女王」
「ああ。ガラテアの料理は家庭料理の様だったが、アイスウッドの料理はレストランのような味ですね」
 俺の言葉に、キアラが同調する。
「そうじゃろう! そうじゃろう! ほれ、どんどん食べるがいい」
 ソフィア女王は満足そうに笑う。
「そ、ソフィア女王……!! わ、私はこのような場所に居て良い者では……!!」
「なんじゃ、そなたは相変わらずお固い奴じゃのぉ……確かに我が国は格式や礼儀を重んじるが、直近の部下にまで気を遣われては、妾の方が疲れてしまうわい」
 恐縮しきった様子で切り出すロザリアに、ソフィア女王が溜息をつく。
「……それに」
 女王の眼光が僅かに鋭くなる。
「妾は、まだ許しておらんぞ? そなたが国の為とはいえ、自らの身を犠牲にしようとした事……。確かに妾は『誘拐の主犯を二度と過ちを犯せぬよう再起不能にしろ』と命じた。じゃが、よりにもよって、あのようなやり方で事を収めようとするとは……。これはその罰じゃ」
「う……は、はい……」
 女王の言葉に打ちのめされた様子のロザリア。
 国のためにアロイを暗殺した後、自首しようと考えていた事だな。
 まあ、仕方ないだろう。
 俺が女王の立場でも、あのやり方は怒る。
「そうじゃ! 実は、アイスウッドの森には温泉が湧いておってな。この城には源泉かけ流しの大浴場があるのじゃ。後で、皆で入るとよかろう」
「女王様……あの大浴場は貴族や王族専用では?」
 そばに控えている女中が呆れ顔で言う。
「構わん構わん。皆、遠慮して妾しか使っておらんではないか。男湯に至っては、長らく誰ひとり使っておらん。今なら貸し切りじゃぞ、レオ」
「そ、そうですか……で、では、ありがたく……」
 豪快すぎるソフィア女王に思わず戸惑ってしまう。
「……じょーおう! ……じょーおう! ……これ、おかわり欲しい!」
「お、おい、シレイド。女王様に向かって、それは……!」
「構わぬ。何度も言うが、そなたらは我が国の恩人なのじゃ。礼を尽くさねばならんのはこちらじゃ。おい、シレイドにおかわりを持って来るのじゃ」
「は、はい!」
 シレイドの爆弾発言に肝を冷やしたが、女王は気にしていないようだ。
 傍の女中におかわりを持ってくるように命じている。
 食事もひと段落したところで、女王がコホンと咳払いをして俺たちに向き直る。
「さて、改めて……この度は我が国のエルフたちを助けてくれて、また、諸悪の根源を絶ってくれて本当にありがとう。アイスウッド国女王として、礼を言う」
 ソフィア女王が頭を下げる。
「あ、頭をお上げください。ソフィア女王!」
「そ、そうですよ! その……当然のことをしただけです!」
 俺とリズが慌てて女王に言う。
「ハッハッハ、恩に着る。英雄様は懐も深いの」
 女王はゆっくりと頭を上げて笑う。
「さて、そろそろお開きにするかの。それぞれ部屋に案内させるから、一休みしてから風呂に入るといいのじゃ」
 女王の言葉に俺たちは「はい」と答え、女中たちに案内してもらう。
 部屋は一人一部屋用意されており、俺は食後の休憩を取った後、城の大浴場へと足を運ぶのだった。

「おおぉ……すげー……」
 大浴場の男湯に入った俺は、とにかく驚いていた。
 エルゼリアのテルマエより二回りほど広い浴場。
 大理石のような白い石材で作られたそれは、汚れなど一切なくピカピカだ。
 豪華な造りに、銭湯よろしく、女神が描かれた大きな絵が飾られている。
 そして何より……。
「本当に貸し切りだ……」
 男湯の浴場にいるのは俺一人。
 広すぎて逆に落ち着かない気もするが。
 俺は身体を洗って風呂に入る。
 石鹸はもちろん『ジャンボスライム石鹸』だ。
 この石鹼はエルフの間でも人気なのだろうか。
 となれば、ガラテアにいるルーティアに差し入れてもいいかもしれないな。
「ふぃいいいいいぃぃぃ~~~~……!!」
 湯船につかると、気の抜けた声が出てしまうのは日本人のサガだろう。
 俺は、これまでの事を振り返る。
 転生し、様々な経験をしてきた。
 多くの魔物と戦い、色んなダンジョンを攻略してきた。
 体格も益々逞しくなっているし、心だって幾分か成長したと思う。
 だが、マッサ鉱山では悔しい苦戦を何度か強いられた。
 特に、アイアンゴーレム。
 直接攻撃が効きにくい攻撃だったとはいえ、もっと上手く戦えたかもしれない。
 反省点を頭の中で並べて、それぞれどうするべきか考えていく。
 失敗は大成の元、向上心なくしては死しているのと同じ……だ。
「もっと、大切なものを守れるように……そして、愛する彼女たちを幸せにできるように、心も身体も強くして頑張らないとな……」
 そのためなら、貪欲にもなってやる。
 俺は小さく呟き、決意を新たにするのだった。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...