【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第9章:風神の谷と宿の看板娘編

第13話:ヘッドショット

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 風神の谷底を歩くこと三十分。
「ふむふむ……だいぶ、地形のほうが絞られてきたね。スキル『探査』で反響具合を調べたけど、このぶんだと、ボス部屋はもうすぐかも」
「そうか。『マッピング』の方は?」
「そっちも、かなり埋まってきたね。谷底までの細道は結構数が多くて入り組んでいたけど、底に着いてからは案外道が簡素な感じ。『探査』のスキルと合わせれば、どの道が正解なのかもある程度推測できるし」
 俺の返した言葉に、リズは力強く答える。
 なんとも心強い。
 もう少しでボス部屋なら、今日中に問題なく戦えそうだな。
 その時。
「ケーーーーン!!」
 嫌な鳴き声が上から聞こえる。
 見ると、上空に昨日のトラウマ『ガルーダ』が飛んでいた。
 こちらには気づいていないようで、鋭い爪で金色の輝く鳥を掴みながら飛んでいた。
「『ガルーダ』だな。それと、あの捕まっている金色の鳥は……」
 鑑定を行う。

名前:ゴールデンバード
危険度:D+
説明:金色に輝く珍しい鳥の魔物。肉はとても高級で、とろける美味さが特徴。金色に輝く羽毛は貴族御用達の品々に加工される素材。
素材:『金色鳥肉』
レア素材:『金色鳥の羽毛』

 間違いない。チェリーが色んな意味でおいしいと言っていたレアモンスターだ。
「うーむ。どちらも頂きたいが、あの距離じゃ攻撃が当たらんな」
「『精霊砲突』もあそこまで届かんしな」
「『ライトニングプリズン』の射程からも外れてますね……」
 俺の言葉にキアラとセーラも続く。
 目の前を宝物が飛んでいるのに、手が出せない。
 なんだか、歯がゆい気分だ。
 奴を掴んでいるのが危険度Aのガルーダということもあるが。
「仕方ない。諦めるか……」
「待って!」
 そう言った瞬間、リズが前に出る。
「あたしの、新技を試していいかな……? 下手すれば、ガルーダを怒らせちゃうかもしれないけど……」
 少し不安そうながらも、決意に満ちた瞳だ。
「よし。やってみな。リズ」
 俺は首肯する。
 こちらに向かってきたら、また俺の『ルーンブレード』で叩き切ればいい。
 あのやり方なら、消費MPは激しいが、倒せないことはないだろうし。
 その場合は、ボス攻略を明日に伸ばせばいいだけだ。
 俺の言葉に彼女は「あんがと♪」と言って、上空を飛ぶガルーダに照準を合わせて銃を構える。
 距離はかなりある。
 さながら、地上から高層ビルの上の獲物を狙うような感じか。
「こんな使い方はしたこと無かったけど……弾は『隕石鼠弾』……スキルは『ウィークショット』と『ロングショット』の併用……!! ……そこだ!! 行っけええっ!!」
 ドウン!!
 リズのクロムメタルガンから一発の弾丸が放たれる。
 弾はどんどん伸びていき、普段の射程範囲を遥かに超える。
 なるほど。おそらく『ロングショット』というスキルの効果だろう。
 推測するに、射程範囲を伸ばすスキルか。
 その弾丸はガルーダの脳天にヒットし爆発。
 思ってもみない奇襲を食らったようで、ガルーダはそのまま落ちてきた。
「『エネミーカウント』……反応消滅……! やった!」
 リズが小さくガッツポーズをする。
 落ちてきたガルーダに近づく。
 完全に頭が無くなっている。
 ふむ。凄まじい威力だ。
「リズ。説明してくれないか?」
「あー、ごめんね。えっと『ロングショット』は弓や銃の射程範囲を広げるスキルなんだ。ただ、その分、威力が弱くなるの」
 なるほど。やはり予想は概ね当たっていたらしい。
「それから『ウィークショット』は、弱点部分への弓や銃の攻撃力が劇的に跳ね上がるスキル。これを組み合わせたってわけ」
「ほう、すごいな。危険度Aを見事に仕留めたぞ」
「いやいや。実際、相手がこちらに気づいてなかったから、弱点である頭を狙えたわけだし。それに普通の弾丸なら、仕留め損ねてたと思う。『隕石鼠弾』や『小火竜弾』くらいないと、一撃は無理だったよ」
「それでもだ。リズはもうすっかり頼れる戦闘員だな」
 俺の褒めの言葉に、満更でもない表情でニヘヘと笑うリズ。
 ガルーダに捕らえられていたゴールデンバードはすでに息が絶え絶えになっていた。
 そこを、シレイドがダガーで完全に仕留める。
「ふっ……美味しそうなお肉……ゲット……!」
 彼女にはゴールデンバードはすでに肉に見えているらしい。
「ふむ。これは……一度で二度おいしいな」
「カモがネギしょって飛んでたってことだな」
 キアラとロウナがそんな事を言いながら、倒した獲物から素材を頂戴する。
 二匹の解体を終える。
「これは……なんとまあ、綺麗な羽毛ですねぇ……『金色』は~、苦手ですが……」
 セーラが苦笑しながら『黄金鳥の羽毛』を見つめる。
「にーく……にーく……にーく……!」
 シレイドは剥ぎ取り終わった『金色鳥肉』に頬ずりしている。
 宿で食べさせてやるか。結構な量採れたし。
 そうして、俺たちは谷底の先に進んだ。

 それから一時間ほど経ち、遂に『風神の谷』ボス部屋の前に辿り着く。
「ボス部屋ですね」
「ん……ボス部屋」
 セーラとキアラが巨大な扉の前で呟く。
「『エネミーカウント』……うん。部屋の中に大きな反応が一つあり!」
 リズが、確信したように首を縦に振る。
 色々あったが、何とかここまで来れたな。
 ここのボスを倒して『風神の谷』を踏破すれば、俺たちも遂に一流冒険者の仲間入りか。
 といっても『新米』が付く一流冒険者だが。
 そして、ボニーからの条件も達成できる。
 ようやく、彼女の『返事』を聞くことができるということだ。
「よし! 行くぞ、みんな!」
 俺は号令をかけて、ボス部屋への扉を開いた。
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