【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第10章:ルクシアの町と女を忘れたギルド団長編

第6話:烈火鶴フレアミンゴ

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 ——翌日。
 宿で朝飯を食べた後、早速、昨日進んだ場所であるハクオウ山の二合目の川へとワープする。
「ふむ……ハクオウリュウはいないようだな」
「ああ。気配もしないな……まあ、あんな大物バカスカ現れてたら、こちらの身が持たねえから構わないけど」
 キアラの呟きにロウナが応える。
 おそらく、出現率の低いレアモンスターだったのだろう。
 危険度もAと高めだったしな。
「さあさあ、今日はどんな魔物が現れるかなー」
「ん……素材、豪華だからいっぱい戦いたい」
 リズとシレイドが意気込んでいる。
「さてと、それでは進むとしようか」
 俺たちは、三合目にあるボス部屋目指して歩を進めた。

 進むこと十分、目の前に鳥の群れが現れる。
 赤く煌めく炎のように逆立った羽毛を持ち、片足で立っている。
 フラミンゴのようだが常に威嚇しているような風貌で、なんとも威圧感がある。
 鑑定をしてみた。

名前:フレアミンゴ
危険度:B
説明:熱を持った羽毛を持つ、フラミンゴの魔物。性格は凶暴で、敵を見つけるや否や鋭いくちばしで攻撃してくる。温かい羽毛は防寒着の素材として重宝されている。
素材:『烈火鶴の羽毛』
レア素材:『烈火鶴のくちばし』

「おー! なんか、需要が高そうな素材だね!」
「ええ。一般の衣類にも使える羽毛なのでしたら、市場での価値は高そうですね」
 リズの言葉にセーラが頷く。
 その時、烈火鶴の群れがこちらに気づいたようで、一斉にこちらの方向を見てくる。
 集団で、ぎょろりとした鋭い目で睨まれるとなんだか怖い。
 直後——!!
「グエエエエーーーー!!」
 すさまじい雄たけびを上げて、群れごとこちらに突っ込んできた。
「わわわっ!! や、ヤバいんじゃない、これ!?」
 先ほどまでの意気はどこへやら、リズが少し怯えている。
「え、『エルブラスト』!!」
 あまりの剣幕に戸惑いながらも、すぐさま範囲魔法を放つ。
「ギエエーーーー!!」
「ギョエーーーー!!」
 風魔法が直撃した烈火鶴たちがこと切れていく。
 だが、なにぶん数が多い。
 何体かは魔法をかいくぐって、突進してきた。
「はぁあああっ!!」
「おらあああああっ!!」
 キアラとロウナが前に出てかち合う。
「グエエエエーーーー!!」
「いでで!! いでぇっ!! つつくなぁ!!」
「くっ!! 痛っ!! このー、鳥のくせに!!」
 ロウナがくちばしでつつかれながら、蹴りを放ってフレアミンゴを倒していく。
 キアラもつつかれてムキになっている。
 なんか、コントみたいだな……。
 二人とも装備は充分丈夫なので、大した怪我にはなっていない。
 いかんいかん、軽く見てはいけない。
 攻撃自体は軽いものだが、頭をつつかれてうっすら血が出ている。
 セーラがそれに気づいて、すぐに回復魔法をかけていく。
「グエエエエーーーー!!」
 俺も応戦を始める。
 つつかれる前に、風霊の剣で切り倒していく。
 後ろからはリズが援護をしてくれているため、俺もキアラもロウナも苦戦はしていない。
 リズやセーラに突撃するフレアミンゴはシレイドが処理してくれている。
 そうして五分後には、全羽斃しきったのだった。

「いてー……あの鳥野郎、バカスカつついてきやがってー!」
「うむ……何というか……不快感はここ最近で一番大きい魔物だったな」
 ロウナとキアラがつつかれた頭を撫でながら、所感を述べる。
「シレイドは平気だったか?」
「ん……大丈夫……あんなヘナチョコ攻撃、シレイドは余裕で避けれる……」
 俺の問いかけに逞しく答えるシレイド。
 まあ、彼女はパーティで一番俊敏だからな。どうということはなかったのだろう。
「わぁ! これ、すっごくあったかいよ!」
「ええ。まぁ……また、なんと綺麗な羽毛でしょう」
 リズとセーラが感激しながらフレアミンゴの素材をはぎ取っていく。
 二人の言う通り、その羽毛は手に乗せるとほんわりとぬくもりを感じ、そして赤い輝きはなんとも雅である。
「ご主人様。このくちばしもなかなか面白そうな素材だぜ」
「うむ。何体かのくちばしは傷が多くて素材としてはダメだったが、それでも皆で分けるくらいの数は確保できた」
 ロウナとキアラもフレアミンゴの素材に舌を巻く。
 滑らかで高級感のある赤黒いくちばし。
 うむ。このくちばしは、台座に乗せて飾るだけでも見栄えがいいだろうな。
 戦闘の危険度の割にはお得な素材が手に入り、ホクホクになる俺たちなのだった。

 さらに進むこと、十五分ほど。
 また、新たなる敵が現れる。
 真っ黒いゴリラのような姿で、こちらに向かってドラミングしながら威嚇をしてきている。
 周りには、風神の谷にもいた悪戯好きの猿の魔物『エビルモンキー』を数体引き連れている。
 悪猿の姿を見て、リズたち五人が露骨に嫌な顔をする。
 まあ、あいつらに関しては碌な思い出がないからな。
 セーラに至っては、自らの身体を抱いて鬼のような形相をしている。
 いかんいかん、まずはあのひと際でかいゴリラの鑑定だ。

名前:エビルコング
危険度:A
説明:エビルモンキーが進化した魔物。エビルモンキーを引き連れ、群れを形成する。凶暴性や攻撃力が格段に上がっているため充分注意が必要。
素材:『悪大猿の毛皮』

 うーむ、どうするか。
「レオ……あたし、あいつら嫌い……」
「ん……シレイドも」
 うんざり顔のリズとシレイド。
 キアラとロウナは「いつでも行けるぞ」と目線で合図してくる。
 といっても、前みたいに前方の敵が囮で後衛を狙われたら困る。
 なら、遠距離から攻撃するしかない。
「仕方ない。魔法を試すか『エルハーケン』!!」
 俺は、土属性の範囲魔法を放つ。
 突き出した両手から魔法陣が出てきて土塊が放射状に飛んでいく。
「ゲギャギャギャ!?」
「グッギャァア!?」
 悪猿の頭にバコスコと土塊がぶち当たって絶命していく。
 なかなか使わない土魔法攻撃だが、案外強力である。
 その時——!!
「ゲギャギャ!!」
「ウッキー!!」
 横の茂みからエビルモンキーが数体飛び出してきた。
 やはり、隠れていたか。前方の群れは予想通り囮だったということだ。
 そのやり方はすでに見切っているのだよ。
「ウッホー!!!!」
 土塊攻撃を喰らって激昂したエビルコングも突撃してくる。
 俺たちはすぐに接近戦に備えるのだった。
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