【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第10章:ルクシアの町と女を忘れたギルド団長編

第7話:悪大猿エビルコング

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「ウギャギャ!!」
「ギャヒー!!」
 茂みから奇襲してきた悪猿たちはキアラとロウナが相手取る。
 俺は前方の群れから飛び出てきたエビルコングと交戦する。
「おらあああああっ!!」
「ウッホォォォォー!!」
 エビルコングの拳を、風霊の剣で斬り受ける。
 ザシュッ!!
「ウギャホォ!?」
 悪大猿の拳がざっくり斬れる。
 そりゃあ、剣と拳なら剣の方が強いだろう。
 やはりサル。知能は無いらしい。
「ウギャホォ!!」
 エビルコングはブチ切れたらしく、勢いよくビンタをかましてくる。
 バァアアアアアアン!!
「ぐぅ!?」
 とんでもない重さの横からの張り手を、身体を丸めて受け止める。
 ゼフィロスコートの防御力は高いはずなのにダメージはでかい。
 危険度Aは伊達じゃないな。張り手が当たった利き腕がビリリと痺れる。
 すごく痛い……。
「はあああっ!!」
 利き手じゃない腕で、剣を握って反撃する。
「グゴォ!?」
 エビルコングの腕に剣が当たり、バックリと斬れる。
「グオオオオ!!」
 激昂したエビルコングは手を振り上げ、両手で俺のことを叩き潰そうとしている。
 そこに——!!
「『ヘビーショット』!!」
 リズの隕石鼠弾がエビルコングの振り上げる腕に炸裂し、爆発する。
「ウッゴオオオオオッ!!」
 エビルコングが少し怯む。
「そこです!! 『シャイン』!!」
 セーラの光魔法がエビルコングの目にヒットし、視界を眩ませる。
「今だ!! 『マグナムブレイド』ぉぉお!!」
 隙だらけになった悪大猿の心臓部目掛けて、突きの弾丸を放つ。
 ドゥン……!!
 鈍い音とともに、エビルコングの胸に大きな穴が開く。
 呻き声をあげながら、エビルコングはどしりと地に沈んだ。
 エビルモンキーの方も、キアラ、ロウナ、シレイドの活躍で全滅したようだ。
「『エネミーカウント』………!! うん、全部倒せたね!!」
 リズの言葉に安堵する。
 どうやら、戦闘は終了できたようだ。
「みんな、無事か!?」
 俺は五人に声をかける。
「あたしは大丈夫だよ」
「私もです。皆さんに護ってもらってましたから」
 リズとセーラが答える。
「ん……あのサルたちに、胸触られた」
「私もだ。攻撃する意思はないのか、やたら尻と太ももを撫でられた」
「あたしも。胸と尻尾をしこたま触られたよ。顔面粉砕してやったけど」
 シレイド、キアラ、ロウナは被害があったようだ。
 あのクソ猿……今度出てきたら跡形もなくボコボコにしてやる。
 彼女たちにセクハラされて、憤怒の念が沸き起こる俺なのだった。

 その後、三合目に入り、進むこと三時間。
 ダークゴート、ホローレックス、ポピーマンティス、フレアミンゴ、エビルモンキー、エビルコングと度々戦闘を重ねながら、山の奥へ奥へと進む。
 なかなかにダメージや疲れは出るものの、勝てないことはない。
 セーラの回復魔法と休憩をはさみながら、ボス部屋を目指した。
 その間、ハクオウリュウには一度も会わなかった。
 素材が高価そうなので、もう一度くらいは戦いたかったが、また今度になりそうだ。
 開けた道を進み続けると、リズが声を上げる。
「みんな! この道をまっすぐ行くと、ボス部屋だよ! 反応もある!」
「そうか、ようやくだな。よし、進もう」
 俺がそう言うと、五人が首肯する。
 そして遂にボス前に到着する。
「この小道を抜ければボスだよ……どうする? レオ」
「……ふむ」
 リズの言葉に少し考える。
 このまま突っ切ってしまってもいいが、山道の移動や雑魚モンスターとの戦いで、みんなも幾分か疲労しているだろう。
 こうした状態で強行すると、またアイアンゴーレムの時みたいに窮地に陥る危険性がある。
 同じ轍は二度踏まない。
 経験を通じて得られる教訓は大事にしないとな。
「帰ろう。明日、またここにワープしてくればいい」
「そうだな。急ぐわけでもないしな」
 俺の言葉にキアラが頷く。
 他の四人も同意見だったようなので、俺たちはそのままコボ村の宿へと戻るのだった。

「もぐもぐ……んー、じゅんわりおいしい……」
「本当ですわね。このダイコン、出汁が染みててホントにいい味です」
 シレイドとセーラが、宿のおばあちゃんが作った大根の煮物を食べて至福の笑みを浮かべている。
「明日でハクオウ山攻略三日目だねー、まあ、あとはボス討伐だけだけど」
「ああ。マッサ鉱山では同じような状況で強行して苦戦を強いられたからな。今日は活動している時間が長かったし、用心して確実に踏破することに重きを置いた」
「それでいいと思うぜ。もう、あんなひやひやする戦いは御免だからな」
 リズの言葉に俺が答えると、ロウナも賛同する。
「まあ、ここの宿が気に入ったからというのもあるんだがな。エルゼリアでは食べれない心まで温かくなる料理を出してくれるし」
「おやまぁ……うれしいねぇ」
 俺が言うと、台所から腰の曲がったおばあちゃん女将がひょっこりと姿を現す。
「これ『ベビーチキン』と呼ばれるカシワの魔物の焼き物だよぉ。おいしそうに食べてくれるからサービスだよ」
 コトリと机に置かれたのは何とも美味そうな鳥を焼いた料理。
 小ぶりの鶏肉を焼いたもののようだが、口に入れるとコリコリとした食感とジュワリと溢れる肉汁が口いっぱいに広がりかなり美味い。
 肉料理に目がないシレイド、ロウナが目を細めて味わっている。
「むふー……ばあちゃん……これ、美味しい」
「胡椒のピリッとした刺激と、旨味が凝縮した肉がたまんねー。ばあちゃん、最高だぜ!」
「そうかい。よかったよぉ……いっぱい食べて、明日の冒険、頑張るんだよぉ」
 おばあちゃんが目を細めてエールを送ってくれる。
 俺たちの中では本当のおばあちゃん感覚である。
「よし! ばあちゃんの料理を食べて、明日の決戦頑張るぞ!!」
「「「「「おー!」」」」」
 俺の掛け声に、五人が力強く天に拳を挙げた。
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