【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第10章:ルクシアの町と女を忘れたギルド団長編

第20話:女神メルヴィーナたち

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 ――それから一週間。
 彼女たちの移住がようやく落ち着いた頃、俺はエルゼリアにある大きな教会に来ていた。
「やあやあ、レオさん!」
 俺の姿を見つけると、軽快に駆け寄ってくる女性がいた。
 女神メルヴィーナだ。
「よう、メルヴィーナ。ここに住むことになったみたいだな」
「やだなぁ。この世界ではメルヴィって呼んでくださいな。聖典の女神と同じ名前だから目立っちゃうじゃないですか」
 俺の言葉にニッコリと微笑む女神……メルヴィ。
 そう。女神たちはとりあえず教会に身を寄せることとなった。
 なんでも、オルフィア女王様から『女神ならば教会にいればいい』と言われ、下宿先としてこの教会をあてがわれたのだとか。
 最悪、女神たちなら魔物を狩って、素材を売れば生活できそうだが……。
 強大な力を持つ女神たちを、目の届くところに置いておきたかったのだろう。
 あと、彼女たちの姿形が聖典に出てくる女神そのものなので、下手に町中に居住地を構えると面倒なことになるのではという懸念もあったようだ。
 ここなら、女神に憧れすぎた教会関係者という言い訳も効くとか効かないとか。
 なんにせよ、メルヴィたちも国中にアクセスがしやすいエルゼリアに滞在することになったのだ。
「他の女神さんたち……えっと……ウルさんとディアナさんは?」
「アブランを探しに行っています。依然として、足取りは掴めていません。この国から出て行った可能性もあるかもしれませんね。私は留守を頼まれて、ここにいます。純粋な戦闘力ではあの二人には及びませんからね。ここで奴の『気配』を探っていますが……まぁ、なかなか上手くいきませんね」
 俺の言葉に険しい顔で答えるメルヴィ。
「王魔種の方は?」
「オルフィア女王たちの協力もあって国を跨いでの回収自体は進んでいます。ですが、そちらもアブランがどれだけモノを隠し持っているか不透明です。世界各国での魔物たちの動きを見れば、まだ相当数保有しているかと……もしかしたら、この世界でも王魔種自体を作り出すことができるのかもしれません」
 ふむ……見通しは悪いようだ。
「で、どうしたんですか? 今日は?」
「いや、メルヴィに会いに来ただけだ。こちらの世界で不自由はないかと思ってな」
「くすっ。相変わらずの真面目紳士ちゃんですねぇ、レオさんは! そうやって、数多くの女性をものにしてきたんですねー、このこの!」
 からかうような目をしながら、肘で脇腹を小突いてくるメルヴィ。
「先のカーニバルの時に、メルヴィと交信できなかったからな。実は少し心配していたんだぞ?」
「先のカーニバル……あー、エルゼリアギルドのおっとり受付嬢さんの時ですねー。天界がアブラン騒動の真っただ中でしたからねー」
「そうだったのか。まぁ、元気そうで良かったよ」
「あははは。女神の心配なんて、変な人ですねー」
 俺の言葉に、ケラケラと笑いながら答えるメルヴィ。
「おやおや……メルヴィちゃん。お客さんですかねぇ。お話が終わったら、教会のお掃除手伝ってねぇ」
「むー。メルヴィ『ちゃん』じゃないです! 私は『女神』で『大人』ですよ! 掃除のお手伝いは了解しました!」
「はいはい。分かってますよぉ」
「絶対分かってないでしょう!?」
 教会のおばあちゃんシスターにも可愛がってもらっているようだ。
 この分だと、ここで暮らしていくのも不便はなさそうだな。
 少し心配していたが、良かった。
 俺は、女神の様子を見た後、宿へと戻る。

 先日のガラテアでの会議の後、冒険者たちにも『王魔種』の存在が知らされた。
 国民たちにも安全のためにと説明が行き届いたものの、当然、不安や混乱が起こっているらしく国関連の施設はてんやわんやしているようだ。
 そこに、ルクシアやガラテアの移住騒ぎも最近まで起こっていたので、エルゼリア周辺もまだ少しザワついている。
 当然、冒険者ギルドの方も大忙しで、当面はこの状況が続くようだ。
 冒険休止中の俺たちだが、幸い貯蓄はある。
 この間に、俺は時間を見つけてリズと共に、借家の内見を進めている。
 パーティ全員で住めて、かつ……他の彼女たちを部屋に呼んでも大丈夫そうな所を。
 多人数彼女持ちの男として、この条件は外せなかった。
 まあ、まだ当面はラックステラでお世話になる予定である。
 こうして、ルクシアの魔物のスタンピード騒動は、徐々にではあるが解決に向けて進んでいるのだった。



 ——とある廃墟にて。
「くそおおおおおっ!! くそがぁっ!! あの女神ども!! 本気で俺を殺そうとしやがってぇぇ!!」
 アブランの怒号が廃墟内にこだまする。
 彼の腕には矢で射抜かれた際の大きな傷、脚には凍傷の跡が生々しく残っていた。
 人間の攻撃は効かないが、同じ神族の攻撃はしっかりと効いてしまうのだ。
「ぜってぇ許さねえ……!! 必ず、この世界もろともあの三人も終わらせてやる……!!」
 並々ならぬ敵意を剝き出しにするアブラン。
 と、そこへ、一人の影が近づいていく。
「おやおや、これは怖い。お元気ですねえ、そんなに酷い手傷を負っているのに」
「誰だ? ……てめえ」
 アブランは手を翳し、その者への攻撃の姿勢をとる。
「そう警戒なさらないでください。私はあなたの味方ですよ。ふふふふ」
 深くフードを被った男は、そう言ってアブランの警戒を解こうとする。
「味方……だと?」
「はい。あなたを待っていたのです……邪神アブラングレー様」
「てめえ……どうして俺の名を……?」
「名前だけではありません。あなたが王魔種を使い、この世界を滅ぼそうとしていることも、女神たちに追われていることも知っています」
「……何者だ? てめえ……」
 射殺してしまうくらい鋭い目を男に向けるアブラン。
「私は、闇ギルド『邪竜の鏡』のメンバー……というよりも、団長といった方が良いでしょうかね」
「闇ギルドの……団長、だと?」
「はい。我が闇ギルドはこの世界を統べるため日夜活動しているのです。世界中に同胞たちがいますよ」
「その団長とやらが、どうして俺の事情を知っているんだ?」
「それは……私もあなたと同じような立場……だからですねぇ」
 男が腕を見せると、その腕がみるみる異形へと変貌していく。
「てめえ……! そうか、ははははははは!! どうやら、俺にもツキが回ってきたようだ!!」
 その姿を見て、アブランが高笑いしだす。
「これからは、私たち『邪竜の鏡』があなたにお仕えし、あなたをお守りし、手助けをしますよ……邪神アブラン様」
「ふふふふふ。ああ、頼んだぜ……『ゼオン』」
 二つの巨悪の道が、こうして静かに一つに交わったのだった。
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